2012年03月25日

大阪市の本庁機能の分割を考える

 橋下市長は、区長の権限強化を打ち出しています。
〇区長の公募
〇区長は局長より上の地位とし、市役所の各部局へ指示を出せるようにする
〇区長に予算編成権を与える
 などです。

 ただ、わたしは以前の記事「橋下市政の方向性を考える(総論)」で区役所業務の強化には移行期間など無理があって、中途半端のものにならざるを得ないとしました。
 都制移行までの間も、(基礎自治体業務に限定すれば)図1のような形態にしたいと思われますが、これまで発表されている話を総合すると、図2のような奇妙な形態になるようです。(区長による集団指導体制でもないようなので、市役所本庁組織は市長と複数の区長から指揮・命令を受ける不思議な組織になるようです。)

本庁機能分割01.jpg

 なお、区長公選制を強く主張したはずの橋下市長が、現行法で導入可能な区長の準公選制を採らず、あくまでも市長の部下に過ぎない「区長の公募制」にしたことに、法律上・組織上の制限で理由になりそうなものは見当たりません。ただ、今回の主題ではないので議論の対象とはしません。

 図1の形態を採れない理由は必ずしもひとつではないと思いますが、大きな理由のひとつとして、図2の中の「市役所本庁」が果たしている役割を、分割して区役所毎に配置することの困難さがあります。(特に移行期間・移行コストを考えると、3年後の大阪都移行までの経過期間のために行うことは、ほぼ不可能です。)

 この市役所・本庁機能の分割には別の面もあります。
 このブログでは、大阪都構想の問題点として、基礎自治体業務のコスト増、基礎自治体単位で「自分たちの税金の使いみちを自分たちで決められなくなること」(財政自主権の喪失)、基礎自治体業務のための予算が現状より大幅に削減される見込みなことなどを挙げていますが、市役所・本庁機能の分割の問題点は、基礎自治体業務のコスト増の大きな要因のひとつとなります。

 ということで、今回は、市役所・本庁機能の分割にどのような困難性があるのか、なぜコスト増に繋がるのかを整理したいと思います。
 なお、今回の議論は、以前の記事「大阪都構想の『中核市並みの職員数』から見えるもの」と重なる点も多いので、併せて見ていただけると幸いです。


 大阪府議会の大都市制度検討協議会で2011年8月に整理された大阪市役所の組織は次のようなものです。(元資料

本庁機能分割02.jpg

 この組織図を元に、大阪都実現後に都へ移管されたり、現業部門として分離されそうな部門を除いて、市役所・本庁と区役所・施設・出先関係に分けて整理すると次のようになります。(施設・出先関係は、今後の状況により大幅に増えたり、減ったりすることがあります。本庁機能4000人の「本庁のみ」「出先・施設関係」「広域行政部門」の配分は、合計しか分からないので、ざっくり適当に分けてみました。)

本庁機能分割03.jpg

 図3の概要図を見ながら、8〜9の特別区に、この組織を移行することを考えて見ましょう。(中核市なみにするという、人員削減はここでは考えません。)

 区役所の5000人をそれぞれの特別区の区長の下に置くのは、組織再編だけを捉えれば特に問題はないでしょう。(捉え方を広げると、入る区役所庁舎がないとか、区役所が遠くなるとか、色々問題はあります。)
 出先・施設等の6000〜8000人も、「市内に数ヶ所しかない」みたいな一部を除けば、「××区の担当ね」と担当分けの名札を貼る位は、別に難しくはないと思います。

 大きく問題になるのは、市役所・本庁機能から広域行政部門を除いた約4000人部分の配置です。

 まずこの4000人のうち、区役所関係1000人について考えてみましょう。
 本庁機能のうち区役所関係の1000人は、基本的には「区役所毎にバラバラに行うよりも、全部の区役所の分をまとめて行う方が効率的・効果的な仕事」を行います。予算や人事などの「権力的」な部分もありますが、その大きな部分は「区役所が市民に向かい合う仕事に専念できるように、周辺の作業を引き受けて区役所の仕事を支援してる」と言えます。
 以前の記事「大阪都構想の『中核市並みの職員数』から見えるもの」では、こんな仕事をしてるのじゃないかと挙げてみました。(具体的な場面を想定しての例は、元記事を参照ください。)(当然現実の仕事は、業務により千差万別でしょうし、もっと様々な仕事があるでしょうけれど、少しでも具体的にイメージするための例と思ってください。)
(1)条例の作成、整備
(2)事務マニュアルの作成、整備
(3)パンフレット、チラシ、申請書、台帳などの原稿作成、印刷
(4)広報、研修
(5)行政情報システムの作成、運用、保守

 出先・施設関係の1000〜1500人も、学校・保育所・保健所などの出先・施設の業務を支援してるということでは、区役所関係1000人と性格的には同じようなものでしょう。

 また「本庁のみ」の1000〜1500人は、2つのタイプの部署が混在してると思います。
 ひとつは、地区別の業務ではないとして、区役所に部署を置かないもの。組織図の業務例でいうと、監査や市会など。
 もうひとつは、地区別の業務がない訳ではないけれど、業務量全体の中で地区別の業務量が小さいので、区役所に担当者を置かず、「本庁のみ」で業務を行っているもの。区役所業務の区役所対本庁の人員配分が平均で5対1です。平均で5対1ということは、4対1や3対1でも区役所に担当者を置いている業務もあるということです。「本庁のみ」としている業務の、地区別業務量割合が、かなり小さいことが分かります。

 このように考えた上で、普通に考えるなら、市役所・本庁機能の組織を分割して、各区役所に配置し、区長の下に置くのは不可能です。
 市役所・本庁機能の組織が、今と同じ業務内容、業務レベルで機能させようとすると、大阪市の特別区への分割後、区役所毎に(若干は減るとしても)約4000人が必要になり、(現業部門を除く)現状の市役所の総人員を遥かに超えることになります。(このブログで、大阪都になると、区議会の設置で議員の数が激増することなど、どうでもいいとしている所以です。)

 橋下市長は知事当時、特別区になった時の区役所の人員は、市役所・本庁の人員を分割して配置するので拡充されると説明しています。(この点について、大阪府議会の大都市制度検討協議会では、このように説明しています。)
 大阪市を特別区に分割した場合、市役所・本庁機能がこれまで担ってきた業務を、わずかな追加人員で各区役所が担うことになることは、無視するようです。
 市役所・本庁機能がこれまで担う役割をちゃんと考えると、大阪市の特別区への分割などできなくなってしまいますから、業務内容の差異など無視して(または業務内容の差異は、全て無駄な業務だと決め付けて)「中核市なら、これだけの職員数で基礎自治体を運営してるから大丈夫」という他はないのでしょう。どうせ、大阪都になった時に困るのは、特別区の区役所の職員と、特別区の住民だけです。

 橋下市長が市長就任以来、方針だけを打ち出して何か実現したかのような顔をしている政策を、具体化していくために現在汗をかいているのは、橋下市長がその価値をほとんど認めていない(としか見えない)市役所・本庁の職員さんたちなんですけどね。


 さて、市役所・本庁機能の組織を分割して各区役所に配置するなどできない・・・で終わっても個人ブログとしては十分に思うのですが、今回は、もう一歩踏み込んでみます。
 市役所・本庁機能の組織を分割して8分の1の人員で、特別区になった時の区役所を運営していこうとすると、どのようなことが必要になるかを、ざっくりとですが、考えてみましょう。

 ただし前提として、現状からの職員数の削減や、規模の縮小による発注経費のコストアップ、行政情報システムの運営など、必然的に問題になると思われる、その他の点は、ざっくり無視します。

 市役所・本庁機能の組織を8つの特別区に分割して配置しようとすると、発注経費のコストアップを無視するなどの前提を置いても、大きなもので2つの問題が出てきます。
 ひとつは、(職員数を減らすと言ってる訳ですから)職員数を増やせない中、業務量が爆発的に増えるため、猛烈に「やってはいけないレベルで」業務量の圧縮を図らなければならないこと。
 もうひとつは、業務精通者=人材が、とんでもなく不足することです。

 まずは、爆発的に増える業務量への対応を見てみます。

 市役所・本庁機能が担当する業務の作業量は、ひとつの特別区だけを対象としても、大阪市全体を対象にしていた時と比較して、あまり減りません。
 でも、大阪市を8つの特別区に分割した場合、市役所・本庁機能は8つに分割されて特別区の区役所に配置され、基本的に同じ役割を求められます。でも、今まで8人で行ってきた業務を、1人で「今まで通りに」行うのは不可能です。

 それでも、分割することはトップダウンで決められてしまうでしょう。
 それでも、区役所の窓口を閉めることはできませんから、何とかしなければなりません。徹底的な業務の絞込みが必要になります。
 「無駄な事務を省く」とか「効率化を図る」とかのお題目が出てきそうですが、平均で8分の1にする絞込みなど、そんなお題目の限界を超えていることは誰でも想像できます。
 そこで採られる方策として、次のような方向性が考えられます。

 まず、10年後(あるいは来月。つまり、先のこと。)のことよりも、今日の区役所の窓口を止めないことを考えなければなりません。
 前述した、次の業務例でいえば、真っ先に切り捨てるのは、広報や研修でしょう。
(1)条例の作成、整備
(2)事務マニュアルの作成、整備
(3)パンフレット、チラシ、申請書、台帳などの原稿作成、印刷
(4)広報、研修
(5)行政情報システムの作成、運用、保守

 数年先を考えれば、研修の重要性は誰でも分かりますが、「窓口に申請書の用紙が無くて申請ができない」とか「行政情報システムが動いてなくて、窓口での申請の受付ができない」のような、今日ただちに問題となることの方が優先してしまいます。
 事務マニュアルや行政情報システムの整備で、現場が適正で、効率的・効果的に仕事ができるようにすることよりも、今日ただちに問題となることの方が優先してしまうでしょう。それが、「申請書用紙の印刷発注」のような一見瑣末なことに見えるようなことであっても。

 法律の改正に伴って条例、規則が適正に整備されることは、法的に必要です。本来は市独自で更に検討し、市民のために良い、時代に適合したものにするために整備していくものです。
 でもそういう大事なことよりも「窓口に申請書の用紙が無くて申請ができない」という、今日ただちに問題となることをまずなんとかすることが、優先します。

 今日の区役所窓口を止めないことを最優先として、業務を大幅に絞り込むということは、長期的な施策の検討や業務の改善はかなぐり捨て、現在の行政レベルの維持さえ二の次にして、「今日の区役所窓口を止めない」ことに全力を挙げることになりそうです。
 その最小限のことでさえ、8分の1に職員数で対応できるか、何とも言えませんが。

 また、「適正」や「効率」よりも、「人手を掛けない」が最優先になると、同じ仕事の中身も変化していくかなと思います。
 例えば、「どうしても外せない」とした「窓口で使う申請書用紙の印刷発注」でもう少し詳しく見てみましょう。(年間十数万部使用し、3枚複写で、毎年内容が変わるため、1年分ずつ印刷発注をするもので考えてみます)

〇使い易さや分かり易さのために、内容の工夫を考える余裕はありません。

〇法律が変わるなどで、変更点の精査は必要ですが、どれだけしっかりと確認するかは十分に注意を払って時間を掛けることが必要で、法律の変更点など事前の勉強も必要です。「人手を掛けない」が最優先なら、変更洩れが出るのは仕方がないでしょう。(結果、発生したミスの対処に更に手間が掛かったりしますが。)
 複数人の精通者によるチェックで万全を期すなど夢のまた夢です。

〇昨年の使用量を正確に把握するのも手間が掛かりますし、来年の使用量を正確に見積もるなんて、もっと手間が掛かります。追加発注が必要になると、手間も費用も更に必要になりますから、ざっくり多い目に印刷して、余れば捨てるしかないでしょう。(例えば、ちゃんと把握すると当該区22000〜24000部の所要量となるところを、40000部の印刷とか。)

〇安く印刷するなら競争入札です。(品質確保は課題となりますが)発注先選定の公正さとしても競争入札は優れてます。でも、競争入札は手間も時間も掛かります。
 以前に発注したことのある会社に随意契約で依頼すれば、仕様書作成の手間も、発注先選定の手間も時間も省けます。校正の手間も少しは省けるかもしれません。
 発注先選定の公正さや最低価格の追求とは程遠くなりますが、手間や時間を省こうとすれば、仕方がないことです。

〇それでも間に合わないとなれば、窓口を閉じないためにはコピーで間に合わせることも考えなければなりません。
 印刷よりも単価は跳ね上がりますし、複写が必要なここでの例だと、窓口で申請書の受付をした後でコピーすることが必要になって、窓口での手間も増やしてしまいますが、申請書の用紙が無いよりはマシです。

 全部の仕事で、この程度にかなぐり捨てて「人手を掛けない」に徹底すれば、爆発的に増える事務量に対して、何とか対応できるでしょうか?8分の1は相当に強烈ですから、わたし的には、まだまだ足りないような気がしますが。
 こういう「工夫」で足りなければ、現在の区役所や施設・出先の業務を担当する職員を減らして補うか、住民サービスの種類をばっさり減らして辻褄を合わせるか、あるいは、その両方とかになってしまいそうです。

 「現在の区役所業務を担当する職員を、特別区への市役所・本庁機能の分割移管時の人員不足に充てる」についても、考えておきましょう。(職種・経験など無視で、単純に人数を集めれば良いのかという問題もありますが、ここでは無視します。)

 学校・保育所・保健所の統合は実質的には一部の施設廃止(=住民サービスの削減)を意味しますから、ここでは考えないことにします(とはいいながら、ありそうですが。)が、8(〜9)の特別区にするなら、区役所の統合・再編は想定に含めた方がいいでしょう。
 平均200人規模の3つの区役所を統合し、1つの区役所と2〜3の小規模な支所(職員数10名以下?)に再編し、市役所・本庁機能の業務受入れに(現状の4000人のうち)500人を統合するということになります。(この数字は、職員数全体の削減を考慮していませんから、この数字から1〜4割程度の削減の可能性があります。)
 200人規模の区役所3つを統合して、600人のうち400人程度の職員を浮かすことはできないか?という話です。

 勿論、そんなことはできません。
 現在の区役所で1000件を10人で担当している業務を、特別区になり3つの区役所を統合したとして、3000件を担当するのに10人では無理で、やっぱり30人が必要になります。
 区役所の中の管理部門を中心に削減したとして、区役所全体に対して1割削減とかがせいぜいで、区役所5000人から500人程度なら振り向けられるかもしれませんが、不足する規模と比較すると焼け石に水です。(更に職員数の削減を行うなら、なおさら無理です。)

 現在の大阪市役所の組織の構成は基本的に、集約する方が効率的な事務を市役所で行っていて、地域別で行った方がいい事務(集約しても大して効率は上がらない事務)を区役所で行っています。ですから「集約する方が効率的な事務」を分割し「集約しても大して効率は上がらない事務」を集約する特別区への移行が、現状より非効率な体制となるのは、当然です。

 上記で「現在の区役所で1000件を10人で担当している業務を・・・」とした話を、市役所・本庁機能の業務に当てはめると、次のような言い方になります。
 現在、市役所で16万部の印刷発注をしている仕事を、8つの特別区に分割して、各区役所で2万部ずつ印刷発注することにしたとして、区役所での2万部の印刷発注の事務量は、16万部の印刷発注するのと、あまり変わらない。8ヶ所で行うので8倍になる。


 次に、もうひとつの大きな問題の業務精通者=人材の極端な不足です。
 前述の中で「区役所毎にバラバラに行うよりも、全部の区役所分をまとめて行う方が効率的・効果的な仕事」の例として次の事務を挙げてみました。
(1)条例の作成、整備
(2)事務マニュアルの作成、整備
(3)パンフレット、チラシ、申請書、台帳などの原稿作成、印刷
(4)広報、研修
(5)行政情報システムの作成、運用、保守
 
 あまり、5人も10人も並んで、同じ作業をしているというようなものは見当たりません。
 住民票の市役所・本庁での担当が6人いたとして、その中で、条例担当とか、電算担当とか分かれて、全員別々の仕事をしてるという方が想像しやすい感じです。
 小さな住民サービスの事業だと、ひとりしか担当がいないとか、ひとりでいくつもの事業を担当してるなんてこともありそうです。

 組織で仕事をしてるのですから、ひとりが急に抜けたら仕事がストップするなんてことはないでしょう。副担当などで、多少レベルが落ちても代われる人の1〜2人はいるかもしれません。でも8人ずつ全ての業務で揃えるというのは、なかなか無理そうです。

 でも、市役所・本庁機能を8つの特別区に分割するということは、本庁機能が担う全ての業務内容について、即戦力になる担当者を8人ずつ用意しなければなりません。
 市役所・本庁機能を担う職員は4000人いても、8つの特別区が機能するように組織を作ろうとすると、今のままでは致命的に人材が不足するのです。

 このことは、個々の担当者の視点で考えると、「無理さ」がよく分かります。
 「これまで8人で行ってきた業務を1人で担当する」というのは、今までの仕事を8倍の仕事量をこなすということではありません。今までの仕事をこなしながら、「今までやったことのない仕事を7人分担当して、こなしていく」ことを意味しています。
 無理があることは明らかですが、心折れて退職するのでなければ、特別区に分割されれば、否応無く向かい合わなければなりません。

 できることといえば、
〇前述のように、作業の中で減らせそうな部分、手を抜けそうな部分を整理しておく。
〇現状の作業手順を可能な限り、マニュアル化しておく。

 といったことでしょうか。
 特に、この2点は事務精通者がいるうちに是非やっておく必要があります。特別区に移行して、事務精通者がいなくなった状況で、仕事が溢れてしまい、仕事の内容をよく理解しないままに、作業の一部を止めると、酷いことになる可能性が高いからです。

 その上で、自分の業務内容を、他の区役所を担当することになる7人に説明し、自分も新たに担当する業務を、7人から説明を受けておくという段取りになるのでしょう。マニュアルを受取り、一通りの説明を受けたくらいで、すぐに仕事ができるはずもないですが、できることって、その程度しか思いつかないので。

 しかも、このような準備作業は、通常の業務に加えて、区役所の特別区への再編作業を行う隙間で、行うことになります。
 あまり成果を期待しても、いけないでしょう。


 まとめです。
 市役所・本庁機能の分割を短期間で行うのは無理があります。大阪都への移行が3年後であれば、3年後に向けてしゃかりきで頑張るというのが精一杯でしょう。(それでも、いろいろ十分に無茶ですが。)

 市役所・本庁機能の分割をするだけで、行政機能の大幅低下を招きそうですし、コスト増も招きそうですし、大きな混乱もありそうです。
 だから、大阪都実現前に、そのような現実を市民に対して曝してしまっては、大阪都の実現に差し障ります。市役所・本庁機能の分割は、大阪都が実現し、元に戻せない状態になるまでは、市民には見せないようにするでしょう。

 発注経費や行政情報システムのコスト増と比較して、市役所・本庁機能の組織分割によるコスト増は、見えにくいかもしれません。無理でも何でも、必要職員数の増を圧縮しようとしますし、無理な圧縮で発生する機能低下は、表面的には見えにくいですから。
 8つの特別区にするなら、4000人の本庁機能を維持する職員数は、基本的には8倍の32000人が必要になります。(28000人増)
 でも、仕事の内容を絞り込んで、行政としての機能を大きく落としてでも減らすように努め、半減することに成功すれば、16000人(12000人増)で済みますし、4分の1にできれば8000人(4000人増)と、現状に比較して、たったの2倍で済みます。

 ただ、半減しかできなかったとして、12000人の職員を新たに募集するというのは現実的ではないので、最後には、4000人しかいない職員で対応できるところまで、住民サービスをばっさりと切り捨てて、辻褄を合わせるしかないのでしょう。特別区の予算は、現状より3〜4割減らすようなので、ちょうど良いのかもしれません。

 大阪市の特別区の分割に伴う市役所・本庁機能の分割で、大阪市民は、住民サービスを切り捨てや行政機能の低下、4000人の行政のプロ集団を「住民の声に目を向けるより、ひたすら仕事を減らすことに尽力する行政の素人集団」にしてしまうというコストを支払うようです。

 大阪市の特別区の分割で得るものは、本当に見合うものなのか。もう少し、良い方法はないのか、きちんと考えることは大切に思います。


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posted by 結 at 00:00| Comment(0) | 基礎自治体業務 | 更新情報をチェックする
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