2012年01月03日

「府市統合で4年後の不交付団体を目指す」を考える

 12月27日に行われた府市統合本部の初会合で、府と市の二重行政を解消することで、年間4000億円程度の財源を生み出し、4年後には地方交付税の不交付団体になることを目指すという方針が決められたそうです。

 この件は、新聞の記事にはあまり取り上げられず、テレビ報道の方が情報があるようなので、NHK NEWSwebからの引用です。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111227/k10014944081000.html
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大阪 府市統合で不交付団体目指す
12月27日 16時53分

大阪都構想の実現に向けて大阪府と大阪市の再編の実務を担う「府市統合本部」の初会合が開かれ、橋下市長らは、府と市の二重行政を解消することで年間4000億円ほどの財源を生み出し、4年後には国から地方交付税を受けなくても財政を運営できるように転換を目指していく方針を決めました。

初会合では、本部長を務める大阪府の松井知事と副本部長を務める大阪市の橋下市長から、事務局を担当する25人の職員を府と市の兼任とする辞令が交付されました。橋下市長が「こういう日を迎えられ感無量です。統治機構を変えることによって地域が活性化するということを示していきたい」とあいさつしました。このあと、堺屋太一元経済企画庁長官ら4人の特別顧問なども加わって協議が行われ、事務局からは統合本部の役割として、「大阪都」の実現に向け法改正も含めた制度設計を行うこと、大阪全体の広域行政の在り方や二重行政の解消を検討すること、それに、成長戦略や教育の問題など府と市で共通する政策課題を協議することが報告されました。そして、市営地下鉄の民営化や、二重行政の象徴とされる水道事業の一本化などは、来年6月ごろまでに改革の方向性をまとめ、秋以降、可能なものから改革を実施していったうえで、平成26年度中に住民投票を行い、同意が得られれば平成27年4月1日に「大阪都」に移行するというスケジュールが示されました。さらに、橋下市長は会合の中で、「むだを削って生み出したお金を再投資して都市を再生する。最終ゴールは、地方交付税の不交付団体になって国から自立することだ」と述べ、府と市の二重行政を解消して年間4000億円ほどの財源を生み出し、4年後には大阪が国から地方交付税を受けずに財政を運営できるように転換することを目指していく方針を決めました。

会議の終了後、本部長を務める大阪府の松井知事は記者団に対し、「二重行政を解消して年間に4000億円ほどの財源を生み出すことは最低ラインだ。これは政治の約束であり、目指すことは間違いない。一日も早く達成したいが、知事の任期4年の間に実現したい」と述べました。また、副本部長を務める大阪市の橋下市長は記者団に対し、「二重行政を解消して年間に4000億円ほどの財源を生み出すというのは、簡単ではない。今まで地方自治体は、地方交付税をもっと増やして欲しいと頼んでいたが、われわれは地方交付税を国に返上することが目標だ。全国の自治体で初めてではないか。これは政治目標だが、号令をかけなければ組織は動かない。組織を動かすための大号令だ」と述べました。
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 あと、この件について、毎日放送のちちんぷいぷいと朝日放送のキャストの12月27日放送から、上の記事に加えての情報です。

〇「府市統合で最低4000億円を生み出す」の考え方は、大阪府の予算約4兆円と大阪市の予算約4兆円であり、(統合により)少なくとも5%は生み出す。(キャスト)
〇大阪の税収は、ピーク時に比べて8000億円の減。これに対して4000億円の無駄を削減して、更に4000億円を経済成長で生み出せば、この8000億円の減を帳消しにできる。国からの交付税も貰わなくてよくなる。(キャスト)
〇「大阪府」と「大阪市」が国からの補填を受けている額は、2010年度(平成22年度)大阪府6220億円、大阪市1391億円。府と市を合わせて、およそ7600億円にのぼる。(ちちんぷいぷい)

 わたしは、この放送を聞いて、「府市統合で不交付団体を目指す」という話に(不交付団体を目指すということの是非よりも)奇妙に感じました。

〇橋下市長の知事時代の府政は、地方交付税の削減に取り組むというよりも、地方交付税を積極的に活用する姿勢だったと思います。
 府債残高の増で指摘される臨時財政対策債の増加に対して、将来の地方交付税で賄われるから府債残高から除いて考えるべきという主張は、地方交付税依存に肯定的な姿勢でしょう。(ちなみに、臨時財政対策債は、償還時に基準財政需要に積むことができるだけなので、不交付団体になるということは、臨時財政対策債償還分の地方交付税も貰わないということです。)

 臨時財政対策債は地方交付税所要額の一定割合を減額し、その不足分に対して発行を認められるものです。橋下府政時代に、臨時財政対策債の発行額が膨らんだというのは、地方交付税所要額が膨らんだということです。地方交付税所要額の増加は、ひとつには府税収入の落ち込みですが、もうひとつには府の歳出額が減っていないことがあります。
 職員の給与カットや一部事業の廃止はよく報道されていましたが、そのカット分すら、歳出全体では減っていないのです。これは給与や独自事業をカットした分、地方交付税対象事業の予算を増やしていた訳で、地方交付税や臨時財政対策債に抑制的な姿勢は見つけられません。

 どちらかといえば「地方交付税でも何でも利用できるものは徹底的に活用する」の府政運営を行ってきた橋下市長が、急に不交付団体を目指すと言い出したことは、やはり奇妙に思います。

〇「4000億円の財源を経済成長で生み出す」も発表のされ方として奇妙に思います。
 こういった発表をするのですから、自然増ではなく、政策結果として税収増のはずです。4000億円の増収の主な部分が経済成長が反映されやすい法人からの税収とすると、法人市民税・法人府民税・事業税を合わせて概ね税率25%として、1兆6千億円の企業収益の改善を見込んでいることになります。これは大阪府内だけで年間数兆円から十数兆円の経済効果のある経済政策を行い、4年後までに結果を出すと発表したことになります。
 もし、それだけの経済効果が見込まれる経済政策を具体的に打ち出すなら、「4000億円の財源を経済成長で生み出す」などと言わず、その経済政策そのものを発表するでしょう。

 「4000億円の財源を経済成長で生み出す」の部分は、府市統合で生み出す4000億円の財源を地方交付税の削減に充てるが、それだけでは「平成22年度の国からの補填額7600億円」に足りず「不交付団体を目指す」と言えないので、辻褄合わせのために持ち出してきた数字としてしか、わたしには受取ることができません。
 ただ、何故そこまでして、府市統合で生み出した4000億円の財源を地方交付税の削減に充てるという方針を打ち出すのかが疑問となりますが。

〇そもそも奇妙なことは、これまでは「府市統合により財源を生み出し、この財源を産業基盤整備などの投資に充て、大阪の経済を強化・活性化する」としてきたはずです。それなのに、府市統合で生み出した財源を地方交付税の削減に充てるのでは、「大阪の経済を強化・活性化のための投資」はされないことになります。
 さらに言うと、行政の無駄を排して財源を捻出した場合、基本的には地方交付税は減らないし、通常意図して減らすこともできません。(臨時財政対策債の発行をしない、までが限界と思います。)

 けれども、何の理由・整合性もなく、このような方針が出されるはずもありません。
 今回の記事は「この方針発表にどんな妥当性を説明できるのか」を考えてみます。
(ただ、わたしの持っている情報は、前回記事に挙げたものやこれまでのブログで挙げた程度でしかないので、その程度の情報で「どんな可能性を思いつくか」でしかないことをお断りしておきます。)


 まず、上記記事でキャストの放送から引用した「大阪府の予算約4兆円と大阪市の予算約4兆円であり、(統合により)少なくとも5%(4000億円)は生み出す」は、秋頃にも松井知事から発言があった説明方法ですが、疑問な点があり、わたしはこの考え方を採りません。

 疑問に思うのは、次の点です。
〇生み出すとしている4000億円は財源です。これが一般財源ベースか、歳出ベースかは、後の議論とするとして、財源とは一般に、一般会計で扱える財源を指すと考えます。(まして、地方交付税の財源であれば、一般会計が対象なのは当然と思います。)
 例えば、水道統合による経費節減の効果が言われます(2000億円程度の効果が見込まれているようですが、50年償却の施設と仮定すると年40億円程度の節減ということになります。)が、この経費節減ができたとして、基本的には高速道路建設の財源にすることはできません。
 水道での経費節減で生まれたお金は、まずは水道料金の引き下げに充てられるものであり、設備投資に充てるとして、浄水場や水道管の更新などです。
 (大阪市の水道事業は黒字なので違いますが)事業が赤字で、赤字補給金を一般会計から入れている場合、経費節減で赤字補給金の減額ができれば一般会計の財源となります。でもケースが限定され、そんな赤字事業で少し経費節減できたからと、まるまる赤字補給金の減額ができるはずもなく、財源としてあまり評価はできません。

〇一般会計規模でいうと、大阪府は2兆9430億円(うち一般財源は1兆3850億円、公債収入3670億円)、大阪市は1兆6700億円(うち一般財源は7320億円、公債収入1530億円)、これがベースになると思われます。
 なお、上記の府市統合本部発表の数字は、平成22年度のものを使用しているようですが、このブログでは総務省公開の決算カードの数字を使用するため、公表されている決算カードの最新年度である平成21年度の一般会計の数字です。

〇府市統合効果により経費節減=財源捻出ができるのは、府市が共通して行っている事業の予算だけです。大阪府が約3兆円、大阪市が約1兆6千億円の歳出規模があっても、府市統合と関わらない部門の予算で統合効果の財源捻出はできません。
 昨年、大阪府議会の大都市制度検討協議会に大阪維新の会が提出した資料では、大阪都移行に伴い大阪市から広域行政部分として「都」へ移管される業務は、一般財源ベースで330億円とのことでした。歳出規模は一般財源ベースの2〜3倍と考えられるので、700億円〜1000億円程度と思われます。
 府側の歳出規模は分かりませんが、府市の事業を統合したとして、府と市の歳出額を合計したよりも小さくなると思われますが、府が行っていた業務に市の行っていた業務が追加されるので、府の歳出額単体よりも大きくなると思われます。
 松井知事が統合による3割削減を仮にとして使っていたのを見たことがあるので、(わたしは3割削減は少し多いと思いますが)そのまま当てはめたとして、一般財源で100億円、歳出規模で300億円程度が、府市統合効果による財源捻出額と思われます。

〇一般財源で100億円、歳出規模で300億円は、もちろん、小さな数字ではありませんが、府市統合効果により生み出すとしている4000億円は、この考え方からは、出てきそうにありません。


 ただしわたしも、大阪都構想で、橋下市長らが考えている財源捻出額は、4000億〜5000億円と考えます。(ただし、一般財源ベースではなく、歳出ベース。)
 その考え方は、次の通りです。
〇2011年1月の大阪維新の会の統一選マニフェストの資料編で、人口1人当たり行政経費が大阪市614,957円に対して、名古屋市445,370円とし、「大阪市が名古屋市なみの経費で行政サービスを提供できるようになれば4500億円の財源が生まれます。これが成長戦略の原資になります。」と記載しています。
 この乱暴な計算が財源の算出根拠になるとは思いませんが、大阪都移行後に都の投資財源は、二重行政の無駄の解消というよりも、大阪市の行政経費の圧縮から生み出そうと考えていること、概ねの規模として4500億円程度を見込んでいることが、読み取れます。

〇2011年9月に大阪都構想大綱の途中案がメディアに提示され、各紙に記事が書かれました。この案では大阪都実現時の財源配分などの姿が、比較的明らかにされていると思います。(大阪都構想大綱の完成稿では、肝心な部分の表現がぼかされ、途中案より分かりにくくなっています。ただし、以下の部分で基本の考え方が変わったとは読み取れません。)

 この大阪都構想大綱(案)で、財源・人員体制について、「特別自治区には中核市並みの財源を保障する。」「大阪市に交付される交付税、固定資産税、法人市民税、特別土地保有税を財源とし、その61%を特別自治区に配分すれば、各特別自治区は中核市並みの財源を有することになる。」「各特別自治区の職員数は中核市の職員数を基本とする」「(区長は)財源も1000億円規模を扱う」としています。

 大阪市の歳出規模は、約1兆6千億円。都へ移管される広域行政部分を約1000億円として、残りは1兆5千億円。8〜9の特別区が各1000億円の歳出規模を持つとして、その合計は8千億円〜9千億円。1兆5千億円との差額は6千億円〜7千億円となります。
 また、一般財源ベースでは、「大阪市に交付される交付税、固定資産税、法人市民税、特別土地保有税を財源とし、その61%を特別自治区に配分すれば、各特別自治区は中核市並みの財源を有することになる。」の部分を、大阪府議会の大都市制度検討協議会に大阪維新の会が提出した資料に当てはめて計算すると、都市計画税・事業所税の都への移管で813億円、調整財源(大阪市に交付される交付税、固定資産税、法人市民税、特別土地保有税)のうち区に配分されない39%が1623億円で合計2436億円。ここから、広域行政部分として「都」へ移管される業務の一般財源330億円を差し引いた2100億円が、大阪市の行政経費圧縮から生み出す財源といえます。

〇大阪市の行政経費圧縮から生み出す6000億円〜7000億円(一般財源ベース2100億円)、上記で整理した、一般会計での府市統合効果300億円(一般財源ベース100億円)。
 この他に、事業会計の赤字補給金圧縮が200億円〜300億円程度(一般会計ベース同額)あると、考えましょう。
 赤字補給金圧縮が200億円〜300億円程度とは、大型案件の大学統合で効果額が0円〜50億円まで(教育学部の新設を考えると、0やマイナスがありえる)と想定すると、かなり大雑把ですが、トータルで200億円〜300億円程度かなと考えました。かなりぶれる可能性はあります。

 つまり、大阪都構想による財源捻出額は、歳出ベースで4000億〜5000億円の想定が置かれていることは十分に考えられますが、その大きな部分は、大阪市の基礎自治体業務の予算を中核市規模に圧縮することで、生み出されることが分かります。


 次に、地方交付税の圧縮をどのようにして行うかを考えます。

 地方交付税は、国が決めた範囲の業務を、標準的な効率で行った時に必要となる経費(基準財政需要額)を基に計算します。
 そのため、府市の図書館を一括管理して業務の効率化を行ったとしても、経費の節減はできますが、地方交付税は減りません。
 別の方法として、図書館を特別区に1ヶ所(3分の2を廃館。)のように、図書館施設の数を減らせば、地方交付税は減ります。

 ただ、二重行政だとした図書館、体育館、病院、大学などの施設は、ダブル選マニフェストでは大学を除き、一括管理を行うとするだけで施設の廃止は示されていないので、これだけでは地方交付税の大幅減には繋がらないと考えられます。

 大阪市の基礎自治体業務の行政経費圧縮の地方交付税に与える効果はどうでしょうか?

 大阪府議会の大都市制度検討協議会での議論を見ると、中核市並みの特別区を作るとは、特別区の業務範囲を中核市程度、予算規模を中核市程度で約1000億円、職員規模も中核市程度にするということで、中核市としての比較対象は、高槻市を挙げています。
 特別区が、中核市並みの予算額、職員数で、中核市並みの行政サービスを行うなら、交付税算定の基礎となる基準財政需要額も、中核市並みになるはずです。(というか、中核市並みに落とさなければ、予算も職員も対応できません。)

 平成21年度の決算カードでみると、基準財政需要額は大阪市5310億円(維新の会が広域行政部分とする330億円を引くと4980億円)、高槻市485億円。高槻市の基準財政需要額を、平成21年度末人口で大阪市の人口規模に直すと3454億円です。つまり、大阪市を高槻市並みの特別区に分割した時の現行市域全体での基準財政需要額は3454億円ということになります。
 基準財政需要の削減額は1526億円で、けして小さな削減額ではありませんが、大阪府・大阪市の国からの補填額7600億円には遠く及びませんし、無駄削減での対応部分とした4000億円にも遠く及びません。

 ここに挙げた範囲での対応で、地方交付税不交付団体になることは難しいと思われます。


 少し視点を変えてみましょう。
 上記の結果を、従前から言われていた「府市統合により財源を生み出し、この財源を産業基盤整備などの投資に充て、大阪の経済を強化・活性化する」に当てはめて考えるとどうなるでしょう。

〇大阪都実現で「都」が握る投資財源の捻出額は、次のように思われます。

一般会計での府市統合効果 300億円(一般財源ベース100億円)
事業会計の赤字補給金圧縮 200億円〜300億円程度(一般会計ベース同額)
大阪市の基礎自治経費圧縮 4200億円(一般財源ベース2100億円)
(上の検討の中では、大阪市の基礎自治経費圧縮は、大阪市の予算額の差額から、6000億円〜7000億円としましたが、府が投資財源として使用するときには、一般財源ベースの2倍程度と見る方が妥当性が高いので、一般財源ベース2100億円の2倍の4200億円としました。)

 しかし、大阪市の基礎自治経費圧縮で生み出す一般財源ベース2100億円は、基準財政需要額も1526億円分削減するので、地方交付税の削減で打ち消されてしまう可能性があります。(地方交付税はゼロ以下にできないので、その自治体の現状の交付税額が500億円なら500億円しか交付税を削減することはできません。現状の交付税額が2000億円とかあれば、1526億円全額を交付税で削減することになります。)

 地方交付税額を見てみましょう。
 上記のテレビ報道の数字では、国からの補填額は、平成22年度 大阪府6220億円、大阪市1391億円。府と市を合わせて、およそ7600億円としています。(ちちんぷいぷい)

 わたし自身で確認できる、地方交付税の普通交付税額と臨時財政対策債の合計額は次の通りです。
平成21年度 大阪府4508億円 大阪市770億円 計5278億円
平成20年度 大阪府2585億円 大阪市418億円 計3003億円
平成19年度 大阪府2434億円 大阪市371億円 計2805億円

 交付税額は年度により振れ幅が大きいので、大阪市の地方交付税額(臨時財政対策債を含む。)を1300億円と捉えるか、800億円程度と捉えるか、迷うところです。
 ただ、基準財政需要額を1526億円削減したとしても、大阪市だけであれば地方交付税削減は1526億円の半分程度で済みそうですが、大阪都になって大阪府の交付税額と合算した場合、1526億円全部が地方交付税で削減されてしまうことは、避けられそうにありません。

 「府市統合で4年後の不交付団体を目指す」とは、大阪都移行が3年後の予定ですから「大阪都になったら、不交付団体にする」という意味で、これは言外に、大阪市の黒字で大阪府の赤字を埋めるということを意味しています。

 大阪市の基礎自治業務の基準財政需要額を大幅に引き下げるとは、効率化ではなく、大幅に行政サービスを削減することを意味しています。
 大阪市民は大幅に行政サービスの削減を受け入れ、一般財源ベースで2100億円の財源捻出を行っても、地方交付税を削減されてしまい、2100億円のうち574億円しか財源として残りません。しかもそれは、府市統合で、より悪化した結果です。

 橋下市長らにとって「府市統合で財源捻出を行っても、大半は地方交付税の削減で相殺されてしまい、産業基盤投資などに充てられる額は、ごくわずか。」などと、宣伝したくはないでしょう。
 だから少し言い換えてみたのかなと思うのです。「府市統合で財源を生み出し、地方交付税不交付団体を目指す。」と。

 「府市統合で4年後の不交付団体を目指す」に対して、「不交付団体など実現できない」と反論することは、あまり適切じゃないように思います。
 それよりも、「不交付団体を目指す」と言っている内容の事実関係を整理して、「府市統合は本当に大阪市民の利益になるのか」「大阪市民にとって、中核市並みの特別区への移行は、行政サービスの内容などを含めて望ましいことなのか」といったことを、きちんと考えることが大切なように思います。


追記(2012.1.5)

 計算に誤りがあったため、中核市並みの特別区へ移行した場合の大阪市域の基準財政需要の削減額を「1856億円」(誤)から「1526億円」(正)へ、地方交付税削減後の財源捻出額を「244億円」(誤)から「574億円」(正)へ訂正しました。


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posted by 結 at 00:12| Comment(0) | 財務 | 更新情報をチェックする
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