2010年05月25日

やっぱり、よく分からない大阪都構想

 今日、新聞の一面トップで、大阪都構想について、関係11市長のアンケート結果が掲載されていました。アンケート結果はともかくとして、その記事での大阪都構想についての説明って、次のようなものでした。

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 大阪都構想では、大阪、堺両市や隣接する市を再編し、20万〜30万人規模の20区の特別区を設置。区長は選挙で選び、区議会も設ける方針で、「二重行政解消」と「行政の効率化」を目指している。
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 記事全体では、かなりの紙面を費やしながら、これだけです。でも、他のニュースなどを見ていても、これよりも、十分充実した説明って、あまりみたことがないです。
 こんな情報で、大阪都構想をどう考えるかと、意見を決められるようには思えないのです。(そのことが、橋下知事の戦術だとは、さすがに考えたくないのですが。)

 「大阪都構想が実現すると、どうなるの?」ということで、理解を深めるために知りたいと思う項目を、箇条書きにしてみます。

○大阪都(都庁)って、大阪府(現在の自治体としての大阪府庁)と、どのように違うの?
○都区(の区役所)って、今の守口市、門真市などの「市」とどのように違うの?
○都区(の区役所)って、今の大阪市内の区役所と、どのように違うの?
○都庁と都区(の区役所)の関係って、今の府庁と(守口市、門真市などの)市役所の関係と、どのように違うの?
○都庁と都区(の区役所)の関係って、今の大阪市役所と大阪市内の区役所の関係と、どのように違うの?
○都区(の区役所)は、(区民がそのように望むなら)大阪都移行前に行っていた行政サービスを、そのまま提供し続けることはできるの?

 ざっくりと枠組みを知ろうとするならば、まずは、こういうことが知りたいなと思うのです。

 と、こんなことを書いても、誰も答えを教えてくれないので、次回は、(この問いを、テスト問題に見立てて)自分なりの回答を、書いていきたいなと思います。
posted by 結 at 23:23| Comment(0) | 概要 | 更新情報をチェックする

2010年05月28日

大阪都構想テスト

 前回、大阪都構想になったら、どうなるかで知りたいと思うことを挙げてみました。今回は、それをテスト問題に見立てて、自分の答えを書いてみたいと思います。(正答は、大阪維新の会の方にでも聞いてください。)
 よろしければ、それぞれの解答を考えてみていただけると楽しいですが、「橋下知事がやることなので、今よりずっと良くなる。」は、採点対象となりませんので、ご注意を。

○大阪都(都庁)って、大阪府(現在の自治体としての大阪府庁)と、どのように違うの?

 基本的には、今の大阪府と変わらないが、次の点で異なる。
 大阪市域にも府の広域行政権限が及ぶため、現在より広範囲に行政を実行することができる。
 大阪市域を含む政策について、現状のように大阪市との調整が不要となるため、政策実行が容易となり、大阪市域を含まない政策と同じように実施することができる。(今まで調整が必要となっていた対象業務は、分かりません。政策が現状より高度化されるという提案は、今のところ行われていないと思います。)

 (東京都の例でいうと、下水道事業など)今まで市の業務としていた業務の一部を、20都区域内のみ、都が行う。対象業務は不明。また、あくまでも都の業務に切り替えるのであって、基礎自治体である都区と共同で、業務を行うわけではない。
 また、一律で市業務を府業務へ切り替える他に、(地下鉄事業など)大阪市の一部事業を吸収し、都業務にすると思われる。対象業務は不明。

 20都区の法人市民税、固定資産税(現状、市税)を、都税として徴収し、その一定割合を各都区へ配分し、残りを都の追加的な収入とする。(東京都を例にすると、45%が都の収入。)これにより、都の財務基盤が強化されると共に、都区への影響力が、現状の各市に対してよりも、強化される。


○都区(の区役所)って、今の守口市、門真市などの「市」とどのように違うの?

 基本的に現状の「市」と同じ。区長公選制や区議会を置くとされているが、現状の市長、市議会があるので、名称が変わるのみ。
 業務の一部を、都に任せることになり、業務範囲は縮小される。
 財政収入の大きな部分は、都からの配分に依存することになる。

 なお、大阪市・堺市の政令指定都市の権限のほか、東大阪市が中核市、豊中市・吹田市・八尾市が特例市として、一般の市を超える権限を持つので、これらの権限についても、一般の市以下に整理される。


○都区(の区役所)って、今の大阪市内の区役所と、どのように違うの?

 都区は、現状の「市」に近いものであって、ひとつの「市」の中を便宜的に分割していた、大阪市内の区役所とは、全くの別物。
 区役所がいくつか集まって、都区になるというより、大阪市を8つに分割して、8つの市(都区)になると考える方が近い。ただし、都区内には、「区」は置かれないので、現在の大阪市内の区は、大阪都への移行に伴い、消滅する。


○都庁と都区(の区役所)の関係って、今の府庁と(守口市、門真市などの)市役所の関係と、どのように違うの?

 業務範囲が一部変わるだけで、都庁と都区の関係は、基本的には、今の府庁と市役所の関係と変わらない。
 ただし、都庁は、都区の財源を大きく握るため、都庁が右を向けといえば、都区は右を向く存在になると思われる。


○都庁と都区(の区役所)の関係って、今の大阪市役所と大阪市内の区役所の関係と、どのように違うの?

 大阪市役所と区役所は、同じ会社の中の本店と支店の関係であり、別会社といえる都庁と都区の関係とは、全く異なる。
 大阪市役所と区役所の関係と比較するなら、都庁と都区の関係は、良きにつけ悪しきにつけ、無関係。


○都区(の区役所)は、(区民がそのように望むなら)大阪都移行前に行っていた行政サービスを、そのまま提供し続けることはできるの?

 都区の区役所は、都業務へ移管される業務を除いては、現状の市と同じ権限を持つため、権限的には、今までどおりの行政サービスの提供が可能。

 ただし、旧大阪市の8都区については、分市による行政効率の低下と、(法人市民税、固定資産税の都税移行により)大幅な減収となることが予想されるため、大阪市が独自で行っていた行政サービスを、そのまま提供することは、困難と思われる。(独自の行政サービスの大半が、廃止されると予想する。)

 また、都業務へ移管される業務(大阪市については、政令指定市の広域行政権限に関する業務を含む。)と関連して行われていた、市独自の行政サービスは、通常、都は引き継がないので、廃止されると考えた方がよい。

 つまり、大阪市の独自事業の大半は、そのまま提供できない。
posted by 結 at 01:07| Comment(0) | 概要 | 更新情報をチェックする

2010年06月17日

東京都の財政問題資料から考える大阪都構想(その1)

 前回までの東京23区との財政力比較の資料を探す中で、興味深い資料を見つけました。
 平成17年に東京都財務局が作成した「都財政が直面する課題」という資料で、その2番目のテーマとして「都区財政調整制度の課題」というのが、挙げられています。

 この中では、都区制度について、次のように説明しています。
 東京23区は、既存の大都市制度では対応できないほど、人口や産業の集積があることから、特別区の区域を一体的な地域ととらえ、「市の事務」を都と区が役割を分担して実施する。
 「市の事務」のうち、住民に身近な行政サービスは区が実施し、特別区の区域で一体的に行う必要のある行政サービス(大都市事務)を都が実施する。
 都が「市の事務」の一部を行うために、調整三税(法人市民税、固定資産税、特別土地保有税)や都市計画税など、一般に市の財源とされる税を都税とし、その一部をこの事務に充てる。(「市の事務」に充てなかった部分については、区へ配分する。)
 ということのようです。

 この資料の中で、この都区制度について、都と区の主張が対立するとして、挙げられているのは、次のようなことです。

 特別区の主張は、次のようなものです。
 調整三税(法人市民税、固定資産税、特別土地保有税)など、本来の市の財源を使って行う事務は、一般の市の事務の範囲であるべき。(一般の市の事務以外は、都固有の財源(=府県の財源)が充てられるべき。)
 調整三税で、配分されず都の財源としている7100億円のうち、3500億円を、現在の配分額に追加して、特別区への配分対象とするべき。

 これに対する、東京都の主張は、次のようなものです。
 特別区の区域の実態からみて、都が「市の事務」として行う大都市事務は、政令指定都市の事務範囲か、それ以上の範囲である。政令指定都市が行うことのできる事務の範囲(政令市以外では、府県の事務の範囲)や、市でも府県でもどちらでも行うことのできる事務は、都が「市の事務」として実施し、調整三税などの財源を当てることができるものである。
 都から区へ3500億円もの財源を移管すると、都が財源不足となり、行政サービスの低下を招くことになる。
 また、現状の調整三税の交付割合では、区は、基準財政需要に対して財源超過となっており、更なる財源を必要とするとはいえない。

 この資料の議論から、大阪都構想の現在の議論を見ての感想は、次回にします。
posted by 結 at 01:39| Comment(0) | 概要 | 更新情報をチェックする
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