2013年02月05日

大阪都構想での大阪府と特別区の(基礎自治体財源の)財源配分(参照用)

 都構想実現時に、大阪府と特別区の間で、大阪市の基礎自治体財源をどのように配分するかについては、当ブログの多くの記事で説明に必要となるため、各記事で繰り返しの説明を避けるため、まとめておきます。

 なお、都構想での財源配分の議論とは、基礎自治体財源(主に市税)の大阪府と特別区の間での配分(場合によっては、特別区間での財源配分の議論が加わります。)のことです。大阪市域で発生する広域行政体財源(主に府税)は、大阪府の財源として確定しているので、財源配分の対象に議論上含みません。(これも、変なのですが。)


 試算の元データとしては、総務省公表の平成22年度決算カードを用います。
元資料のHP)(オリジナルはコレ
大阪市決算カード平成22年度.jpg

 一般財源ベースの歳入額は、総額の「歳入一般財源等 893,313,776千円」の記載しかありませんので、歳入の各項目から、内訳を次のように整理します。

(A)個人市民税・軽自動車税・市たばこ税 1567億円
(B)法人市民税・固定資産税       3872億円
(C)事業所税・都市計画税         821億円
(D)地方譲与税・交付金          672億円
(E)地方交付税(臨時財政対策債含む)  1391億円
(F)その他一般財源            610億円
(一般財源合計)             8933億円

(うち市税収入合計)           6260億円
(うち市税収入と地方交付税の合計)    7651億円

 大阪都のなった際、都と特別区の間での基礎自治体財源の配分について示されているのが、知事・市長ダブル選挙マニフェスト別添の「大阪都構想推進大綱」の次の部分です。(オリジナルはコレ
--------------------------- 引用開始 ---------------------------
5、財源・人員体制問題
 政令指定都市を廃し、その内に特別自治区を設置することで懸念される財源・人員体制問題は、全て制度の構築で解決される。
 特別自治区には中核市並みの財源を保証する。現在大阪市が提供している住民サービス分の財源は特別自治区に保障する。
 特別自治区間の税収格差問題は、基礎自治体間の財政調整制度として現在唯一存在する東京都区財政調整制度を参考に創設する新たな大阪都区財政調整制度によって解決する。大阪市に交付される交付税、固定資産税、法人市民税、特別土地保有税等を財源とし、その約6割を特別自治区に配分すれば、各特別自治区は中核市並みの財源を有することになる。現在の大阪市役所体制が各区の財政調整を担っているが、より透明性の高いルールの下、各区民の意思がしっかりと反映する新たな大阪都区財政調整制度を創設する。
 各特別自治区の職員数は中核市の職員数を基本とするが、現在の大阪市の職員数で十分に賄うことが可能である。
--------------------------- 引用終了 ---------------------------
 
 「大阪市に交付される交付税、固定資産税、法人市民税、特別土地保有税等を財源とし、その約6割を特別自治区に配分」ですから、(B)と(E)は調整財源ということで良いでしょう。

 問題は、「特別土地保有税等」の「等」をどのように理解するかで、具体的には「(C)事業所税・都市計画税」の取扱いです。(なお、特別土地保有税は、平成22年度の税収は無いようです。)
 「(C)事業所税・都市計画税」は、市町村税でありながら、東京都では「都税」(調整財源に含まない)の扱いをしているためか、大阪府議会の大都市制度検討協議会での財源配分シュミレーションでは、調整財源ではなく、まるごと「都」の財源に移管されていました。
 ただその後、大阪市議会の大都市・税財政制度特別委員会で維新の会が示した財源配分シュミレーション(元データ)では、事業所税・都市計画税の項目がなくなっており調整財源の総額から内訳を推定すると、調整財源に含むことにしたようです。ここでは「(C)事業所税・都市計画税」は調整財源に含むとして考えます。
 また、上記の大阪市議会の大都市・税財政制度特別委員会で維新の会が示した財源配分シュミレーションでは、調整財源とする地方交付税に「臨時財政対策債を含む」とされていましたので、これに倣います。


 そうすると、大阪市の基礎自治体財源の配分は、次のようになります。

(注)大阪市議会の大都市・税財政制度特別委員会で維新の会が示した財源配分シュミレーションでは、平成21年度決算ベースとして(D)地方譲与税・交付金、(F)その他一般財源のうち、296億円を「都」へ移管としていますが、試算を行う平成22年度決算ベースでの相当額が不明なことから、この部分は無視します。(ざっくり言うと、特別区の財源を約300億円過大に見込むことになります。)

特別区の直接の財源(合計 2849億円)
(A)個人市民税・軽自動車税・市たばこ税 1567億円
(D)地方譲与税・交付金          672億円
(F)その他一般財源            610億円

調整財源(合計 6084億円)
(B)法人市民税・固定資産税       3872億円
(C)事業所税・都市計画税         821億円
(E)地方交付税・臨時財政対策債     1391億円

 調整財源の特別区への配分率は「約6割」ということですから、60%として計算すると、特別区全体の財源額は、次の通りになります。
2849億円+6084億円×60%=6499億円

 特別区の財源(6499億円)のうち、大阪府からの配分財源(3650億円)の割合 56%

(その他)
一般財源(8933億円)に占める調整財源(6084億円)の割合 68%

大阪府への配分額(6084億円×40%) 2433億円
一般財源(8933億円)に占める大阪府への配分(2433億円)の割合 27%


 なお、財源配分計算については、第6回の大阪にふさわしい大都市制度推進協議会(2012.09.10)でも挙げられていますが、あくまで計算例としての提示であること、採用しないとしている東京都の業務配分を試算の前提としていることから、ここでは採り上げませんでした。


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posted by 結 at 04:16| Comment(0) | 短縮版 | 更新情報をチェックする