2010年09月28日

知事と市長って、どっちが偉いか

 知事と市長って、どっちが偉いか?
 当たり前過ぎる話かもしれませんが、そういえば、話題にまだ、してなかったので、ちょっと書いてみます。

 普天間基地問題で、政府が揺れてます。沖縄知事選挙が終わるまで話が動かないってことになっていて、知事に誰が選ばれるかで、その後に大きく影響されるって、報道されてます。
 でも、総理大臣って、日本で一番偉い人で、沖縄県も日本の一部なのだから、そんなのガタガタ言ってないで、沖縄県知事を呼びつけて、基地問題の解決に取り組むように、命令しちゃえばいいじゃないかと思いませんか?本当はやりたいけど、民意とか考えると、なかなかできない?
 いえ、そもそも、国と沖縄県って、全く別の組織だから、(特別に法律で決められてるようなことを除けば、)総理大臣は、沖縄県知事に命令なんて、できないのです。できるのは、要請=お願い。

 別の組織ってことを、もう少し例を挙げて説明すると、国が日本国民を株主とする会社とすると、沖縄県は、沖縄県民を株主とする会社。株主は重なってるけど、会社としては、別会社。国の方が、規模の大きい会社という分、偉いのかもしれません。国と沖縄県の取引関係の中で、沖縄県がお世話になる分が多いから、色々無碍にもできないのかもしれません。
 でも、あくまでも別会社ですから、沖縄県知事は、総理大臣からでも、命令なんてされないし、色々世話になってる会社とはいえ、株主たる沖縄県民のためにならないと思えば、要請も断らなければなりません。

 大阪市って、規模が大きくて、政令指定都市として府県なみの権限を一部持っていて、府県と同格で、なかなか大阪府知事のいうことを聞かない。という言い方をされることがあります。
 でも、そもそも、市の規模の大小に関わらず、市長って、自治体という会社の社長さんであって、府県とは、確かに規模は違うけど、一国一城の主な訳ですから、(法律などで決まっている事項を除けば、)どんな小さな市の市長さんでも、知事から、上司・部下のように命令なんて、されないのです。

 それでも、「大阪市がいうことを聞かない」と言われるということは、「大阪市以外は、いうことを聞く」ということです。なぜ、大阪府下の大阪市以外の市は、大阪府の言うことを聞くのでしょうか。
 例えば、市で色々と仕事をする時に、府の許認可を受けないとできなかったり、国にお願いをしようとすると、府を通してお願いをしなければならなかったり、少し大きな公共事業をしようとすると、市単独でできないので、府の事業の中に織り込んで貰わないといけなかったりと、制度的にお世話にならないといけないのです。だから、少しくらいなら、無理な要請でも(後で、意地悪とかされたくもありませんから)、できるだけ、大阪府の言うことを聞くのでしょう。
 それでも、喜んで大阪府の言うことを聞いているかですが、堺市が新たに政令指定都市になったり、規模だけ満たす限り、東大阪市が中核市で、その他、特例市も、大阪府下にいっぱいあります。こういうのは、できるだけ、大阪府の権限から逃れようとしているとも、捉えられるので、あんまり、大阪府の影響が強くなるのは、喜んではいないのでしょう。

 大阪市は、政令指定都市で大阪府の許認可が必要なことって、少ないです。必要な公共事業も自分でやったりで、大阪府と協調しながらの事業はいっぱいあっても、大阪府に頼らなければできないことって、あまり多くありません。大阪府も、「大阪市は政令指定都市で、自分でできるでしょ。」と、他の市には出している補助金を大阪市には出さなかったりと、意地悪するので、余計に大阪府に頼る部分は少ないことになります。
 大阪市は、大阪府のお世話になってる部分が少ないのですから、無理をしてまで協力要請には、応じません。
 まあ、大阪府からすれば、大阪市も他の市と同じように命令をきかせたいのに、なかなか言うことを聞かない「うまくいっていない政令指定都市」ってことになります。大阪都構想で、大阪市を分割して、他の市なみか、それ以下に落としてしまえば、大阪府下は、みんな言うことをきく、「良い市」ばかりとなる訳です。それが、市民にとって「良い市」かというと、別のことだと思われますが。

 最初に戻って、知事と市長は、どっちが偉いかです。
 例えば、会議の席順とかの意味で言えば、知事が絶対に偉いです。でも、命令をする・命令を受ける、組織としての上下関係でいうと、知事も市長も、独立した自治体の長として、対等です。これは、市町村の規模に関わらずです。
 知事と市長が地域の行政のために協調するのは、大切なことです。でも、市が府県に依存し、府県の影響下に置かれる状態になっているのだとしたら、本来の地方自治制度からいえば、その状況の方が望ましくないのだと思います。


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posted by 結 at 02:37| Comment(2) | 行政組織 | 更新情報をチェックする

2010年10月02日

大阪市へ区長公選制を迫る不思議

 橋下知事は、事あるごとに、大阪市へ区長公選制の導入を迫ってきたように思います。
 わたしは、このことを不思議に思っています。

 この場合、現在の行政区の区長と同じものとして、選挙で選ぶようにすれば「よし。」となるのでしょうか。
 予算編成権を自治体の要と説く知事のことですから、まず間違いなく、「区民の代表者たる区長が、それに相応しい予算を持っていないのはおかしい。そんな区長の選出は、ただのまやかしだ。」と、更に責めたてることだろうと思います。そして、もし区長が予算を持つことになれば、その予算の妥当性を確保するためにも、議会を置くことが必要になります。
 公選区長、区議会、予算、これらが揃うということは、区が、ひとつの市になるということです。
 橋下知事が、大阪市に区長公選制の導入を迫るというのは、市の中に、小さな市を作るよう求めているということです。

 区長公選制とは、都道府県である東京都の下に基礎自治体を置くために設けられた、極めて特殊な制度です。
 政令指定都市とはいえ、あくまでも「市」である大阪市に導入を求めるのは、どう考えても矛盾しています。結局、大阪市に「分割しろ!」と迫っているように聞こえます。

 法律で「市」として認められている大阪市を、基礎自治体として認めないと公言して憚らない橋下知事のことですから、橋下知事の中では矛盾していないのかもしれません。
 でも、「大阪市を基礎自治体と認めない。」という発言も、知事たる立場の人が、府下の市に分割を求めることも、「暴言」だと思います。(市の合併や分割は、その市、固有の判断となるので、府県などがその意思に反して、介入することはありません。)
 どのような暴言をしようとも、マスコミも、府議会も、批判しないとたかをくくっているのでしょうか。

 なお、区長を選挙で選ぶべきと強調する橋下知事の姿は、とても、各区の地域性を重視しているように見えます。でも、平松市長との意見交換会で、区の独立を迫る橋下知事に、平松市長が「24区を独立させるのか?」と問うと、「8〜9にして」と、今の区は無くしてしまう趣旨の発言をされていました。
 大阪市の各区に、独立させるべき地域性を認めているということではないようです。


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posted by 結 at 01:01| Comment(2) | 行政組織 | 更新情報をチェックする

2010年10月04日

橋下知事の市役所改革に疑問に思うこと

 橋下知事が、大阪市役所批判を行ったうえで、「大阪市役所を一度ぶっつぶして、作り直しましょう!」的な発言をされるのを、テレビの報道などで、よく聞きます。
 でも、橋下知事を大阪市役所の改革者として考えた時、ちょっとヘンじゃないかと、感じてしまうのです。
 それって、なぜなのかを考えてみました。

 一つ目には、橋下知事が大阪府知事だということです。
 大阪市役所が、今のままでいいとは思いません。色々、改善・改革には努めてもらいたいと思います。でも、大阪府知事の橋下知事が大阪市役所を批判し、改革を訴えるほどに、大阪府という組織は、素晴らしく改善など不要な組織なのかと思うと、あまりそんな風には思えないのです。
 他所のことをあげつらう前に、自らの組織を、どこからも批判など受けようも無いよう、改革に努めることが先でしょう。例え、府の改革を行いながら、市役所へも改革を求めるならば、自ら100をやって、よそへ10を求めるものだと思います。でも実際は、自ら10やって、よそへ100を求めているような。
 橋下知事は、大阪市役所へ解体を求めました。「府庁と市役所を共に解体して、作る直す。」といった発言をされたこともあったと思います。でも、橋下知事が、府庁をどのように改革するのか、それが「解体」の名に値するのか、その姿は何も見えません。
 市役所の広域業務の部署を吸収し、組織再編することや、欲しい業務だけ府庁に集めて、いらない業務を市町村へ押し付けることが、府庁の「解体的」改革でないことを望みます。

 二つ目は、橋下知事が大阪都構想後の基礎自治体の長になるとは、言っていないことです。
 大阪都構想であれ、大阪市分市案であれ、大阪市の主要な業務部門は、都区や分市後の市が引き継ぐことになります。そして、都庁であれ、府庁であれ、都区や新市の業務を統括する訳ではありません。あくまでも、都区や新市が自ら業務を行います。
 橋下知事の主張される大阪市の分割は、確かに、市役所をぶっ潰しますが、それを市役所改革と捉えるならば、始まりに過ぎません。そこから具体的に改革が始まるのだと思います。
 それなのに、区長となってどんな区政を行うかといったビジョンを示すどころか、どのように関与するかすら示さない人を、改革の担い手と見ることはできません。

 三つ目は、橋下知事の示す改革案が、自分の求めるものと合致しないように思うからです。

 大阪市役所に不満を持っているとして、改革をして欲しいと思う点って何でしょうか。
 身近な行政(下水道処理やゴミ処理、水道の給水、市バスの運営なども身近な行政のうちです。)についていうならば、細かなことは色々あるとしても、わたしは大きくは満足しています。
 道路は整備され、街灯のない道路は見当たらない。公園や街路樹の整備で、昔とは比較にならないくらい、街中の緑も多くなった。水道料金も府下では安い方だと聞くし、市内なら、地下鉄かバスで、どこへでも行くことができる。市内で部屋を探す時に、下水のことなど調べもしないし、大雨が降って冠水したという話も、随分となくなりました。
 勿論、もっともっと良くして欲しいとはいえ、基礎的な行政としては、わたしは大きな不満はありません。

 わたしが市役所に改革を求めたいとすれば、不祥事などで聞かれるような職員の気持ちを引き締め、「役所の論理」ではなく「市民目線で働く組織」になって欲しいといったことです。
 ですから、職員の4分の1程度(特に組合関係者)を、民間出身者に途中採用で入れ替えて、組織体質や職員意識を変えるというような案であれば、大賛成します。

 では、橋下知事の改革案はどうなのでしょうか。
 今までの話を聞く限りは、大阪市の分割を骨子とし、そこに議会制度を中心とした住民参加を図るといった形で広げていく案を想定します。
 でもこれでは、今の基礎的な行政を支えている行政組織は壊れてしまいます。大阪市は、市全体で基礎的行政を行う組織を作ってる訳ですから、(個々の業務の中ですら)普通に分割できる部分もあれば、分割できない部分もあります。総体として考えれば、現状よりどの程度の低下で抑えられるかに挑戦する作業になるように思います。

 逆に、職員は何か変わるのでしょうか。
 組織は大きく変わるとして、職員の意識改革へ繋がるような改革は、わたしには見えてきません。
 「『区を3つ合わせた程度の小さな?自治体』になることで、市民との距離が近くなり、市民目線での行政を行うことができるようになる。」といったお題目が聞こえそうですが、現状の区役所より遥かに遠い姿を想像すると、全然、実感としては思えません。

 わたしにとって、橋下知事の大阪市役所改革案は、市役所の行政の壊さないで欲しい部分は壊してしまい、変えていって欲しい部分はどうなるか判然としない、職員は今のまま変わらないんじゃないかとも思えてくるような「改革案」です。

 あなたが大阪市役所に改革を求めているとして、あなたにとって、大阪市役所に変えて欲しいこと、変えて欲しくないこととは何ですか?
 橋下知事の大阪市役所改革は、あなたの希望に、きちんと合っていますか?

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posted by 結 at 00:54| Comment(0) | 行政組織 | 更新情報をチェックする