2010年04月25日

「橋下知事だし、任せてみよう!」の問題じゃない

 「府市再編って詳しくはよく分からないけど、橋下知事だし、一度まかせてみようよ。」って、意見をTVの街頭インタビューなどで聞いたりします。
 ただ、府市再編、大阪都構想って、そういった問題と、かなり違うように思うのです。

 ひとつはやり直せないということ。
 昨年の衆院選、民主党による新政権が生まれました。でも、まずかったなと思えば、最長4年後には次の衆院選があって、そこでやり直すことができます。(それまでに、「やり直す」で済まない様々な問題は起きたとしても。)
 でも、府市再編をやって、大阪市民が「こんなはずではなかった。」と思っても、もう元に戻すことはできません。勿論、住民の意思で変えられない地方行政・地方制度というものはないでしょうが、その時は、大阪市民の意思ではダメで、大阪府民全体の意思が必要です。
 大阪市民が一致団結して、元の大阪市に戻したいと主張しても、その時にはできないのです。

 もうひとつは、橋下知事に任すのではないということ。
 基礎自治体業務に、府知事は、多分関与しません。そして、都業務にされると思われる広域行政の機能、例えば、都市計画、地下鉄、市バス、市立病院、水道、下水道、消防署などなどは、橋下知事に託されてるとしても、それは多分、数年のこと。その後は、次の知事に託されていくことになります。
 「橋下知事だから、任せてみよう。」と考えている方、少なくないと思いますが、歴代の府知事を思い浮かべて、あの人たちに任せたいと思いますか?これは、そういう「制度」の選択なのです。

 まあ、歴代市長を思い浮かべて、「この人たちがいい。」という話になるかは、ちょっとモニョってしまいますが、それでも、「大阪市のために活用してもらえる。」ということだけは、信用できます。
 府知事だと、それすらも、ないのですよねぇ。


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2010年04月27日

白紙委任になってしまうなぁと思う、もうひとつのこと

 大阪都を作って、広域行政の権限を府知事に集中させるというのは分かったけど、それを使ってどんな政策をして「元気な大阪」を作るのか分からないのじゃ、白紙委任を求められてるみたいだよねというのが、前回の話。

 でも、それを考えてる時に、もうひとつ大事な点が白紙委任になっちゃうなぁと気がつきました。大阪市を解体して作る新市(都区)と大阪府(都)との、権限や財源や資産などの配分です。

 橋下知事が打ち出してる「法人の市民税と固定資産税(多分、都市計画税も。)を、都税にする。」なんて、今の大阪市からしても、分割してできる新市(都区)からしても、とんでもないことじゃないですか。
 どの位とんでもないかというと、大阪市の税収を調べてみたのですが、平成20年度決算額で、全部の税収が6700億円、このうち、都税にするという法人の市民税、固定資産税、都市計画税の合計額が4785億円で70%以上になります。新市(都区)の主な税になる個人の市民税は、1400億円で20%程度に過ぎません。

 市と府が交渉をしているなら、市から「せめて、固定資産税は都区の税収として残せ。」とか、「新たに都税になる法人の市民税などは、全額を都区に配分すると明文化しろ。」とか要求するところですが、交渉すらしてない訳ですから、府の役人さんが都合のいいように制度設計すれば良い訳です。府が必要な財源は、いくらでも引き出せるように。

 例えば、こんなのも例になります。
 経済特区構想で名前の挙がっている夢洲・咲洲などの埋立地(の市有地)は、大阪市が大阪市の税や借金を投入して作ったものですが、都区のものになんてしてくれませんよね。多分、都の所有にしてしまいます。では、その建設のために作った借金は、きちんと府の財源で負ってくれるでしょうか。
 それとも、都区に配分する税収から、先に引き抜いて返済しちゃえとか。わたしが、府の役人さんだったら、自由に制度設計できるのですから、そうします。

 こんな府と市の綱引きなんて、どうでもいいことでしょうか。
 でも、市民として、何か政策を実現して欲しいと、お願いにいくとしたら、そのほとんどは、新市(都区)です。そんな時に、「必要性は十分理解できるのですが、予算が厳しくてできないのです。」といった言葉は、やはりできるだけ聞きたくないです。
 小さな例ですが、駅前の駐輪場整備をお願いに行った時、駅前近くの空き地が都有地であるより、都区有地の方が、多分早く実現できると思うのです。

 こんな細かなこと、選挙で民意を反映するなんてできません。
 府と市が綱引きをやって、ちょうどいい塩梅になるのがいいのですが、そんな手続きは取られそうにありません。
 府の役人さんが、府に都合のいい制度設計をしないように、そして、そんな細かなところまで、橋下知事の目が行き届いているように、ただ、祈るだけです。

 PSです。
 府にだけ、都合のいい、財源などの制度設計をして、大阪市・堺市以外の9市の市長さんが、納得するかという点についてですが、「大阪市・堺市以外の市有財産は、全て区の所有にして、手を出さない。」「都税の配分前に府が引き抜いても、大阪市からの税のあがりが大きいから、大阪市・堺市以外の収入は、ちゃんと増える見込みですよ。」とか、説明したとしたら、大丈夫なのでしょうね、きっと。


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2010年05月05日

大阪都構想で、大阪市が求められていること

 大阪都構想で、大阪市(ひいては、大阪市民)が、大阪府から求められていることを、覚書的に整理しておこうと思います。
 これについての意見は、もう少し、他の整理ができてからにします。

(1)大阪市の政令指定都市の権限とそれに関する事業や資産を、大阪府へ移譲すること
都市計画の権限や福祉事業の権限だけでなく、公債発行の許可を府に求めなくていいなど、結構幅広いものになるようです。

(2)大阪市の行政資産を大阪府へ(無償で)提供すること
最低限、大阪市の交通事業や湾岸地区の市有地など、橋下知事が戦略的に重要と考える行政ツールの提供を求めていると思います。これらは、(埋立地が港湾や都市計画の事業会計で管理していない限り)大阪市の政令指定都市の権限とは関係しないので、広域行政権限の集約とは別のこととなります。

上記の例は、最低限であり、恐らくは、水道事業、清掃事業、下水道事業、市立大学、病院事業、消防事業など、行政ツールとして有効と思われる事業は、大半を提供を要請されると思います。

最大限(でも、結構ありそうな可能性)としては、各区役所が直接業務に使用している資産以外、全てを提供ということもありえます。

(3)大阪市の分割
8つの新市(都区)への分割を求めていると思います。

(4)市税と地方交付税の大阪府への移譲
全ての市町村固有の財源である法人市民税、固定資産税(多分、都市計画税や事業所税も。)を大阪府へ移譲し、市が受けるべき地方交付税を、大阪府が受けるようにすることを求められているのだと思います。(現行の法律では、認められていません。)
これらの財源は、大阪府の決定に従って配分を受けることになります。
財源のおそらく9割(実際の割合は、今後確認したいと思います。)を大阪府へ移譲して、配分を求めることになるため、分割後の大阪市は、自主財源はほぼなくなると、考えるのが妥当です。

 主な内容で、現在分かるのは、この程度でしょうか。
 今後、詳しく分かれば、加除していきます。

 余談ですが、本日、福島区市会議員選挙の応援演説で、橋下知事が「大阪市役所と府庁を解体し、一からつくり直す。」と言ったとニュースに流れていました。
 大阪市役所の解体は分かるのですが、大阪府庁の解体とは何をすることなのか、よく分かりません。大阪市から権限や事業を吸収して拡張することが「解体」なのでしょうか?
 今後の情報の中で、勉強していきたいと思います。


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