2011年07月29日

村上弘「大阪都構想 −メリット、デメリット、論点を考える−」を読もう

 以前の記事で、立命館大学の村上弘教授の「『大阪都』の基礎研究−橋下知事による大阪市の廃止構想−」をご紹介させていただきましたが、新たに立命館法学2011年第1号に、「大阪都構想 −メリット、デメリット、論点を考える−」を発表されました。
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/11-1/murakami.pdf

 内容は、一般の人が、大阪都構想に疑問に思う点を、一問一答形式にして、読みやすくまとめて頂いています。
 1問づつは、短くまとめ、大阪都構想について批判的観点から、論理的に分かりやすく説明した、良著と思いますので、ぜひ一度読んでいただければと思います。

 本文はPDFで57ページあるため、以下に目次を掲載し、Q&Aで挙げられた、それぞれの問いの頁に、リンクを張りましたので、まずは、気になる問いをひとつ読んで頂ければと思います。(問いの始まる頁へのリンクが精一杯のため、頁の下の方で始まる場合がありますが、ご容赦ください。)

(目次)
はじめに

■ 総論
1.大阪都構想を考えるときのポイントは何ですか。
2.府民への世論調査では大阪都構想への賛成が反対を上回ります。どう対応するべきでしょうか。
3.橋下知事は,大阪都は住民に近い特別区への分権だと主張しますが,府への集権化だという批判もあります。
4.大阪都構想では,大阪市と堺市は廃止されるのですか。【もっとも基礎的な質問】
5.大阪都になると,大阪市域と堺市域の地位低下が心配です。政令指定都市としての大阪市と堺市の存在意義は,貴重なのではないですか。
6.大阪都のデメリットについてマスコミの報道が少ないのは,デメリットが少ないからですか。
7.橋下知事はなぜ,これほど大阪都構想に熱心なのでしょう。
8.大阪都に反対するだけでなく,対案を示すべきです。
9.大阪府と大阪市の協力は理想であっても,ムリではないですか。

■ 各論
10.大阪都構想がモデルにする東京都のような制度は,外国にはありますか。
11.指定都市(政令市,政令指定都市)制度には,「制度疲労」が起こっているという批判もあります。
12.大阪の衰退は深刻なので,大阪市の廃止という非常手段もやむをえないのではないですか。
13.大阪の競争力を回復させるためには,府と大阪市を一元化するべきではないでしょうか。
14.大阪市の人口や面積規模は,世界の主要都市と比べて見劣りするのではないですか。
15.二重行政の解消や効率化のためにも,大阪都は役立つのではないでしょうか。
16.大阪市の行政が非効率なので,これを廃止解体するのだと言う主張があります。
17.大阪維新の会の宣伝文書からは,何が読み取れますか。
18.2011年1月の維新の会マニフェストは,大阪・堺市を廃止したあとに設ける特別区を中核市並みにすると述べています。大阪市や堺市の自治に配慮したのでしょうか。
19.大阪都論争の展望をどう見ますか? 対抗するためのスローガンは?

■ 資料
A 指定都市制度と都区制度の比較評価
B 関西空港へのアクセス鉄道(JR)の高速化の可能性
C 「二重行政」についての考え方――「良い二重行政」と「悪い二重行政」の分類方法
D 東京都区制度と「大阪府+大阪市」とで財政効率を比較する

■ 注
1)
2)〜4)
5)〜6)
7)〜10)
11)〜15)
16)


・・・もし、この記事を気に入っていただけましたら、お勧め記事のまとめ目次から、他の記事もどうぞ。
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posted by 結 at 01:43| Comment(3) | 概要 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
論理的? 批判的というよりも最初から反対ありきでかなり感情的だと思いましたけど。
Posted by rokuroY at 2011年07月29日 07:42
「あさださとし」なら固定ハンドルネームとして認めていただけますでしょうか?天神祭の日にコメントつけさせていただいた城東区民01です。村上先生のエッセイ読みました。「8つの特別区に分割すれば8重行政になりかねない」「主張者は同時にデメリットについても紹介するのが現代社会では常識」「日本の政治家としては珍しく、自分に批判的なマスコミ・公務員・学者などに激しく反論し威嚇する」「大阪市・堺市への交付税の配分がなくなり財政面で大きなデメリットを受ける恐れがある」「制度に問題があれば全否定する過激派の思想」「財政再建団体でさえ合併を勧奨されない」など示唆に富んだ指摘が多くありました。
ただ、900万人規模の大阪府は自治体として大きすぎる、という批判については、それなら260万人でも大きすぎる、とも言われかねないのかなぁと思いました。府庁職員の自殺者数については、市役所職員については書かれておらず、誤った指摘になっていないかどうか心配です。全体としての印象は、去年の基礎研究の方がきっちり考えられていてよかったと思います。今回は多方面からの要請もあって急いで原稿をまとめられたのでは、と推測しています。
村上先生はスローガンをいくつも考えられていましたが「無理・無駄・無意味の都構想」「区長を選べるようになったら大阪市長を選べなくなる」なんてのはどうでしょうか。
Posted by あさださとし at 2011年07月30日 21:10
rokuroYさんへ

 いらっしゃいませ。コメントありがとうございます。
 読んでみての感想というのは、ひとそれぞれのものだと思います。

あさださとしさんへ

 ハンドルネームについて、ご協力をいただき、ありがとうございます。
 村上教授のご意見について、概ね賛同しつつも、個別の部分では意見の異なる点も色々あります。まあ、それが、それぞれに考えるということかなと思います。

 こういう一問一答的な形式は、体系的に厳密な議論を行ったり、実証的な分析を行ったりするには不向きな形式だと思います。
 それでも、多くの人が興味や疑問に思っていることに対して、一番端的に答えに提供できるものとしてまとめていただけたのだと思います。
 だからわたしは、この論文?は、大変ありがたいものと思うのです。

 スローガンは、一度ツイッターなどで流してみるのはどうでしょう?その反応が、一番の答えであり、効果なのだと思います。
Posted by 結 at 2011年07月31日 04:21
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