2012年06月18日

大阪市は無くなるが、大阪市役所は再編されるだけ(短縮版)

*この記事は、以前の記事「大阪市は無くなるが、大阪市役所は再編されるだけ」の短縮版です。

 大阪都構想を巡って「大阪市役所をぶっ潰す」、でも「大阪市が無くなる訳ではない」といった説明がされているように思います。
 では、大阪都構想が実現すると、実際どうなるのでしょうか?

 「大阪都構想とはコレだ」と、大阪維新の会のマニフェストで示されているイメージ図です。
大阪都構想イメージ01.jpg

 大阪市域では、大阪府と大阪市を再編し、大阪都と8〜9の特別区を置くとしています

 この中で、大阪市はどうなるのでしょう。
 大阪市とは、大阪市域を行政地域とし、大阪市民を構成員とし、大阪市民を代表する行政機関を持つ自治体のことです。
 イメージ図を見れば明らかなように、大阪都構想実現後に、そのような自治体はありません。つまり、大阪市はなくなります。

 大阪都構想実現後、大阪市域に住む住民にとっての基礎自治体とは、8〜9の特別区になります。(ただし特別区は、市町村のような完全に独立した自治体と異なり、都の下に置かれる団体ですから「基礎自治体に準ずるもの」と表現する方が正確です。)
 1つの基礎自治体である大阪市が、8〜9の特別区になるのですから、「大阪市分割」と捉えるのが妥当でしょう。


 こういった明らかな内容にも関わらず、「大阪市はなくならない」と説明されてきました。

 ひとつは、大阪市を特別区に分割することを「区長公選制」と呼ぶなどのような、イメージのすり替えです。
 用例としては、「大阪市を特別区に分割するのではなく、区長を公選にして大幅に権限を強化する。市役所に残った特別区に分割できない部分は、大阪都に一元化される」といった感じです。
 なおこの過程で、大阪市の資産や大阪市民の身近な行政のための財源の多くが、都(=大阪府)に移管され、850万大阪府民の利益を代表する都知事に委ねられます。

 別の説明方法として、「大阪市」とは市役所組織や市役所の職員のことだとする場合があります。
 用例としては、「大阪都になっても、大阪市がなくなる訳ではない。逆に大阪市という枠にとどまらず、周辺市も含め大阪全体のために活躍してもらう。」といった感じです。

 また別の説明方法として、広域行政体の大阪都が大阪市の一部の権限を継承するから、大阪市域の一体性は確保されていて、大阪市がバラバラになる訳ではないという言い方もあるようです。
 用例としては、「大阪市の権限のうち、地域で決めた方がよいものは、どんどん特別区へ下ろしていくが、地域だけで決めることができないものは、大阪都へ移行して、都市圏(=大阪府域)で一体的な行政を行っていく。だから、大阪都になっても、大阪市は十分に一体性を持っている。」といった感じです。

 大阪市という自治体とは、市域に住む市民こそが主体で、市役所は市民を代表する行政機関に過ぎないことを押さえておくと、上で挙げた3つの説明方法のおかしさが分かると思います。(詳しくは、以前の記事「大阪市は無くなるが、大阪市役所は再編されるだけ」をどうぞ。)


 次に「大阪市役所をぶっ潰す」を考えます。
 言葉のイメージからすると、大阪都構想が実現すると市役所が無くなって、市役所の職員たちは路頭に迷い、泣いているという想像もできますが、当然そんなことはありません。

 淀屋橋の市役所の数分の一の職員だけ都(=大阪府)へ移って、残った市役所の職員は、それぞれ特別区の区役所へ配属になるだけです。

 大幅な組織改編というのは確かにあるとでしょうが、住民登録の窓口に座ってる人は多分今までと同じです。国民健康保険の担当者も、今までと同じ仕事をしています。
 大阪市を特別区に分割しても基本やることは同じなので、特別区に分割されて効率が悪くなるだけで、大きくざっくりと捉えると、あんまり変わらないのです。

 予算が減ったり、分割で効率が悪くなるなどで、一部の行政サービスを止めるとか、特別区の区内に3つも4つもある図書館や保健所、区民ホール、運動施設などの施設を閉鎖しようとかという話は出てくると思いますが、現在の担当者は、別の部署に移るだけです
 どちらかというと困るのは、アテにしている行政サービスが廃止される市民の方って思っています。

 市役所の組織や職員のこのような変化を、どのように表現するかは、ひとによるのだと思いますが、わたしには、組織の分割・再編という言い方が、一番近いように思います。


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posted by 結 at 03:01| Comment(0) | 短縮版 | 更新情報をチェックする
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