2011年06月16日

維新の会市議団が大阪都構想へ2段階方式など提唱(その1)

 少し遅くなりましたが、先月5月24日の産経新聞で、次のような記事がありました。

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維新市議団が「合区案」提唱へ 都構想実現へ2段階方式 地域自治区の設置も
2011.5.24 02:00

 大阪府市の再編を目指している地域政党「大阪維新の会」(維新)の大阪市議団が、大阪都構想の“別案”として、市内24区を複数区ごとに合併させる合区案を検討していることが23日、分かった。一気に「大阪都」をつくらず、まずは合区して権限と財源を委譲する2段階方式。維新が主張してきた区長公選制は、合区後に住民投票で決める手法を想定している。

 2段階方式は、維新の市議会議席が過半数に達していないため、他会派の賛同を得やすい譲歩案として浮上。第2会派の公明には区長公選制に慎重姿勢の一方、合区に前向きな議員もおり理解を得たい考えだ。

 合併の組み合わせは未定だが、合区にあたっては「従来のコミュニティーが壊される」との批判に配慮し、旧区ごとに「地域自治区」を設置することを検討。さらに、地域自治区には自治会単位で代表を選出する地域協議会を置き、地域に密着した教育や福祉などの課題について住民意見を集約するという。

 維新幹部は「2段階方式は選択肢のひとつ。ただ、どういう形になっても現在のコミュニティーを守るために地域自治区制度は導入したい」としている。

 維新は24日、各派に対し都市構想について話し合う「新たな大都市制度を検討する協議会」(仮称)を提案する予定。合区案は協議会の場で維新案として提案する方針だという。

 協議会の設置案によると、協議会は市議会の運営理事2人(維新、公明)と、各派3〜4人の代表で構成。毎月少なくとも2回開催し、運営理事が交互に座長を務める。検討項目は大都市における統治機構や広域・基礎自治、税財源と財政運営、議会のあり方など5項目。維新は会議の公開を前提にしているが、他会派からは公開に慎重な声も出ている。
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 現在、情報はこの記事だけで、続報も見かけないので、分からないことだらけですが、とりあえず、この記事を見ながら整理してみることにします。

 情報としては、次の2点です。
○大阪都構想への移行を2段階とし、まず、現状の政令市の大阪市のままで合区をして、権限と財源を委譲し、その後、区長公選制=特別区=大阪都制へ移行する。
○現在の大阪市の24区に、地域自治区を設置する。

 このうち、今回は、合区・都構想の2段階方式について整理してみます。

 わたし自身としては、現在報じられている情報の範囲でいうと、この2段階方式は重視しないというか、相手にしないというのが、正直なところです。
 そのため「都制移行を前提とした合区」は、疑問や矛盾に思う点は色々出てきますが、ここでは突っ込まないことにします。(疑問の代表例を挙げておくと、合区して権限委譲して、大阪市のまま、特別区モドキを作る案のように思いますが、区長は「準公選制」で選出するとして、区議会はどうするのでしょう?政令市の行政区に区議会を設けるのは、さすがに無理があるように思います。政令市のままで区条例はないですが、予算は大幅に合区後の区に委ねる考え方と思うので、議会チェックない予算編成・予算執行になってしまいそうなのですが。・・・といったようなことです。)

 2段階方式を重視しない理由としては、
○2段階だろうと1段階だろうと、問われるべきは、最終形態の大阪都構想の是非です。それなのに、都構想の内容についてロクに示さずに「移行を2段階で検討」って、何なのですか。そんなこと言ってるよりも、まずは都構想の内容をきちんと説明しなさいと、言いたいです。
 大阪都構想の説明を、ここまで避けられると、都構想の内容を聞かれたくないから、ぐだぐだと本質的でない話題を作っているのかと勘ぐりたくなります。

○スケジュールも(市民にとっての)目的も示さない2段階方式など、評価のやりようがないからです。
 わたしの想定する(維新の会マニフェストで行われたような強引なスケジュール設定を行うとした場合の)2段階方式での大阪都制への移行は、(マニフェスト記載の4年後ではなく)最短で12年後です。4年後に合区を行い、1期目4年間で合区状態を試行、2期目4年間で評価・住民投票を行って、その後移行期間もほぼなしに都制移行をしたとして、12年後になる訳です。
(勿論この12年間というのは、非常識に短いスケジュールで、常識的に考えるなら、合区の実現が12年後で、合区状態を3期12年間程度試行し、その後の評価・住民投票・移行期間などを考えると、30年後程度の都制移行のスケジュールかなと考えます。)

 それでもって、大阪都構想への移行が、マニフェストの4年後でなく12年後になったとしても、大阪都構想の是非を考えるのに、何か変わるのかと考えると、何も変わらないのです。
 また、合区への移行と都構想への移行と、移行作業が2回になることで、莫大な移行経費が(2倍にまでならなくても)数割増しになると思われますが、目的が示されてないのですから、費用増に見合う効果があるか、検討しようもないです。
 更に、4年間で慌てて行った合区(議論の開始時期や、決定後に移行作業の期間が必要になることを考えると、区割りや合区後の区のあり方の検討・決定の期間って実質1年間あるのでしょうか?)は、試行後の住民投票で、都構想への移行が否定されたら、元に戻すのでしょうか?

 この2段階方式に関する奇妙なことは、大阪都構想の実現をマニフェストで示す4年後よりも、最低でも10年程度遅らせる重要なことなのに、橋下知事が、ほぼ発言で触れていないことです。(わたしは、4年後でも12年後でも、反対という点で大差ないですが、橋下知事は4年後実現の短期決戦をとにかく標榜されているので、12年後に遅らせるなら重大事項で、橋下知事が全く触れないのは奇妙です。)
 そのため、大阪維新の会の方針ではなく、大阪維新の会の大阪市議団が(実現性は置いておいて)市議団の都合でリップサービス的に、情報を出しているように受け止めています。

 大阪維新の会の大阪市議団がリップサービス的にでも2段階方式の話を出すのは、
○2段階方式を匂わせることで、合区だけならという思惑(を持っているかもしれないと、維新の会が期待する)他会派の協力が得られないかと期待している。
○維新大阪市議団の支援者に、市役所改革は支持できても大阪市の解体は支持できないといった声があり、そういう支援者へ「まず目指しているのは合区して区長を選挙で選べるようにすることで、市の解体ではない。」と説明したいのかな・・・という「大阪市解体隠し」説
 ・・・といったような思惑を想定します。

 このように考えると、2段階方式時の「都制移行を前提とした合区」がどのようなものかとか、どういった問題が出てくるかといったことに(今の状況では)真面目に検討する気になれないのです。

 次回は「地域自治区」について考えます。


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posted by 結 at 04:01| Comment(0) | 概要 | 更新情報をチェックする
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