2011年03月25日

橋下知事の発言に疑問を思うこと

 先日、大阪府議会議長が、震災で府咲洲庁舎への全面移転がトーンダウンことについて「大阪に天の恵み」といった発言を行ったことで、強い批判を浴び、公認を取り消し、議員団除名、議長の辞職勧告をされることになりました。橋下知事も、ツイッターで、名指しで批判をされていました。
 新聞によると、事務所開きの挨拶でのことで、「挨拶のなかでも打ち消した」「議長としてではなく、あくまで一政治家としての個人的な発言」とった言い訳をされているようですが、公職にある方の発言が職務上のものでないからと責任を免れないのは当然に思います。

 わたしはこれまで、橋下知事の発言に対する、メディアなどの姿勢で疑問に思うことがあります。
 ひとつは、大阪府知事たる立場の人が、職務上の発言でないからといって、(特に大阪市などに対して)暴言とも言えるような発言を行ってよいのかということ。
 もうひとつには、橋下知事のそういった発言を、メディアが広げる割には、事実であるか否かの分析・評価を、ほとんど行わないことです。

 ツイッターの発言から、(ほんの2日分からですが)いくつか例を拾ってみました。(なおカッコ書きは、わたしの補足です。)

2011.02.01 19:21 大阪市役所というバカでかい制御不能の役所

2011.02.01 22:09 話題は平松市長の退職金問題。市長の退職金が、わが日本国内閣総理大臣の8倍というのは高過ぎ!全国一高い退職金。これが大阪市職員の人件費高水準の元凶。僕は退職金50%カット。
(ちなみに、大阪府知事も大阪市長も1期の退職金は、約4000万円。橋下知事も退職金の支給基準は変えずに、50%カットで総理大臣の約4倍の退職金を貰うと宣言されてるそうです。)

2011.02.01 22:41 だって大阪市役所を、8つから9つの、正常な市役所、しかも市の優良モデルでもある中核市にしようっていうんだから。
(大阪市役所を「異常な市役所」と断じてますね。)

2011.02.01 23:31 しかし、大阪市役所は酷いね。もう末期状態。

2011.02.01 23:35 大阪市役所の職員厚遇は半端じゃないからね。
(大阪市の主張では、ラスパイレス指数=国家公務員比 98.4で、政令市18市中15番目の高さ)

2011.02.01 23:42 大阪維新の会はこの無謀な大阪市役所の活動に対して、20近くの住民監査請求を出しました。統一地方選挙前という微妙な時期には行政はおとなしくしておくべし。しかし監査する監査事務局も大阪市役所中之島一家の一員ですから、きちんとした判断はできないだろうね。
(知事が、監査事務局という公的機関に対して言うべき言葉とは思いません。)

2011.02.01 23:59 区民の皆さんは、自分たちで何も決めれないんです。おかしいですよ!今の大阪市役所は分権に逆行する超中央集権体制の役所です。
(勿論、大阪市は市長公選制ですし、公選議会も置いています。逆に、大阪府の槙尾川ダム中止、府立成人病センター移転への住民や利用者の反対を取り上げないのは、橋下知事によると「一部住民の意思だけではなく、府民全体の利益を考えるのが知事の立場だ」そうです。知事の言葉を借りるなら、府民も「自分たちで何も決められない」ようですが。)

2011.02.02 12:51 大阪市役所は、民意に従うという姿勢がまったくない組織だね。

2011.02.02 12:56 職員厚遇は日本一。
(先にコメントした通り、事実に反します。)

2011.02.02 13:02 もう市長抜きで、幹部がやりたい放題!!これが大阪市役所の現状です。

2011.02.02 19:07 大阪都構想は、大阪市役所から市民を独立させることなんです。大阪市内の区は、自治権を持っていません。自治がないんですよ!!区長は役人区長。選挙で選ばれません。区民は自分たちで何も決めれないんです。全て住民から遠くてチェックが働かない大阪市役所の決定に従うのみ。

2011.02.02 22:01 市役所は町の顔役に1年で120万円のヤミ報酬を与えていた。
(事実は、大阪市が小学校区単位で設置している「地域ネットワーク委員会」の推進員の一部が、年約120万円の給与を所得税申告していなかったこと。給与自体は正式なもの。)

2011.02.02 22:32 職員組合=民主党が市長を選挙でかつぐという構図を崩さないと、大阪市役所は市民のための役所になりません。市役所が地域の一部の人に補助金をばらまき、彼らが市長選で集票マシーンになる。



 わたしは、これらの発言が、大阪府知事の立場にある人に、ふさわしい発言とは思いませんし、かなりの部分が(主観的根拠はあるのかもしれませんが)客観的な根拠を問われると、誹謗中傷になってしまうものだと思っています。
 そもそも、府下市町村の市役所と市民の信頼関係をぶち壊すために、ひたすら奔走するなんて、府知事が行うことだとは思えません。

 でも、こういった発言ですら、メディアは、事実であるか否かの分析・評価さえ、ほとんど行いません。
 当然、大阪都構想についての政策評価を含むようなものについてとなると、ひたすら賛美するか、「よく分からない」とだけ言ってほぼ放置で垂れ流すかでしかありません。

 わたしたち府民・市民は、そのような情報しかない中で、大阪都構想について是非を決める選挙に向き合わなければなりません。
 特に、大阪都構想で自分たちの市が解体され、その影響の大半を負うことになる、大阪市民・堺市民が市民単位で意思表示をできるのは、この選挙だけと思った方がよいようです。
 昨年6月23日の毎日放送「ちちんぷいぷい」によると、大阪都の法案を国会で可決した後に行われる住民投票は、総務省に問い合わせたところ、府民の過半数で決まるそうです。(橋下知事は、3年後の住民投票があると盛んに強調されますが、それが橋下知事が設計図と呼ぶ大阪都の法案を国会で議決した後の事であるとか、どういう単位で住民投票でするのかとか、あまり説明されないようです。)


 橋下知事は、震災後になって、次のように語りはじめました。(勿論、1月に発表された大阪維新の会のマニフェストには、そのようなことは書かれていません。)

2011.03.23 00:11 大阪都は日本におけるもう一つの首都機能を担います。日本の成長と安心を担うもう一つの首都機能。大阪府庁、大阪市役所では単なるローカルな役所と同じ。首都機能までは担えません。大阪市役所は組織を再編されることを嫌がりますが、大阪都は日本のために必要です。西日本にもう一つの首都機能

 どうやら、大阪都を作る理由は、「二重行政の解消」でも「区長公選制」でも「成長戦略」でも「もう一つの首都機能」でも「災害対応」でも、何でも良いようです。

 わたしたち大阪市民は、(あまりにも当然で、全然意識さえしませんが)自分の身の回りの身近な行政がどのようになるか、しっかり見極めなければなりません。
 メディアから、分析・評価を行った十分な情報など得られないとしても。

追記
 橋下知事の多少の発言には驚かなくなっていましたが、それでも次のツイッターでの発言には驚きました。

2011.03.29 00:09 これは大阪市だけの問題ではない。堺市も同じ。もっと言えば全国の政令市が抱える共通の課題。政令市制度は名前の通り、政令で枠組みが作られたもの。要するに役所が作った制度。法律の制度ではない。この制度は限界にきている。住民自治を徹底させるためにも、政令市の区を抜本的に変える必要あり。

 政令指定都市制度は、地方自治法に根拠を持つ法律上の制度です。(地方自治法第252条の19
 弁護士である橋下知事が、そんな基本的なことをご存じないはずもなく、明らかな嘘を数万人のフォロアーに向けて発信されてるのです。
 知事という公的な立場の方が、事実と異なる情報を堂々と発信し、メディアによって正される気配もない。
 この記事の本文の繰り返しなのですが、あまりの内容に愕然としてしまいました。


・・・もし、この記事を気に入っていただけましたら、目次から、他の記事もどうぞ。
   大まかに大阪都構想のことを知りたい方は、まとめブログをご覧ください。
posted by 結 at 03:29| Comment(0) | その他 | 更新情報をチェックする
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