2011年08月21日

「大阪都」って大阪府のことだと思う

 このブログではしばしば、大阪都構想実現後の広域自治体である「大阪都」やその行政組織の「都庁」を指して、「都=大阪府」と注釈を付けてきました。今回は、この点を整理したいと思います。

 大阪維新の会は、「大阪都」を大阪府、大阪市、堺市を解体・再編して作る新たな自治体と説明します。(この説明では「大阪都」は、広域自治体の都庁と、都の下で基礎自治体業務を担当する特別区を一体で捉えた言い方ですね。)
 そして、その広域自治体部分の大阪都についても、大阪市・堺市の職員の一部や、権限の一部(政令市の権限のうち、大阪府が府域一体であるべきとし、広域自治体が担うべきと主張する権限)を承継するので、大阪府が大阪都になったのではなく、大阪市や堺市としての性格を承継する自治体と主張されているようです。

 これに対して、大阪都構想に反対する立場の人からは、広域自治体としての大阪都は、大阪府の中核的な権限・組織をそのまま引き継ぐもので、違いといっても、大阪市・堺市から欲しい権限・事業・財源をとってきて、補強・拡充したに過ぎず、大阪府と基本的には同じものと、主張されることが多いようです。

 この反対の立場の意見の中で指摘される事項は概ね賛同なのですが、「だから大阪府と同じもの」という結論は、ここでは取りません。

 まず、議論の前提となる府県、市町村といった自治体=地方公共団体とは何かというところから、考えて見ることにします。

 自治体が何かを考えるには、まず「国家とは何か」を振り返っておいた方が分かりやすいように思います。
 ウィキペディアで調べると(ウィキペディア「国家の承認」)、最低限の「国家としての要件」として3条件が挙げられていました。
〇ある程度以上確定された一定の領土を持つこと。
〇国民が存在すること。
〇統治機構を持ち実効的支配をしていること。
 簡単にすると、国民、領土、政権でしょうか。(「政権」の部分が、権力、主権、実効的支配など、言い方は色々あるようです。)

 自治体=地方公共団体が何かと考えると、これと割と似ているように思います。
 ウィキペディアで地方公共団体って何か(ウィキペディア「地方公共団体」)と調べると、「国家の領土の一部を統治し、その地域における住民を構成員として、地域内の地方自治を行うために、法令で定めた自治権を行使する団体をいう。」となってました。
 国の中での自治のことというこで、ちょっとややこしい言い方になってますが、大阪府に当てはめて国の3条件風に書くと、
〇府域
〇府域の住民(が、構成員)
〇府域の住民を代表する行政機関
ということになるのかと思います。
 つまり、自治体とは何かを考えるうえで、役所や首長・議会も大事ですが、自治体の構成員である「府域の住民」も十分に大事かなと思うのです。

(ここからは、説明を簡単にするため、大阪都実現後についても、今の大阪府の領域を「大阪府域」、そこに住む住民を「大阪府民」という呼称を使用します。)

 もし、大阪都構想が実現したとして、広域自治体としての大阪都は、大阪府域を行政地域とし、大阪府民全体を構成員とする自治体です。
 都知事は、大阪府民全体の代表として、大阪府民全体で選出します。都議会も同じことです。
 役所(この場合、府庁でいいでしょうか。)が大幅な組織変更をしようが、役所の職員に大阪市役所・堺市役所の職員が混じってこようが、大阪府民の代表として大阪府民が選出した都知事と都議会が行政を行う広域自治体・大阪都は、大阪府民を代表とする自治体という意味で、大阪府と同じものとしか、言いようがないのです。
 例え、府庁の職員が全員、元大阪市役所の職員だったとしても、府民全体から選出された都知事を戴き、府域全体の行政を担うなら、現在の大阪市役所の替わりになって「大阪市民のため(だけ)の行政」などできないのですから。

 権限の承継と関係して、もうひとつ例を挙げておきます。
 堺市は、平成18年に大阪府の一部事業(中核市と政令市の差分の事業)を引継ぎ、政令市になりました。行政組織の大幅な変更もありました。
 それでも堺市はあくまでも、堺市民を代表する堺市であり、堺市と大阪府の両者を承継する新たな自治体だったりは、しません。
 大阪府が、大阪市・堺市から、政令市と中核市の差分の事業を引き継いで大阪都になったとしても、同じことです。

 大阪都構想の説明の中で、広域行政体としての大阪都は、様々にややこしい説明がされます。
 でも、その自治体が、どの地域の住民を構成員とし、どの地域の住民を代表した自治体かを考えるなら、その位置づけは明快です。
 大阪都=大阪府です。


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posted by 結 at 04:53| Comment(0) | 概要 | 更新情報をチェックする
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