2010年11月14日

大阪都構想の具体案の提示は、求めない方がいいのか

 「できないのか、やらないのかは、伝わるのだと思う」の記事で、現状、具体案を求めて、大阪維新の会と大阪府の職員だけで作る不完全な具体案で、大阪都構想が失敗に陥るよりも、統一地方選挙後に大阪市職員も参加して、より完成度の高い具体案を目指した方が良いのではないかという、ご指摘をいただきました。
 この点についての、わたしの考え方を整理してみます。

 まず、大阪都構想の具体案とは、どういったものかを考えると、府民・市民が大阪都構想がどういったもので、府民・市民にどのような影響があって、どのようなメリット・デメリットがあるかを検討できるような、大阪都構想の骨格についての情報だと思います。
 そして、府市どちらの職員の手を借りて、「詳細」の設計を行うにしても、そういう骨格程度の情報は提示しないと、府市どちらの職員であっても、「詳細」の設計などできないと考えます。議員さんなどにとっては、こういう骨格の設計も職員が作るものという認識が、もしかしてあるかもしれませんが、議員さんと職員で元々認識が一致していてペーパーを作る作業を職員にさせているか、元々、職員の方から骨格についての提案を行う場合が多いということなのかと思います。
 もしかして、大阪府庁の中では検討などに入っていて、骨格について認識の共有ができているのかもしれませんが、そうでなければ、大阪府の職員であっても、骨格の提示なしに詳細の設計はできないと思います。
 まして、大阪市の職員は、大阪都構想の骨格の程度の提示がなければ、詳細の設計などできないと考えます。

 ですから、今後、大阪市職員の手を借りて詳細な設計を行うことと、その前に、大阪都構想の具体案を、府民・市民に提示することは、矛盾しないと考えます。

 次に、コメントでも議論をしていますが、選挙後になっても、何も変わらないのではないかと思うのです。
 橋下知事は、大阪都構想の詳細な設計は、統一地方選挙後に、大阪市職員の手を借りて行うとしています。
 現状であっても、きちんと大阪都構想を府の施策とすれば、府の職員に堂々と詳細な設計をさせることができます。
 また、現状であっても、大阪維新の会は、大阪市会議員を擁しており、市会議員が請求可能な情報は、大阪市役所に提供させることができます。そして、統一地方選挙後に議席数を伸ばし、例え大阪市議会の過半数を得たとしても、この関係は変わりません。(大阪市の職員に、大阪都構想の検討するよう命じようとすれば、少なくとも市長選以降ということになります。)
 統一地方選挙で大阪維新の会が勝利したとしても、大阪市職員による大阪都構想の詳細設計が進む訳ではないのです。
 逆に今、骨格の提示を行った方が、平松市長は、大阪市役所への影響などについて詳細な検討を職員に命じると思われますから、検討は進むかもしれません。

 あと、大阪維新の会の方が、大阪府庁・大阪市役所を0から作り直すといった言い方をされることが多いことも、少し懸念を抱いています。
 これは一般論になりますが、改革を標榜される方が、「0ベースで見直しを行う」とか「1から作り直す」といった言い方をされる時は、具体的な改善方針や改善手法を持っていないことが多いように感じています。
 選挙で選ばれた首長が、役人たちに対して「無駄や旧弊を排するために、事務を一から見直し、再構築しないさい。」と命じたところで、何も変わらないのです。そういう役人が嫌がりそうなところこそ、首長は明確にどういう改善方針を取り、どういう改善手法を取り入れるのか、明確に指示をする必要があります。

 良い例が、政権交代時の民主党の初年度の予算編成です。
 査定大臣として送り込まれた議員たちは、役人たちに予算のゼロベースでの見直しを迫りましたが、結局、ダム凍結など明確な指示をした点を除いて、今までの予算にマニフェストの事業を上乗せしたものしか作ることはできませんでした。勿論今でも、削れる無駄が一切ないなんてことはないでしょう。

 大阪維新の会で考えている改善方針や改善手法を、今提示したとしても、何ら効果が失われるものではありません。その効果を府民・市民も十分に評価をして、大阪都構想をどうすべきか、考えることができるでしょう。

 特に、都区の事務については、橋下知事や大阪維新の会の方は、住民の代表が具体化すればいいといった言い方をされることが少なくありません。
 今の流れのままであると、役人たちは、今のままの市役所事務をそのまま、都区へ移行し、予算が減った分、行政サービスを削るために法律で義務付けされていない行政サービスのリストを住民代表につきつけ、「どれを残しますか?」と問うだけといったことも十分に起こりえると考えます。

 橋下知事と大阪維新の会の方には、そうではないということを、ぜひ、示していただきたいと、わたしは思うのです。


・・・もし、この記事を気に入っていただけましたら、目次から、他の記事もどうぞ。
   大まかに大阪都構想のことを知りたい方は、まとめブログをご覧ください。
posted by 結 at 01:50| Comment(0) | 背景 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。