2011年02月06日

大阪維新の会マニフェスト雑感(その2)

 今回は、「府市の二重行政解消などで職員数を3割以上削減し、4500億円の財源を生み出す」についてです。
 といっても、この表現、マニフェストの表現とは異なります。読売新聞の記事から持ってきた表現です。TVのニュースでも似た表現を見ましたが、大阪維新の会のマニフェストは、効果についての数値目標が少ないので、人員の効果と財源の効果を無理に繋ぐと、こういう表現になるのかなと思います。

 まずは、「府市の二重行政解消などで職員数を3割以上削減」について。
 マニフェスト上の表現では「二重行政解消、水道、交通、ゴミ、港湾、消防等の経営形態を変更することにより、職員数を3割以上削減します。」です。

 まず先に、なぜ職員数を減らしたいかを考えます。
 当たり前のことですが、役所で税金から給料を払っている職員さんを少しでも減らして、それで浮かせた予算を行政サービスの充実に充てて欲しいからです。(職員を減らしても、行政サービスを下げないことを前提にしています。)
 ですから、少し違う例になりますが、国の公務員数の削減議論で、国の出先機関を地方へ移管して国家公務員の削減という話がよく出ますが、これは全くのまやかしです。国家公務員は減りますが、地方公務員がその分増えて、国から地方へ事業移管分の交付金の増額などを行うことになりますから、公務員の削減という視点だと、全く意味がないわけです。

 元のマニフェストに戻ると、「二重行政解消」による職員数の削減と「水道、交通、ゴミ、港湾、消防等の経営形態を変更すること」による職員数の削減は、全く意味が違います。
 例えば、交通の例として地下鉄を民営化することで地下鉄職員が地方公務員でなくなったとしても、地下鉄職員は元々運賃から給料を貰っていて、税金で給料を払っていないので、予算の削減効果はありません。(民営化で職員数や給料が減り、運賃が下がる効果が主張されますが、予算削減とは無関係ですし、本当に効果が出るかも少し疑問を持っています。)
 また、消防なども水道企業団のような市町村組合へ移管したとして、今までの予算が市町村組合への分担金に変わるだけで、職員数はゼロになりますが予算削減効果は、無し又は限定的です。
 「水道、交通、ゴミ、港湾、消防等の経営形態を変更すること」による職員数の削減は、表面的な職員数は劇的に減りますが、予算削減効果は限定的です。(職員削減に目を奪われず、経営改善効果を判定して進めるなら、それは良いことですが。)

 では、「水道、交通、ゴミ、港湾、消防等の経営形態を変更すること」で、どの程度の職員減になるのでしょうか?(平成21年数値を使用します。)
 大阪府の職員数は84500人で、教育・警察を除くと9700人。うち水道、下水道が750人。
 大阪市の職員数は39000人で、教育を除くと34300人。うち水道、交通、ゴミ、港湾、消防で16600人。
 堺市の職員数は6700人で、教育を除くと5900人。うち水道、下水道、消防が1500人です。

 3割削減の対象に警察や教員・学校職員を含むかは、マニフェストの文章では分かりませんが、警察・教員・学校職員は削減対象としていないと考えると、それらを除いた、大阪府・大阪市・堺市の対象職員数は、49900人。その3割というと、約15000人。
 これに対して、水道、交通、ゴミ、港湾、消防の対象職員は、大阪府・大阪市・堺市の合計で18850人で、職員数全体の38%を占めます。

 つまり、大阪維新の会マニフェストの「二重行政解消、水道、交通、ゴミ、港湾、消防等の経営形態を変更することにより、職員数を3割以上削減します。」というのは、(予算削減効果の小さい)後段の「水道、交通、ゴミ、港湾、消防等の経営形態を変更すること」のみで達成可能で、二重行政解消によってどれだけ職員数を減らすのかは、実は何も言っていないのです。

 また現実的に、公務員のリストラなどできない以上、どれ程事務の効率化で必要人員を減らしたとしても、実際の職員数は、(定年などの)退職者数を上回る削減は困難です。
 このように考えると、大阪維新の会がマニフェストで打ち出した職員数の3割削減という数字は、大阪市が8月に打ち出している9000人超の削減と比較して、どちらが意欲的な内容といえるかは、これだけでは全く判断ができないもののように、思えます。

(4500億円削減については、次回に続きます。)


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posted by 結 at 01:53| Comment(0) | 概要 | 更新情報をチェックする
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