当たり前過ぎる話かもしれませんが、そういえば、話題にまだ、してなかったので、ちょっと書いてみます。
普天間基地問題で、政府が揺れてます。沖縄知事選挙が終わるまで話が動かないってことになっていて、知事に誰が選ばれるかで、その後に大きく影響されるって、報道されてます。
でも、総理大臣って、日本で一番偉い人で、沖縄県も日本の一部なのだから、そんなのガタガタ言ってないで、沖縄県知事を呼びつけて、基地問題の解決に取り組むように、命令しちゃえばいいじゃないかと思いませんか?本当はやりたいけど、民意とか考えると、なかなかできない?
いえ、そもそも、国と沖縄県って、全く別の組織だから、(特別に法律で決められてるようなことを除けば、)総理大臣は、沖縄県知事に命令なんて、できないのです。できるのは、要請=お願い。
別の組織ってことを、もう少し例を挙げて説明すると、国が日本国民を株主とする会社とすると、沖縄県は、沖縄県民を株主とする会社。株主は重なってるけど、会社としては、別会社。国の方が、規模の大きい会社という分、偉いのかもしれません。国と沖縄県の取引関係の中で、沖縄県がお世話になる分が多いから、色々無碍にもできないのかもしれません。
でも、あくまでも別会社ですから、沖縄県知事は、総理大臣からでも、命令なんてされないし、色々世話になってる会社とはいえ、株主たる沖縄県民のためにならないと思えば、要請も断らなければなりません。
大阪市って、規模が大きくて、政令指定都市として府県なみの権限を一部持っていて、府県と同格で、なかなか大阪府知事のいうことを聞かない。という言い方をされることがあります。
でも、そもそも、市の規模の大小に関わらず、市長って、自治体という会社の社長さんであって、府県とは、確かに規模は違うけど、一国一城の主な訳ですから、(法律などで決まっている事項を除けば、)どんな小さな市の市長さんでも、知事から、上司・部下のように命令なんて、されないのです。
それでも、「大阪市がいうことを聞かない」と言われるということは、「大阪市以外は、いうことを聞く」ということです。なぜ、大阪府下の大阪市以外の市は、大阪府の言うことを聞くのでしょうか。
例えば、市で色々と仕事をする時に、府の許認可を受けないとできなかったり、国にお願いをしようとすると、府を通してお願いをしなければならなかったり、少し大きな公共事業をしようとすると、市単独でできないので、府の事業の中に織り込んで貰わないといけなかったりと、制度的にお世話にならないといけないのです。だから、少しくらいなら、無理な要請でも(後で、意地悪とかされたくもありませんから)、できるだけ、大阪府の言うことを聞くのでしょう。
それでも、喜んで大阪府の言うことを聞いているかですが、堺市が新たに政令指定都市になったり、規模だけ満たす限り、東大阪市が中核市で、その他、特例市も、大阪府下にいっぱいあります。こういうのは、できるだけ、大阪府の権限から逃れようとしているとも、捉えられるので、あんまり、大阪府の影響が強くなるのは、喜んではいないのでしょう。
大阪市は、政令指定都市で大阪府の許認可が必要なことって、少ないです。必要な公共事業も自分でやったりで、大阪府と協調しながらの事業はいっぱいあっても、大阪府に頼らなければできないことって、あまり多くありません。大阪府も、「大阪市は政令指定都市で、自分でできるでしょ。」と、他の市には出している補助金を大阪市には出さなかったりと、意地悪するので、余計に大阪府に頼る部分は少ないことになります。
大阪市は、大阪府のお世話になってる部分が少ないのですから、無理をしてまで協力要請には、応じません。
まあ、大阪府からすれば、大阪市も他の市と同じように命令をきかせたいのに、なかなか言うことを聞かない「うまくいっていない政令指定都市」ってことになります。大阪都構想で、大阪市を分割して、他の市なみか、それ以下に落としてしまえば、大阪府下は、みんな言うことをきく、「良い市」ばかりとなる訳です。それが、市民にとって「良い市」かというと、別のことだと思われますが。
最初に戻って、知事と市長は、どっちが偉いかです。
例えば、会議の席順とかの意味で言えば、知事が絶対に偉いです。でも、命令をする・命令を受ける、組織としての上下関係でいうと、知事も市長も、独立した自治体の長として、対等です。これは、市町村の規模に関わらずです。
知事と市長が地域の行政のために協調するのは、大切なことです。でも、市が府県に依存し、府県の影響下に置かれる状態になっているのだとしたら、本来の地方自治制度からいえば、その状況の方が望ましくないのだと思います。
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