2010年05月10日

吹田市をめざせ?

 大阪府・市再編後の基礎自治体のイメージに関する橋下知事と記者のやり取りを読みました。

 東京都の特別区がどれだけ多彩な市民サービスをしているか、見て欲しい。大阪でも区長が権限を持つことで、そうした施策を打ち出す自治体になると、いったような話でした。

 特別区は、市に準ずるものですが、基本的に市を上回る権限を持つものではありません。特別区の権限でできることは、他の市にもできることです。(予算の豊富さとかを別にすれば。)

 橋下知事のいう趣旨は、200万人都市の大阪市は大きすぎて、基礎自治体としては、市長と市民が離れすぎている。30万人規模の市になれば、市民の声を市長がどんどんと拾い上げ、市民のための多彩なサービスを実現できるようになるということかなと、思うのです。

 30万人規模というと、大阪府下では吹田市がその位です。
 つまり、大阪市を分割して、8つの吹田市にすれば、市民サービスがとっても向上するんだという話です。

 吹田市が悪いとはいいません。でも、わたしは、今の住まいを決める時に、吹田市でも大阪市でも自由に選べる中で、大阪市に住むことを選んだのです。
 それなのに、大阪市を解体してまで「吹田市をめざせ!」といわれると、ちょっと何だかなぁという、気分になってしまうのですが。

(ちょっと訂正です。)
「大阪市を分割して、8つの吹田市にすれば、市民サービスがとっても向上するんだ」というのは、正しくありませんでした。
大阪市を分割して、8つの吹田市にして、(市民サービスを良くしてくれるような)しっかりとした市長を選べば良くなるし、そうでなければ悪くなる、まず変えてみることが大事。ということのようです。

 大阪市のままでも、市民サービスを今よりずっと良くしてくれる素晴らしいアイデアをもった、素晴らしい市長を選べば良くなると思いますが、「まず変えてみること」ではないので、ここでの選択ではないようです。


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posted by 結 at 21:58| Comment(3) | 基礎自治体業務 | 更新情報をチェックする

2010年05月11日

大阪市を8市に分割するのは、改善になるのか(ちょっと、具体的に)

 前に同じテーマを扱った時、1市役所+24区役所が8市役所になるとしたら・・・として、考えてみました。

 これに対して、「大阪市を分割して、8人の市長を置くことは改善か?」では、大阪市を8つの新市(都区)に分割しても、24の区役所、図書館、区民ホールなどは、そのまま維持するというのを前提にしました。
 どちらなのでしょう?

 普通に考えれば、3区をまとめてひとつの新市(都区)にするなら、市内に3つある区役所や図書館をそれぞれひとつに集約して、効率化を図るはずです。
 そして、この施設の集約化は、市民サービスの低下や職員の大量リストラに目をつむるなら、大阪府・市の二重行政解消より、よほどコストカット効果があるはずなのです。
 でも、わたしは、大阪市が8市に分割されても、結構長期間、24区役所などの施設は、そのまま維持されるのではないのかと、考えています。

 一番のポイントは、橋下知事も大阪府予算の歳出削減でぶち当たったのと同じ、公務員は首切りで、コストカットをできないということです。
 24の区役所、図書館、区民ホールなどの建物は既にあるのですから、施設集約の目的は運営費のカットであり、その最大部分は人件費です。
 首切りをできないなら、施設の廃止をしても市民サービスが低下するだけで、コストカット効果はかなり限られます。逆に、余剰人員を収容する、事務所、仕事、予算などが必要になってしまいます。

 そのため、区役所などの施設はそのまま維持し、大阪市役所の機能を受け入れる要員を捻出する範囲での、限定的な集約化に限ると思うのです。
 その後、自然退職による人員減の範囲でゆっくりと施設の集約を行い、そのことでコストカットできた分を市民サービスにまわすといった流れが考えれます。

 なんだか、のんびりした話で、新しい市長の下で大改革を期待する方には不満が出るでしょう。でも、ここで挙げた事情は誰が市長になっても、ぶち当たる問題なのかなと思うのです。
 ただ、分割後の8市がかなりの予算増になる点を何とかすることができるなら、市民サービスの劇的な低下を避けながら、じっくり効率的な体制へ移れますし、予算増になった分をそのまま確保できるなら、(基礎的費用を効率化した上で、予算全体を増やすのですから、)長期的には市民サービスが厚くなることも期待できるわけで、悪い話ではないのです。

 では次回は、その肝心の予算のことを見ていくことにしましょう。


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2010年05月13日

大阪市分割後の8市の財政はどうなるか

 大阪市分割後の8市が、基礎自治体業務について、現在の市民サービスを維持しようとすれば、中ノ島の市役所で行っている業務を各市で行ったり、スケールメリットが失われたりすることで、予算の増額が必要になると思われます。
 どのくらいの規模になるかは分かりませんが、1割増でも8市計で年間1000億円以上になりますから、かなりのものです。

 では、収入はどうなるのでしょうか。
 政令指定都市でなくなることで、収入減になる部分がありますが、これは仕事も府に移っているので、考えないことにします。

 他に分かっていることといえば、法人市民税と固定資産税を都税(府税)に移すことです。(税の性格や東京都の例を考えれば、都市計画税と事業所税も都税に移すことになると思いますが、今は考慮しないことにします。)
 この2つの税で大阪市の市税収入の6割を占めるので、そのまま無くなるとなると大変なのですが、東京都の例をみると一定割合(東京都でいうと55%)を、徴収後に各市(都区)へ配分することになります。
 この影響を考えてみます。

 東京都にならって、2税の収入の55%を各市(都区)へ配分するとします。何を基準に配分するか分かりませんので、各市の人口比で5割、面積比で5割を配分するとして、試算してみました。

        2税の税収   構成比  人口     面積
大阪市    4240億円  64%  253万人  221平方キロ
他の10市  2403億円  36%  294万人  436平方キロ

        配分額       増減
大阪市    1460億円  −2780億円
他の10市  2194億円   −209億円

大阪府    2990億円

 2税の収入の6割以上が大阪市からですが、全体の45%を先に大阪府の収入にしてしまううえに、人口・面積共に大阪市以外の10市計の方が大きいので、大阪市への配分は、55%のうちの4割、2税の収入の22%に止まります。
 大阪市分割後の8市の減収額は、2780億円に達します。

 ただ、わたしは、各市へ配分する割合は、55%より多いと考えています。
 理由としては、大阪維新の会の政策で、都区は東京都の特別区より財源を有する基礎自治体であるとしていること。もうひとつは、55%の配分では大阪市以外10市が、−209億円のマイナスですが、内訳では7市がマイナスになってしまい、このままでは、参加への賛同を得にくいことです。
 70%を各市(都区)へ配分するとして、同じように試算した結果は、次のとおりです。

        配分額       増減
大阪市    1859億円  −2382億円
他の10市  2792億円    389億円

大阪府    1993億円

 これでもまだ、大阪市以外10市中4市がマイナスですが、減収幅も小さくなっているので、手の打ち方はあるのかなと考えます。勿論、プラスになる6市は、ホクホクです。
 大阪府の収入は、約2000億円になってしまいますが、今まで各市の税収だったところから、これだけの追加収入を得るのですから、十分大きいです。(大阪府の20年度の税収は、全部で1兆2800億円)

 大阪市分割後の8市の減収額は、55%配分の場合で2780億円、70%配分の場合で2382億円です。20年度の大阪市の市税収入全部で、6708億円ですから、55%配分で41%、70%配分でも36%の税収が失われることになります。


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posted by 結 at 01:44| Comment(0) | 基礎自治体業務 | 更新情報をチェックする