2010年11月17日

大阪維新の会・大阪市会議員候補さんとの意見交換の続き(その3)

 以前の「大阪維新の会・大阪市会議員候補さんとの意見交換の続き(その2)」の記事について、大阪維新の会の大阪市会議員候補の坂本尚之氏より、再度のご意見をいただきました。内容は次の通りです。
http://blog.zaq.ne.jp/osakaishin/article/32/

 前回記事に対するご意見としていただいた部分は、次のものです。
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結さんのご意見は、以下のようなものです。
○今の大阪市の不経済な予算額を適正化するために、どのような対策を取り、どの程度の予算削減を見込むか。
○各市の市税と交付税など国からの収入を、どのように配分するか。
○都区域はどの範囲なのか。(11市20都区か。)
○都区と都庁の業務配分は、どうなるか。

まず、不経済な予算の適正化は、予算の積み上げで削減するのではなく、削減率を決めて事業予算を見直す、ということが必要です。
他の政令市等を参考に、同一事業の経費効率を見て、予算を策定しなおすべきです。
そんな乱暴なことができるのか、という疑問もおありかもしれませんが、道路公団民営化のときは、管理費の3割削減を国土交通省が主張し、各公団が頭を絞って削減を達成しました。もちろん、サービス水準を下げることなくです。
お役所と取引されている方はご存じでしょうが、とにかく役所は対前年で計算するので、技術が進歩して単価が下がっていても、それをうまく加味することができない(そういうインセンティブもない)ので、役所業務の単価は、大体高止まりです。
さらに、ポスト給与制度の導入により、人件費の単価も下げます。
では、どれくらい下げれるのか、データがないので勘ですが、これまでの行政経験からすると、2から3割は、何とかなると思います。

この無駄の削減具合を見ながら、基礎自治体の必要経費を見積もり、広域と基礎の財源分配が決まります。
東京都のように、45:55に固執する必要など全くありません。

基礎自治体への再編ですが、これは、歴史的経緯、行政効率、人口動態、市民感情など、様々な要因を加味しつつ、じっくり議論する必要があります。大まかな方針としては、おおむね30万人ということです。

業務分担については、たとえば大阪市の出している案を参考に、一つずつ議論していかなければ、今の段階で、これはこうと、全てについて論じることは、逆に議論不十分となります。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100712-OYT1T01123.htm

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 ここでまず、ここまでの話の流れをおさらいしておきましょう。(わたしの主観による、かなり乱暴な概略です。)
(坂本)今は、方向性を提示し、政治として決断を行う段階で、案を具体化したり、メリット・デメリットの検討をしたりするのは、方向性を政治として決断した後のことだ。

(結)ダムの建設の決断を、コストや周辺住民への影響などを考慮せず、治水が必要と言う方向性だけで決めてしまうと言ってるようなもので、乱暴な話だ。

(坂本)ダムの例え話にするなら、今は政治が「治水対策を行う。」という方向性の決定をする段階。ダムにするのか、川床掘削などの他の補修案にするかは、方向性の決定後に行政が複数案を作り、政治が決定するものだ。ダムのコストや周辺住民への影響などは、政治家には提示できるようなものではない。

(結)大阪都構想という方向性を決めるだけといいながら、大阪市内の基礎自治体業務に限ってみれば、大阪市の分割は決定してしまうじゃないか。分割後の業務内容・組織形態も決めず、住民サービスへどんな影響が出るかも検討しないまま、大阪市の都区への分割を決めるというのは、大阪市民の行政サービスをどう考えてるんだ。
こんな話になるのは、二元行政の解消が目的で、大阪市民の行政サービスがどうなるかは、その結果の派生事項でしかないからだろう。

(坂本)基礎自治体の再編は、派生事項ではなく本筋。行政サービスの向上や確保より、区長公選制を通じて、行政サービス選択の最適化を目指している。

(結)大阪市の分割を決める前に、市民の行政サービスへどんな影響を与えるか、把握しないでいいのかという点には、答えをもらえないようだ。
 「大阪市の都区への分割で、大阪市民であるわたし自身の行政サービスが低下したりしないか把握するためにも、大阪都構想の具体像(都庁と都区の業務分担や財務構造などや、分割にコスト増が行政サービスへ影響することを防ぐためにどのような方策を考えているかなど。)が知りたい。」という点は、結局進展しないままだ。
 大阪維新の会では、区長公選制によるサービス選択を強調するが、予算が十分でないなら意味がない。維新の会が提示する都区の予算額は、現状よりかなり少ない額だ。都区の予算額が「今、大阪市が行っている行政サービスを、何も変えないことを都区が選択しようとした時に必要になる予算額」と同じだけあるのかが重要と思う。

(坂本)予算額の削減は、行政サービスの低下になると心配のようだが、大阪市の行政サービスは大変割高だと思っている。「大阪維新(上山信一著)」では、他都市と比べて、
@2〜3割職員数が多い、また人件費も2割程度高い
A同一業務のコストが2〜3割高い
B通常外部委託される単純作業が、高給の中高年職員が行っている
と指摘されている。
「現在の(不経済な)予算額」と比べて、予算額が減ることを、行政サービスが確実に低減すると結論付けることに若干の飛躍がある。
 大阪市が現在行っている広域事業への支出が不要になるということもある。(その予算を都区の予算へ廻せるということかと思います。)
 都区再編による財源分配の過程で、区は夕張なりの行政サービス、都は大型公共事業をバンバンする、ということにはならない。大阪維新の会の議員としても、次の選挙で選んでもらえることが必要だから。
行政サービスの確保は、厳密には確保されない。行政サービスのどの点を重視するのは、各区が判断することだから。

(結)「予算額の減を行政サービスの低下と捉えるのは、飛躍だ。」という前に、どのような対策を採り、どのように行政サービスの確保を行うか、明細に示すのが先だろう。何ら対策が示されていない以上、業務改善分など見込みようがない。財源配分について、何も示されていない以上、「広域事業への支出停止を加味した予算額」も、想定しようがない。
そういうことを加味して考慮を求めるなら、
○今の大阪市の不経済な予算額を適正化するために、どのような対策を取り、どの程度の予算削減を見込むか。
○各市の市税と交付税など国からの収入を、どのように配分するか。
○都区域はどの範囲なのか。(11市20都区か。)
○都区と都庁の業務配分は、どうなるか。
などを、公式に示されるべき。その示された内容についての大阪市役所他の意見もみて、考える。
 市民に責任を持つ議員の言うことだから信じろと言われても困る。それは、既存政党であれ、維新の会であれ、同じ。

 このような流れとして、今回のご意見へと至ります。
 ですから、今回のご意見に対して、わたしが考えることは、「都区の予算が、維新の会の方の発言にあるように減ったとしても、行政サービスの低下はしないと見込めるか。」と、「広域事業への支出停止を加味した予算額として、都区予算の増額を見込めるか。」になると思います。(前回記事では、公式に示したうえで、大阪市役所や第三者の意見も聞く必要があるとしましたが、ここではとりあえず置いておくことにします。)

 今回のご意見でお示しいただいた内容を概略すると
○大阪市の予算に対して、事業費については一律削減(他の政令指定都市なみという説明はされてますが、前後の記述から、3割程度と思われる。)を行う。ただし、行政サービスは低下しないと考えている。(ただし、大阪維新の会が、他都市では行ってないなどとして無駄又は過剰と判断した行政サービスの削減は、行政サービスの低下とは見なさないということのようです。)
○人件費についても、ポスト給与制度の導入で削減する。
○おおよそ全体で2〜3割の削減を想定する。
○上記の削減後予算から基礎自治体の必要経費を見積もり、(市税の)都区への配分割合を決める。
○都区域がどの範囲かについては、回答できない。
○業務分担については、回答できない。
ということかな、と思います。

 結局、大阪市の基礎自治体業務の予算額を(他の政令都市なみと言いながら)一律削減(3割程度か?)し、それを都区の予算額にする。大阪市の市税や地方交付税などに基づく予算額の残りの部分は、都庁の予算として吸い上げるということで、このブログで行政サービスの低下を招かないか心配をしている構図そのままです。

 坂本氏が行政サービスの低下にはならないとして挙げられているのは、道路公団民営化時に管理費3割の削減をし、(坂本氏の考えるところ)サービス低下もなかったという事例がある。
 他の政令指定都市で行っていない行政サービスは、過剰な行政サービスとして、削減してもサービス低下とみなさない。
 坂本氏の考えるところ、役所の発注単価は、高止まりしていて、相当引き下げの余地がある。ポスト給与制度の導入で、人件費も下げられる。
 これらの理由により、2〜3割の予算削減は、行政サービスに影響させず、可能と考えているということのようです。(見込みが外れると、この手順は、行政サービスの低下で辻褄を合わせることになります。)

 まず、他の政令指定都市で行っていないという理由で行政サービスを削減しても、それは市民にとっては、行政サービスの低下です。ですから、坂本氏の示している手順は、根本的にサービス低下を前提にしていると受け止めます。
 その点を除いても、これらの理由は、2〜3割の予算削減が可能という、客観的な根拠を示したものとは、思いません。どちらかといえば、坂本氏が「これらの理由で予算削減をしても行政サービスが低下しないと(自分は)思っているから、信じてくれ。」と、投げかけられているのだと考えます。

 この投げかけに対して、わたしは、否定的にとらえます。
○一番肝心な、予算に一律削減をかけて、行政サービスの低下なしに圧縮できるかが、畑違いの一事例と坂本氏がそう思ってますだけでは、弱いと感じます。予算に一律削減をかけて、その通りにならなかったら、行政サービス削減へまっしぐらですから。その時になって「無駄なサービス、過剰サービスの削減だから、市民サービスの低下ではない。」と言い逃れをしても、市民は救われません。
 客観的根拠というのは難しいかもしれませんが、せめて、第三者の評価や大阪市役所の反論に耐えられるということを示して、初めて評価の対象となるのだと思います。公表できないと言ってる時点で、そういう捉え方しかできません。

○坂本氏の主張通りであれば、大阪府の財政問題は一気に解消するはずですが、なぜ、そのようにしないのか疑問に思います。
 橋下知事が、職員の給与の一時カットの延長・給与表への反映(=正式な給与の引き下げ)に向けて取り組まれているようですが、大阪府の給与カット率って3.5%〜14%です。
 しかも、14%は部長級のみで、課長・次長が11.5%、課長補佐9.5%、主査7.5%、主事が5.5%又は3.5%です。主査は、一般の係長ということでしょうから、職員の大半は、7.5%〜3.5%のカットということです。
 前回の給与カットから3年が経過するのに、5〜6%の給与引き下げを維持するために、知事は苦労をされているように見えます。2〜3割の予算削減ができるという考えが共有されているなら、すぐ導入されそうに思えます。

○坂本氏の話は、大阪市役所が改革のどの段階にあるかを全く考慮していないように思えます。
 大阪市役所が財政非常事態宣言を出してから、5年以上経ちます。予算の一律削減(国の予算でいうところのシーリング)なんて、最初に行うことですから、非常事態宣言の前から、繰り返し行われてきたはずです。
 大阪市役所の説明では、平成18年度〜22年度までの取組みで、年間2700億円の経費圧縮(一般会計予算総額に対して2割弱の削減)、職員8570人の削減をしたとしています。
 また、平成17年度〜21年度で、給与は約7%引き下げ、総人件費は19%の削減を行ったということです。

 当然、こういった経費圧縮の中には、坂本氏のいう、取引先との価格交渉もあるでしょうし、一般競争入札での調達割合も増やしているはずです。

 市役所の数字をそのまま鵜呑みにすべきかは別として、一定取組みがなされた後の現状から、2〜3割の経費削減が住民サービスへの影響なしに可能と考えるには、坂本氏の根拠は、かなり弱いと考えます。
 勿論、業務上の無駄ということでなく、大阪維新の会が色々な行政サービスを過剰サービスと呼んで、ばっさばっさと削っていくという分の話なら別ですが、わたしはそれを「住民サービスへの影響なし」とは思いませんから。

○「予算額については、大阪市の広域事業への支出停止を加味する必要がある」という指摘が以前ありましたが、結局、今回の説明によると、大阪市の広域事業予算と大阪市の基礎自治体業務の削減額は、都庁の予算になるという組み立てのようですので、「大阪市の広域事業への支出停止」というのはなさそうです。

○都区に分割することで、必要な予算額は増えると言ってるのに、考慮はされてないようですね。単に、「広域行政部分が、府市で集約して統合効果が出るなら、基礎自治体業務の部分を8分割すれば、同じ理屈でコスト増になるよ。」と言ってるだけなのですが。
分割する基礎自治体業務の方がずっと規模が大きいし、分割数が多いだけに、広域行政の統合効果より、ずっと大きな影響が出ると思うのですが。

○区長公選制で住民の行政サービスの選択が向上するというのが、大阪維新の会の主張の柱のひとつですが、都区への予算は、濡れタオルに例えると相当に堅く絞った状態で、都区に引き継がれるようです。都区での行政サービスの選択とは、住民の望む行政サービスを増やす替わりに、必要性の薄いと考える行政サービスを削減するということですが、削減できる行政サービスがどれだけ残っているか、疑問に思います。

○予算配分の枠組みが明示されない中で、都区の範囲は、この議論には、大きな影響とはなりませんが、「都区域はどの範囲なのか。(11市20都区か。)」ということにもお答えいただけないことには、驚いています。
業務配分の方は、重要な点と考えるだけに、何もお答えいただけないことは、残念です。

 また、余談に近くなりますが、「私を信じてくれ。」という趣旨の強いご意見の中で、生活保護費と市税収入の比較を出されるような説明をされることには、不思議に思っています。
 生活保護費は4分の3が国の支出になることから、その点を無視して、生活保護費と市税収入の比較をするのは、政治的・行政的嘘の代表例と理解しています。一般市民相手なら、まだ通用すると思われているのでしょうか。

 今回の記事は、坂本氏のご意見に対するわたしの理解とさせていただき、坂本氏への問いかけとは、させていただきません。ここまでで一定の意見、認識が示されたと考えます。
 ただし、坂本氏から明確な問いかけがあったと理解すれば、別ですが。

 また、坂本氏より、大阪府と大阪市を統合して大阪市を都区へ分割する案を前提とする中であれば、ほかの意見に聞く耳を持たないということではないという「ありがたい」提案をいただいていますが、わたしは、大阪都構想が自分にとってどうなのかを整理しているだけなので、特段の提案を行うつもりはありません。
 このブログはあくまでも、「大阪都構想を実現した方が、自分にとってよいのか。」「大阪都構想を否定し、現状のままの方が、自分にとってまだマシなのか。」について、自分の意見をまとめるだけです。


・・・もし、この記事を気に入っていただけましたら、目次から、他の記事もどうぞ。
   大まかに大阪都構想のことを知りたい方は、まとめブログをご覧ください。
posted by 結 at 04:19| Comment(6) | 概要 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本当に、知りたいことには、全く答えてくれないですね。
事業費が3割カットできるという主張なら、まず大阪府で実践してみてほしいですね。大阪府では、維新の会の代表が知事として職員に「一律に3割カットしろ」と政治主導で命令できるのですから。それをしていないのに、坂本さんの主張は納得できないですね。

そして、一番知りたいのは、一般市から特別区になるのは、どこなのかです。大阪市内は、今より独立性の高い区になり、一般市は、今より自立度の低い区になるわけですから、非常に重要なテーマです。これを提案せず、自分の市が区になるのかどうかわからず投票するなんていう白紙委任状を一般市の市民が出すのでしょうか?

本当に不思議な感覚をお持ちです。維新の会の方々は。
Posted by minato at 2010年11月17日 15:25
あくまで私の推測ですが、知事や維新の会は、都構想の対象とされた隣接市住民がもっと積極的に賛成の意向を示してくれると予想していたんじゃないでしょうか。
ところが実際はそうはいかなかったので、都区の範囲に関して明言を避けるようになった、と。

以前にも似たような事を書きましたが、一口に隣接市といってもその内容はばらばらです。
大企業の企業城下町もあれば、利便性と良好な住環境が売りの町もあり、ひとつの市で工商農と住宅地をそれなりの規模で全て持っている地方都市タイプも存在します。
大阪都構想はこれら全てに対応しうるものでしょうか?
私には企業城下町タイプだけがその想定内に入っているとしか思えません。
それ以外は方向性が違いすぎるので、住民としてはもろ手を挙げて賛成とはいかないでしょう。
(遠方ゆえ情報が不足してはいますが、ざっくり見た感じでは、都構想賛成の声はむしろ隣接市よりもうひとつ外側の住民から出されているようです。
「あそこが入るのならなんでウチも構想に入れてくれないんだ」な感じで。)
もっとも、この構想が70年代中頃なら隣接市でも賛成の気運は高まっていたような気はします。
当時は大阪市に比べ、周辺市のインフラはうんと見劣りしていましたから。
その頃の記憶がある私にとっては、「大阪都構想は時代錯誤」という意見はまさに的を射たものだと思います。

知事はカジノや風俗は全部大阪が引き受けるとおっしゃっているようですね。
今の大阪都構想だとそれ以前に山や畑やため池を相当数引き受けなければならないわけですが、どうなんでしょうか。
農地保全や自然保護も大阪都が積極的に取り組むんでしょうかね。
こういうものを持っている隣接市では、やはりそれなりの施策がなされているんですけどね。
そもそも隣接市だけを単純にとりこむだけの構想自体に、戦略性の無さを感じます。
いっそのこと府下全域を構想の対象とするのと、何ほどの違いがあるのでしょうか。
Posted by どんごろす at 2010年11月17日 23:07
minatoさんへ

 坂本氏が情報を出すことを渋っているとは、あまり思っていません。どちらかというと、情報統制が厳しいのかなと、感じています。そして、そういう所なのかなぁと。
 大阪府でやってみせて欲しいは同感です。ポスト給与制度の導入による人件費抑制の効果って、それが一番はっきりと出ると思います。人件費が相当に(2割前後?50歳代の方とかは、衝撃の給与及び退職金の引き下げになるはず。)削減できて、それで問題がないなら、大阪府でやらない理由ないはずなのですが。

 都区の範囲については、情報が出てこないと思っていたので、とりあえず状況が確認できたことで収穫と思っています。
 区割りどころか、都区域すら明確でないことを、マスコミが突っ込まないのは、不思議です。そういう取材・報道をすると、あとが怖いのでしょうか。

どんごろすさんへ

大阪都構想で、大阪市・堺市以外の9市が含まれているのは、太田知事時代の案を、当初、あまり考えずにそのまま出してきただけでしょう。
太田知事時代の案がその範囲だったのは、東京都の23区と面積を合わせるためだったとか。

はっきりしたことが分からないだけに、どのような事情で、都区域を出さないかは、色々と想像できますね。
ちなみに、9市を範囲に含める時は、地域性がいろいろあることは、「多様性を包含することで、活気を生み出せる。」市街化されていない地域が多くあることは、「今後、開発のためのポテンシャルを大きく持っている。」まあ、なんとでも言えます。でも、南部はあまり知りませんが、北部方面は、よく知ってます。結構、市街化されてますよ。

今、都区域の説明をしないのは、大阪市・堺市以外の9市より、堺市が焦点なのかなと想像しています。堺市を3分割して都区域にする案が、反発や支持を失速させる端緒となるのを恐れているとか。(想像だけなら、何とでもいえますから。)

今の大阪都構想だと、政令指定都市(というか、極端にいうと大阪市のみ)以外を都区域にする意味は、大阪府にとってはないはずです。
本当は、府下の全部の市町が、喜んで参加したいというような提案だったら、一番なのですけど、今、参加を表明してるのは、1市?


みなさまへ

今回の記事、ちょっとお詫びです。
長すぎる記事になってしまった割りに、削減率を定めての予算削減を、大阪市の独自行政サービスの削減と、業務の効率化による圧縮がどこまで可能と考えるかの2つにうまく整理できず、分かりにくい説明になってしまったなと思っています。
もう少し、うまく整理ができるなら、改めて記事にすることも考えてみます。(ただ、書くとしても、かなり先となりますが。)
力不足で、申し訳ありません。
Posted by 結 at 2010年11月18日 03:02
 今、民主党政権が、政権交代前にマニフェストに掲げた政策の多くが頓挫しています。行政の無駄を無くせば財源は十分出てくる。埋蔵金だってある。と言ってたことが、ぼろぼろと崩れてしまっています。坂本さんが「勘で3割は削れる。しかも行政サービスを低下させることなく。」などと言ってるのを聞くと、まさしく今の民主党政権がやってきたことと同じ図式ではないのかと普通に思っちゃいますよね。
 道路公団の民営化に携わったとのことで、3割削減、サービス据え置きを実現したということを述べておられますが、じゃあ削減する前はどれだけ無駄なことしてたの?って思いますよね。今の大阪市がそれと同じレベルの無駄無駄な財務体質だとどこまで分析して言い切っておられるのでしょうか?
 今やられている国の事業仕分けでいろいろと報道されているのを見ていると、国の特殊法人や特別会計って、我々の感覚とはかなりかけ離れたレベルで湯水のようにお金を使ったり、プールしたりしてますよね。道路公団もその類に近かったのではないのかなとも思います。そういえば、道路公団の民営化にあたっては、確か膨大な借金は別の独立行政法人をつくってそっちに丸ごと引き取ってもらったのではなかったでしたっけ?自分たちは資産も借金もすっかり手放して、道路管理と運営やるだけの身軽な会社にしてしまったという、そんなスキームだったような記憶があります。まあこれはちょっと蛇足ですが。

 結さんが指摘されているように、大阪市はこの5年間でかなりきつい経費削減を行っています。この5年に限らず、もっと以前から予算要求時の前年比10%、20%シーリングなんて、普通にやってきています。ほとんど絞りきった雑巾と言うたとえは、かなりあたっていると思います。

 坂本さんの文面からは、相当自信があるかのように見受けました。どうぞ、選挙戦で「私の勘では、行政サービスの質を落とさずに3割の経費削減を実現できます。」と訴えて戦ってみてください。「ただし、他都市でやってない大阪市の独自事業・上乗せ施策は除きますけど。敬老パスも上下水道料金福祉減免も新婚家賃補助も。これがどうなるかは区民の皆さんの選択次第です。」と付け加えるのをお忘れなく。
Posted by bafuken at 2010年11月19日 04:17
 このエントリの話題とは、若干外れるんですが、しかも毎度のことで長くなっちゃいますが・・・

 先日、大阪市が、大阪府の地方自治制度研究会の「中間とりまとめ」に対する見解を発表しました。維新の会が、上山さんの著書とともに「自分たちの政治方針」としている「中間とりまとめ」ですが、大阪市が細かく読み解いて、大阪市なりの反論を述べています。

 維新の会のHPで浅田政調会長が、研究会の膨大な資料・レポートを覗けと言っておられるので、第1回の研究会からの議事録、会議資料を読んでみましたが、とてもじゃないけど全部は読めません。すぐに挫折。それでも、気がついたことは、そもそも学識経験者の研究会や審議会といったところで、基本は行政側のお膳立てのベースのうえで議論をしているということです。どういうことかというと、橋下さんの肝いりで大阪都構想や維新の会の政策を理論付けするために作った研究会ですから、橋下さんの指示のもとで府の事務方が作った資料をたたき台に議論が進められているのです。一見、中立の立場で書かれているようでいて、よく読むと、大阪市が大阪府と仲が悪いがために、あるいは大阪市が自分のことしか考えてこなかったがために、今の大阪の沈滞や低迷が起こっている、とか、いかに大阪市の施策や事務事業に無駄が多いか、というようなことをことさらにあげつらうがための(いじわるな)資料になっています。(またそれが膨大な量あります。ほんといじわる。)

 これらの点には、大阪市が「見解」のなかでいちいち反論しています。私も中間とりまとめの中で特に違和感を感じていたところがあるのですが、「府は市域外のことしか関心がなく、市は市域内のことだけをやってきたので都市圏全体の視点に欠け、都市中枢機能を高めるための交通インフラ整備が進んでこなかったのではないか。」という記述です。前にもお話したことがありますが、大阪市は今まで、広域的なインフラ整備――阪神高速道路、本州四国連絡高速道路(明石大橋)、関西国際空港、片福連絡線(JR東西線)、大阪外環状線(JRおおさか東線)、京阪中之島線、阪神なんば線などの大規模交通インフラ整備に、大阪府と同額、ものによっては(京阪中之島線と阪神なんば線)大阪府の2倍の費用負担をしてきており(ただし関空は府:市が2:1)、いずれも府市が強調して国と事業スキームの協議交渉をしてつくりあげてきた経過があります。言うまでもなく、関空も明石大橋も大阪市域外のものですし、大阪外環状線も、先行開通した南区間(現在のJRおおさか東線)はほとんどが八尾市、東大阪市を通っています。大阪府が大阪市域内に関心が無いということは当たっていますが(事業区間が大阪市域内だけで完結している京阪中之島線、阪神なんば線には、それらが広域的な役割を果たす路線であるにもかかわらず、大阪市域内にしかないという理由だけで大阪府は大阪市の半分しか負担していない)、大阪市は市域外のプロジェクトにも関西全域のことを考えて取り組んできています。なぜかそのことに一言も触れず(資料にはこれらのインフラ整備のことが全く出てこない)に交通インフラ整備が進まなかったと述べ、そのためのケーススタディとしてこれまで府市が個々におこなってきた面開発(阿倍野再開発やりんくうタウンなど)のみをあげています。そのうえでさらに交通インフラ整備の進まなかった事例として阪神高速道路の淀川左岸線延伸と、なにわ筋線をあげているのです。議論を進めていくうえで(橋下さんに)都合の悪い情報を意図的に出していないと思えるような露骨なやり方です。この2つの事業は、府市の関係云々の前にその莫大な事業費のゆえに現在の財政状況の厳しい府市として事業実施に踏み込むことができないというのが実情であって、議事録の中では府か市どちらかが単独でやる前提であればできていたのではないか、府市が一緒にしようとするから、ちょっとでも相手に多く出させようという意図がはたらいて、いわばもたれあいの関係性により協議が進まなかったのではないか、といったようなことが語られています。

 また、一方で議事録を読んでいると、学識の方は結構ニュートラルに議論していて、府の事務方が作ったストーリーに対して、「そんなことないのでは」というような発言も多々見られます。

 で、とりまとめられたのが今回の「中間とりまとめ」なんですが、これもよく読むと、新たな大都市制度については、まずは現行制度下での(府市の)政策協調に努めるべきとしています。で、どうしても調整が整わないとき(橋下さんが平松市長と協議調整する気がもうないので必然的にこうなるのですが)に、新たな大都市制度ということになって、その場合でも大阪市の再編なのか、都市内分権でいくのかというのは両論併記になっていて結論は出ていません。

 維新の会の浅田政調会長は、このような「中間とりまとめ」を「維新の会の政治方針」と言ってます。「大阪都構想」とはどこにも書いてないんですけど、ほんとにいいんでしょうか。多分、よく読まないで、橋下さんが理論武装するために作った研究会だから、大阪都構想について学識の方がいっぱい理論構築してくれていると思い込んでるんじゃないでしょうか。

 先日、11月9日の大阪市会大都市・税財政制度特別委員会の冒頭で、この自治制度研究会の座長を務めた同志社大学の新川教授が大都市制度について講演をしています。その中で、教授は、
 ・世間、マスコミで言われる府市施設の重複による「二重行政」については、例えばサービス施設をつくる際、府は府民が利用しやすいということで大阪市域につくり、市は当然、市民のため市域内につくるということで市域内に施設が複数存在するのであり、これはいわゆる二重行政にはあたらない。
 ・東京都制を念頭においた制度を現状のまま大阪に導入することは適当でない。
 ・大阪経済の再生のためには、別に新しい大都市制度ではなくても十分可能だという議論を研究会ではしてきた。まずは府市の間で政策協議をしっかりやることが当面有効であるし、現実にやれることではないかということで議論をしてきた。
 ・「中間とりまとめ」については確定的な考え方は示していない。調整が整わないときに府と市を解体的に再編成して新たな大都市制度が必要となる。それを知事は都制度だといい、ある人は分市論だといい、大阪市の立場からすれば都市内分権ということになるが、どの仕組みを採用すればよいかということについては、並列に並べているだけで結論は述べていない。
 などなどの話をされています。

 橋下さんが思いつきで言ったこと(大阪都構想)を一応理論武装しとこうと考えて作った研究会ですが、府の事務方は橋下さんの指示を受けて、なんとか都構想の正当性を学識の先生方にフォローしてもらおうとして議論を誘導しようとする意思が見え見えの資料を組み立ててはみたものの、先生方の議論はすっかりニュートラルで、まずは府市が政策協議をやるべきという話になってきて、仕方がないので無理やり両論併記で府市の再編について書き加えた。というのが事の真相ではないかと思いました。

 でも、「中間とりまとめ」が発表された時の新聞報道は、市の解体・再編が必要というところだけを取り上げて報道していました。マスコミはどうして橋下さん寄りの発想なのだろう。

新川教授の講演は、大阪市会のHPで動画が見られます。
http://www.city.osaka.lg.jp/contents/wdu260/live/special_committee/20101109dai-kouen.html
Posted by bafuken at 2010年11月20日 01:25
bafukenさんへ

昨日のコメントは、ひたすら同意です。
それで終わるとさみしいので、蛇足です。
坂本さん(というか、大阪維新の会共通かな?)は、大阪市の予算が他都市より多い。他都市は大阪市より少ない予算で普通にやってるのだから、大阪市が多く使っている分は、すべて無駄な支出だ。無駄な支出を削っても、市民生活へは影響しないという論理かなと思うのです。
大阪市が多くの予算を持っているのは、基本は大阪市民が多くの市税を支払っているからだし、多くの市税を払ったら、多くの行政サービスで還元されるべきという、地方自治の基本をどうしても認めたくないようです。そうしないと、身近な行政へ充てられるべき市税を、都庁に巻き上げる理屈が立たないのかもしれませんが。
これをいうと、「大阪市の税金は大阪市民だけのものじゃない。」とかいうのでしょうか。行政の専門家のみなさんが、地方税の課税の根拠も知らないとは思わないのですが、知らない相手には嘘八百並べてもいいと思ってるようですね。責任ある立場の人たちなのに。

大阪府の地方自治制度研究会のお話の方ですが、報告書を書いて、説明してるのって、事務局でしょ。事務局=府の職員さん。委員の先生は、それに意見をいって、少し取り入れて、お墨付きを与えるだけ。
最近の情報公開は素晴らしくて、議事録も読めるから、大阪維新の会の説明と研究会での話は、かなりずれてるだろうと思ってます。
一度整理したいけど、かなり先になってしまいそうです。

それでbafukenさん、こういうレポートをコメントに書くのは、もったいないって。ブログ記事にした方が、見てもらいやすいから。
もしよければ、地方自治制度研究会の部分、うちで記事にアップさせてもらってもいいですか。
Posted by 結 at 2010年11月20日 03:01