2014年03月02日

大阪都構想財政シミュレーション(その2) 関係ない効果額を分けてみた

 前回の「大阪都構想財政シミュレーションを見てみた(その1)」で、大阪都構想財政シミュレーションがどのように組み立てられているかを見ました。
 そして、「年間170億円のコスト差がある7区案は選択できない」という結論のひとつについて、次の疑問を投げかけました。

〇歳出額1兆7千億円の大阪市を、府に統合する広域部分と5つの特別区に分割した後の運営経費を試算して、1%の運営経費の差が許容できないといった、凄い精度の議論に何故なっているのでしょうか?(実際の試算は、かなり荒っぽいです。)

〇大阪都構想は、歳出額1兆7千億円の大阪市のうち、広域事務4千億円を府に統合し、基礎自治体業務1兆3千億円部分を5つに分割するというものです。(元データ 元サイト
普通に考えると、広域事務の統合により削減される経費より、基礎自治体事務を分割するコスト増の方が大きく、全体としてコスト増になるはずです。
でも、この財政シミュレーションは、(5区案の場合で)基礎自治体事務1兆3千億円5つの特別区に分割して経費削減ができるとすることで成り立っています。そんな試算がなぜ成り立つのでしょうか?

 この疑問への答えは、財政シミュレーションの元となる大阪都構想パッケージ案が、いくつかの「無理がある」前提の上に成り立っていることと関係があると考えています。
 なので、大阪都構想パッケージ案を成り立たせている暗黙の前提の中でも、わたしの気になる次の3つを取り上げてみます。

【前提1】 大阪都構想の効果額として挙げたものが、本当に大阪都構想と関係あるかは、気にしないでね。

【前提2】 特別区の所要人員の試算は、特別区の実際の担当業務の運営に必要となる職員数を試算していないけど、そこは気にしないでね。

【前提3】 特別区担当業務を5つの特別区で実施することにした時のコスト試算で、歳出額の9割方(厳しく言うと99%)は試算対象から除外してるけど、そこは気にしないでね。

 今回は、【前提1】を見ていくことにします。

*******2015年2月2日更新*******
(以下の記事は、2015年7月発表の長期財政推計を元に数値などを新しくしました。2015年1月発表の財政シミュレーションを元にした元の記事は、記事末を参照ください)

【前提1】 大阪都構想の効果額として挙げたものが、本当に大阪都構想と関係あるかは、気にしないでね。

 大阪都構想の効果額に、地下鉄民営化など、大阪都構想と関係のない、大阪市の市政改革による効果額が含まれていることは、報道でもよく指摘されています。
 前回記事で見たとおり、大阪都構想財政シミュレーションは、今後出てくる効果額は(平成45年度まで待っても)年362億円であることを示していますが、この362億円にも、大阪都構想と関係のない効果額がいっぱい含まれています。
(なお、前回記事の財政シミュレーション(2015年1月発表)の今後出てくる効果額は年362億円でしたが、以下で説明に使用する長期財政推計(2015年7月発表)の今後出てくる効果額は年229億円になっています)

 まず、効果額内訳付きの長期財政推計です。(元データ 元サイト)(ただし、長期財政推計の年次データには特別区計が無いため、各特別区のデータを足しました。参照:各特別区の長期財政推計[粗い試算その1]の特別区合計
01長期推計_効果内訳付.jpg

 この効果額内訳を、大阪都構想に関係する項目と大阪都構想と無関係な項目に区分して、それぞれ表にしたのが、次のものです。

大阪都構想に関係する項目
02長期推計_都構想関係.jpg

大阪都構想と無関係な項目
03長期推計_無関係.jpg

 大阪都構想に関係する・しないの区分は、以前の記事「大阪都構想パッケージ案の効果額仕分け」の効果仕分表を基本にしています。
 大阪都構想に関係する・しないの区分の考え方は、次の通り。
〇「府市の組織を統合することによる効果額」(または、大阪市を特別区に再編することによる効果額)を大阪都構想と関係する効果額と捉えます。
〇より狭い解釈では「大阪都構想でなければ、(大阪府・大阪市のままでは)実現できない効果」というのがありますが、ここでは大阪都構想なしで実現できるものでも、府市の組織統合による効果額は、大阪都構想と関係する効果額と捉えます。
〇府市の組織統合によるものと、無関係なものがひとつの項目になっていて分けられないものは、原則、項目全体を大阪都構想と関係する効果額と捉えます。

(注意)大阪都構想の効果額は、反対されてる方の間では「1億円」と言われることが多いようです。「大阪都構想でなければ、(大阪府・大阪市のままでは)実現できない効果」として整理した額と思われますが、ここではそれよりも幅広く捉える方法を採ります。

 ただし、「職員体制の再編」(=人員削減)の効果額は、整理が難しいので、次の取扱いにしました。
〇広域側は、効果仕分表に沿って「管理部門を中心に重複部門を効率化」の170人14億円のみを、府市統合による効果額としました。
〇効果仕分表では、広域側で、他にAB項目関係の人件費削減を大阪都構想と関係する効果額と分類していますが、AB項目関係の人件費削減は、AB項目と重複するとして財政シミュレーションでは除外されてますので、これに習います。
〇特別区側について、効果仕訳表では大阪都構想と関係ないとしていますが、その部分の議論は次回の記事「大阪都構想財政シミュレーション(その3) 今のサービス維持に必要な職員数が知りたいのに」で整理するので、ここでは「大阪市を特別区に再編することによる効果額」として、大阪都構想と関係する効果額に分類します。


 表からは、次のようなことが読み取れます。
〇最終の平成45年度時点の再編コストを差し引いた効果額229億円の内訳は、大阪都構想関係80億円、無関係149億円。

 内訳は次の通り。
(大阪都構想関係)
04H45_都構想関係.jpg

(無関係)
05H45_無関係.jpg


〇大阪都構想と無関係な項目だけで財政シミュレーションを行っても、特別区(=大阪市)の収支不足解消は平成34年度。これは、大阪都構想を実施した場合と同じです。
また、効果額など無しでも平成35年度には収支不足は解消します。大阪都構想は、現在の大阪市の収支不足対策とは、全く関係ないことが分かります。
06特別区当初10年比較.jpg

〇大阪都構想と関係した効果額だけで見ると、効果額の柱は、特別区側での「職員体制の再編」による効果額67億円です。
04H45_都構想関係.jpg

 都構想関係効果額80億円(うち特別区分63億円)(H45)に対して、特別区の職員体制再編の効果額67億円ですから、これが無くなると、大阪都構想関係効果額は激減します。

 でも、特別区側での「職員体制の再編」による効果額って、「大阪市が一体で行っていた事務を、5つの特別区で分割して実施すると所要人員が減る」というヘンな試算が成立しないと、丸ごとコケます。この辺の議論は、次回記事「大阪都構想財政シミュレーション(その3) 今のサービス維持に必要な職員数が知りたいのに」で行います。


〇広域事務の統合効果が微小過ぎる。
 大阪都構想って「歳出額1兆7千億円の大阪市のうち、広域事務4千億円を府に統合し、基礎自治体業務1兆3千億円部分を5つに分割する」もの(元データ 元サイト)で、統合効果が生み出されるのは「広域事務4千億円を府に統合」の部分のはずなのです。
 でも、効果額の表を見て分かる通り、「広域事務4千億円を府に統合」による統合効果は微小です。
 わたしは大阪都構想の「二重行政の無駄」という主張には否定的ですが、それでも府市の類似事業を統合すれば一定のコスト削減はできると考えます。(つまり、「守口市と門真市の間に二重行政はないが、守口市と門真市が市町村合併すれば、行政コスト削減は見込める」というのと似た意味です。勿論、「コスト削減できるか」と「市町村合併すべきか」は直結しません。)

 二重行政否定のわたしから見ても小さ過ぎる「広域事務4千億円を府に統合による効果額」は、実は大阪都構想パッケージ案が、本来の類似事業の統合効果の捻出にも失敗した失敗作だと理解しています。この点についての議論は記事「(補1)大阪都構想の統合効果が悲し過ぎる」を参照ください。


 まとめです。
 大阪都構想の効果額は2013年の夏には、年間1千億円とか宣伝されましたが、大阪都構想実現で今後、実際に出てくる財源は再編コストを差し引くと年間229億円。しかも、そのうち149億円は大阪都構想と無関係な効果額で、大阪都構想と関係した効果額は年間80億円、実現は20年後です。第1回府市統合本部会議で打ち出された、年間4千億円の統合効果と比較すると、何ともしょぼくなりました。

 ただ、大阪都構想と無関係な効果額を含めて宣伝されることによる問題は、次回以降で見ていく
【前提2】 特別区の所要人員の試算は、特別区の実際の担当業務の運営に必要となる職員数を試算していないけど、そこは気にしないでね。」とか
「【前提3】 特別区担当業務を5つの特別区で実施することにした時のコスト試算で、歳出額の9割方(厳しく言うと99%)は試算対象から除外してるけど、そこは気にしないでね。
 と比較すると、まだマシだと考えます。
 無関係な効果額を大阪都構想の効果額に積み込む問題は、大阪都構想の効果を過大に評価して、賛否の判断を誤ることでしかありません。何の効果額かを無視するなら229億円という数字は、まだしもアテにできるのですから。

(参考)2015年1月発表の財政シミュレーションから、2015年7月発表の長期財政推計になって変更になった内容・理由などについては、次の記事を参照ください。
長期財政推計になって、変わったこと、変わらないこと(その2)
長期財政推計になって、変わったこと、変わらないこと(その1)


(追記)2015.02.02
(以下、2015年1月の財政シミュレーションベースの当初の記事内容です)
【前提1】 大阪都構想の効果額として挙げたものが、本当に大阪都構想と関係あるかは、気にしないでね。

 大阪都構想の効果額に、地下鉄民営化など、大阪都構想と関係のない、大阪市の市政改革による効果額が含まれていることは、報道でもよく指摘されています。
 前回記事で見たとおり、大阪都構想財政シミュレーションは、今後出てくる効果額は(平成45年度まで待っても)年362億円であることを示していますが、この362億円にも、大阪都構想と関係のない効果額がいっぱい含まれています。

 まず、効果額内訳付きの財政シミュレーションです。(元データ1/17シ-P20 元サイト)(元データ 12/6シ-P14 元サイト
財政シミュレーション(効果内訳有).jpg

 この効果額内訳を、大阪都構想に関係する項目と大阪都構想と無関係な項目に区分して、それぞれ財政シミュレーションの表にしたのが、次のものです。

大阪都構想に関係する項目
財政シミュ効果額仕分(都構想関係).jpg

大阪都構想と無関係な項目
財政シミュ効果額仕分(都構想無関係).jpg

 大阪都構想に関係する・しないの区分は、以前の記事「大阪都構想パッケージ案の効果額仕分け」の効果仕分表を基本にしています。
 大阪都構想に関係する・しないの区分の考え方は、次の通り。
〇「府市の組織を統合することによる効果額」(または、大阪市を特別区に再編することによる効果額)を大阪都構想と関係する効果額と捉えます。
〇より狭い解釈では「大阪都構想でなければ、(大阪府・大阪市のままでは)実現できない効果」というのがありますが、ここでは大阪都構想なしで実現できるものでも、府市の組織統合による効果額は、大阪都構想と関係する効果額と捉えます。
〇府市の組織統合によるものと、無関係なものが一項目になっていて分けられないものは、原則、全体を大阪都構想と関係する効果額と捉えます。

 ただし、「職員体制の再編」(=人員削減)の効果額は、整理が難しいので、次の取扱いにしました。
〇広域側は、効果仕分表に沿って「管理部門を中心に重複部門を効率化」の170人14億円のみを、府市統合による効果額としました。
〇効果仕分表では、広域側で、他にAB項目関係の人件費削減を大阪都構想と関係する効果額と分類していますが、AB項目関係の人件費削減は、AB項目と重複するとして財政シミュレーションでは除外されてますので、これに習います。
〇特別区側について、効果仕訳表では大阪都構想と関係ないとしていますが、その部分の議論は次回の【前提2】で行うこととして、ここでは「大阪市を特別区に再編することによる効果額」として、大阪都構想と関係する効果額に分類します。


 表からは、次のようなことが読み取れます。
〇最終の平成45年度時点の再編コストを差し引いた効果額307億円の内訳は、大阪都構想関係85億円、無関係225億円。(端数処理の関係で、合計は合いません。)

 内訳は次の通り。
(大阪都構想関係)
H45効果額仕分(都構想関係).jpg

(無関係)
H45効果額仕分(都構想無関係).jpg


〇大阪都構想と無関係な項目だけで財政シミュレーションを行っても、特別区(=大阪市)の収支不足解消は平成34年度。これは、大阪都構想を5区案で実施した場合と同じです。
財政シミュレーション当初(全体+無関係).jpg

 この大阪都構想を実施しなくても、無関係な効果額だけで収支不足が解消するという点と関係して、この表を見てください。(元データ 元サイト
維新グラフ_再編効果と現状維持を比較(積算).jpg

 現在、大阪維新の会タウンミーティングで使用している資料です。
 実際には貯まる訳でもない効果額を累積表示にするなど、「統計で噓をつく法」のお手本のような表です。

 ただ「統計で噓をつく法」というのは、数字などは変えずに、その表示のやり方で、印象操作をする方法のことですが、この表の説明には噓になってしまっているマズイ点があります。
 「現状維持 莫大な借金 都構想が実現しないと、平成45年までに、約2323億円の赤字」の部分です。

 2323億円というのは、財政シミュレーションに挙げられた平成27年度から平成45年度の大阪市の収支不足額合計です。でも、大阪都構想の効果額は、大阪都構想と無関係な効果額をいっぱい積み込んだ効果額ですから、「大阪都構想を実施しない場合の効果額」が存在します。
 上の比較表で見た通り、大阪都構想を実施しなくても、大阪都構想と無関係な効果額だけで収支不足は解消でき、「平成45年までに約2323億円の赤字」になったりしないのです。

 大阪市の収支不足との関係でいうと、関係項目だけでみた大阪都構想は、収支不足の厳しい平成33年度までだと、再編コストが効果額を上回っており、収支不足の悪化要因となります。大阪都構想が黒字になるのは、無関係項目で収支不足が解消された後なので、収支不足に対して大阪都構想自体は、役立たずといえます。

 逆に大阪市の収支不足との関係でいうと、収支改善の柱になっているのは一般廃棄物処理の経営形態変更と地下鉄民営化なので、こちらがコケる(実施されない、又は予定の財源効果が無い)と、大阪都構想が実現しても、収支不足解消に深刻なダメージがあります。(そして、どちらもそんなに安心できる内容でもないです。)


〇大阪都構想と関係した効果額だけで見ると、効果額の柱は、特別区側での「職員体制の再編」による効果額91億円です。
H45効果額仕分(都構想関係).jpg

 都構想関係効果額85億円(うち特別区分70億円)(H45)に対して、特別区の職員体制再編の効果額91億円ですから、これが無くなると、大阪都構想関係効果額での黒字化は無くなります。

 でも、特別区側での「職員体制の再編」による効果額って、「大阪市が一体で行っていた事務を、5つの特別区で分割して実施すると所要人員が減る」というヘンな試算が成立しないと、丸ごとコケます。この辺の議論は、次の「【前提2】 特別区の所要人員の試算は、特別区の実際の担当業務の運営に必要となる職員数を試算していないけど、そこは気にしないでね。」で行います。


〇広域事務の統合効果が微小過ぎる。
 大阪都構想って「歳出額1兆7千億円の大阪市のうち、広域事務4千億円を府に統合し、基礎自治体業務1兆3千億円部分を5つに分割する」もの(元データ 元サイト)で、統合効果が生み出されるのは「広域事務4千億円を府に統合」の部分のはずなのです。
 でも、効果額の表を見て分かる通り、「広域事務4千億円を府に統合」による統合効果は微小です。
 わたしは大阪都構想の「二重行政の無駄」という主張には否定的ですが、それでも府市の類似事業を統合すれば一定のコスト削減はできると考えます。(つまり、「守口市と門真市が存在するのは二重行政ではないが、守口市と門真市が市町村合併すれば、行政コスト削減は見込める」というのと似た意味です。勿論、「コスト削減できるか」と「市町村合併すべきか」は直結しません。)

 二重行政否定のわたしから見ても小さ過ぎる「広域事務4千億円を府に統合による効果額」は、実は大阪都構想パッケージ案が、本来の類似事業の統合効果の捻出にも失敗した失敗作だと理解しています。この辺りは、後の記事で取り上げたいと思います。


 まとめです。
 大阪都構想の効果額は年間1千億円とか宣伝されますが、大阪都構想実現で今後、実際に出てくる財源は再編コストを差し引くと年間307億円。しかも、そのうち225億円は大阪都構想と無関係な効果額で、大阪都構想と関係した効果額は年間85億円、実現は20年後です。第1回府市統合本部会議で打ち出された、年間4千億円の統合効果と比較すると、何ともしょぼくなりました。

 ただ、大阪都構想と無関係な効果額を含めて宣伝されることによる問題は、次回以降で見ていく
「【前提2】 特別区の所要人員の試算は、特別区の実際の担当業務の運営に必要となる職員数を試算していないけど、そこは気にしないでね。」とか
「【前提3】 特別区担当業務を5つの特別区で実施することにした時のコスト試算で、歳出額の9割方(厳しく言うと99%)は試算対象から除外してるけど、そこは気にしないでね。」
 と比較すると、まだマシだと考えます。
 無関係な効果額を大阪都構想の効果額に積み込む問題は、大阪都構想の効果を過大に評価して、賛否の判断を誤ることでしかありません。何の効果額かを無視するなら362億円という数字は、まだしもアテにできるのですから。


(追記)2014.03.04
 この記事をアップしたところ、大阪維新の会タウンミーティング資料についての「実際には貯まる訳でもない効果額を累積表示にするなど、『統計で噓をつく法』のお手本のような表です。」の部分に反響を頂きました。記事本文は、当該資料の「現状維持 莫大な借金 都構想が実現しないと、平成45年までに、約2323億円の赤字」の部分が事実と異なることへの指摘が主でしたので、「『統計で噓をつく法』のお手本のような表」について、少し説明を加えます。

 大阪維新の会タウンミーティング資料「再編効果と現状維持を比較(積算)」の元になったデータは、「※数値は、『第10回大阪府・大阪市特別区設置協議会資料 財政シミュレーション(一般財源ベース)』を参照(平成25年12月6日発表)」とありますので、同資料の試案3(5区 北・中央区分離)の次のデータと思われます。(粗い試算ベースAの合計額が▲2323億円で、維新資料の現状維持約2323億円の赤字と一致。再編効果コストBの合計額が2917億円で、維新資料の再編効果額約2917億円と一致。)
追記_元データ.jpg
元データ 元サイト

 このデータは、同じ財政シミュレーション資料の中で、既にグラフ表示がされており、それは次のようなものです。(元データ
追記_法定協グラフ.jpg

 大都市局が法定協議会用に作った表ですが、年度ごとの再編効果額、収支不足額、収支不足解消の年度など、コンパクトに分かるように整理されています。「都構想が実現しないと・・・」といった不正確な記述はありません。

 これと同じデータを使って、大阪維新の会がタウンミーティング資料に作った表が記事本文でも紹介した次のものです。
維新グラフ_再編効果と現状維持を比較(積算).jpg

 同じデータを使っているのですから、元となった推計内容は同じなのですが、表から受ける印象は全く違うものになっていると思います。
 この表を示して、維新の府議さんが「この比較数字を見ても現状維持で大阪が良くなるとでもおっしゃるのでしょうか?」とツイートされていました。

 まあ、こういうことです。

(追記の追記)2014.03.08
大阪維新の会がタウンミーティング資料の「現状維持 莫大な借金」と書かれた赤い部分が、「決算時点の不用額を財政調整基金に繰り入れ、収支不足に備える」という、ごく普通の対応をするだけで、本当に現状維持のままで消えてしまうようです。
詳細はこちらの記事「グラフの赤い部分を、一言で消して見せましょう」を参照ください。


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   大まかに大阪都構想のことを知りたい方は、まとめブログをご覧ください。
posted by 結 at 22:50| Comment(0) | 概要 | 更新情報をチェックする
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