2013年07月24日

参院選2013 日本維新の会の大阪府での得票状況

 参院選が終わりました。
 大阪府での日本維新の会の選挙結果は、ひとつのトピックだったようで、既に新聞紙上で分析が出されています。(記事
 同じ話も多いかもしれませんが、得票状況を見ながら、思ったことを書いてみます。

 まず、参院選の大阪府内での得票状況は、次の通りです。
2013参院選詳細.jpg

 これに対して言われているのは「日本維新の会は、橋下代表の慰安婦発言による逆風の中、昨年の衆院選と比較して、得票を落としながらも、本拠地大阪での1位当選は死守。大阪での強さを見せ付けた」といったことでしょうか?

 わたしも今回の結果の評価には、過去の選挙の得票率の推移を見たいので、次の表をまとめてみました。(参院選結果で、大阪市内・堺市内や選挙区・比例の別は、特に差異が見られないので、比例の大阪府全体の得票率のみを取り上げます。)
参院選までの得票率推移.jpg

○維新の得票率については、衆院選と比較して「下げた」の指摘が多いですが、「風が吹いていた」と言われる2011年4月の府議・市議選でも、比例選に近い市議選での得票率は3割前後です。やや「下げた」のは事実ですが、3割程度の得票率を堅固に維持していると捉えています。

○得票率で注目は、自民党の方かと思います。2010年の維新旗揚げ時に、大阪府の自民党は分党したようなもので、候補者も支援組織もガタガタになりました。2011年4月の府議・市議選は、維新旋風だけでなく、組織的問題も抱えて、得票率は低迷でした。(全国的な自民党の圧勝ムードもあるでしょうが)2〜3年掛けて回復させた地力が、自民党の得票率を押し上げてきているように思います。

○今回の結果でも、維新の比較1位の支持は揺らいでいません。でも、自民党も存在感を回復し、選挙でも十分に維新候補の背中を脅かす存在になりつつあるようです。


 この状況を、大阪府・大阪市・堺市の地方選挙に当てはめて考えてみます。
○維新は、比較1位の支持を維持してますから、知事・市長などの首長選には、まだアドバンテージを確保しています。
 橋下市長は、慰安婦発言に対する市議会での問責決議を出直し選挙をチラつかせることで潰しましたが、橋下市長や松井知事が再選を目指すなら、十分に勝てるでしょう。

○当面、注目の市長選は、9月の堺市長選ですが、現職の竹山市長が、現職の強みを活かせるか、自民・民主などの支援を受けられるかなど、流動的な部分が多いように思います。

○大阪市議会に着目すると、3割程度の得票率は、支持を維持しているとも言えますが、1年半の橋下市政を通して、支持を拡大できていないともいえます。
 現状、大阪市議会は公明党がキャスティングボードを握っている状態です。橋下市長としては、この状態を解消し、維新で市議会の過半数を握りたいでしょうが、強引に市議会のリコールを行っても、また2015年4月の大阪都を実現できず、2015年4月の市議選を行ったとしても、現状の支持の状況では、維新が第1党を確保しても過半数には届かず、公明党にキャスティングボードを握られ続けるでしょう。(維新と公明で過半数に届かないというのは、まだ難しいかなと思います。)

○堺市議会に着目してみます。
 もし、堺市長選挙で、維新の候補が市長になったとして、堺市議会は維新と公明を合わせても過半数に届かないので、最終的に大阪都構想へ参画することはできません。
 そのため、大阪都構想参画を目指すには、市議会へのリコールまたは2015年4月の任期を待って、市議選で過半数獲得を目指す必要があります。
 ただ、市議選で過半数を獲得できるかは微妙です。維新のみの過半数は無いので、公明と合わせて、過半数を目指すことになりますが、前回ボロボロだった自民も議席を回復してくるでしょうし、過半数どころか、議席を減らす可能性も高いでしょう。
 また、維新・公明で過半数になったとして、堺市議会で公明って、そんなに維新に協力的だったかなと思ってしまいます。大阪都構想参画による堺市の廃止・分割は、維新の堺市議も口を濁らせる場面を見かけます。公明の市議から、本当に全面的な協力を得られるのかは、疑問符の付く点に思います。
 堺市の大阪都構想参画は、道のりが遠いように思います。

○大阪府議会に着目してみます。
 今回の得票状況を当てはめた時、一番影響が大きいと思われるのが、府議会です。
 2011年4月の府議選で、実質3割の支持の中、定数1の選挙区が多い特性を享受し、4割の票を獲得し、過半数を僅かに上回る議席を獲得しました。定数1の選挙区では、28選挙区中26選挙区で議席を得ました。
 維新は支持を維持していますが、自民も追い上げる中、定数1の選挙区で前回のようなワンサイドゲームは望めないでしょう。

 府議会の選挙結果に影響を与えるいくつかの要因があります。
・府議定数109から88への削減は既に2年前に決定されています。今の選挙区に定数削減をそのまま当てはめると、定数1の選挙区は更に増えます。これは、維新の議席増の要因です。(ただし自民の支持回復で、定数1選挙区の獲得割合の低下を見込む必要があります。)
・定数削減に伴う各選挙区への定数割当が進まない理由として、大阪市の特別区への分割に対応すべきと維新が主張していることがあります。2015年4月の特別区移行はほとんど無いと思いますが、府議の選挙区が24行政区から5〜7の特別区へ移行した場合、複数区が増えると思われますから、維新の議席には減要因です。
・定数削減に伴う各選挙区への定数割当に当たっては、選挙区を広げて定数複数の選挙区を増やす提案もあるようです。(法律的に可能なのか、少し疑問なのですが?)この場合も、維新の議席には減要因です。

 定数削減という、維新にとっての増要因もありますが、「自民の追い上げ」という減要因は無視できないでしょうから、現状の支持が劇的に拡大しなければ、恐らく2015年4月の府議選での維新の単独過半数維持は難しいでしょう。大阪市議会などと同様に、府議会でも他党との協力関係を構築する必要が出てきます。


 思いつくことを、つらつらと書いてみました。
 参院選が終わり、政局大好き橋下市長は「次の衆院選に向けて」というメッセージを次々に出しているようです。
 前の衆院選が終わって、まだ7ヶ月、恐らく、あと3年は衆院選など無いことを思えば、橋下市長が示すべき選挙は、任期の折り返し地点も通過した、府議会・市議会のはずです。
 橋下市長が何も語らないというのは、きっと都合が悪いのでしょう。


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posted by 結 at 04:53| Comment(0) | その他 | 更新情報をチェックする
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