2010年11月06日

大阪維新の会・大阪市会議員候補さんとの意見交換の続き

 前回の記事について、大阪維新の会の大阪市会議員候補の坂本尚之氏より、再度のご意見をいただきました。内容は次の通りです。
http://blog.zaq.ne.jp/osakaishin/article/21/

 主旨としては、次のようなものです。
○市民生活の安心・安全を考えることは、重要な仕事のひとつ。
○基礎自治体の再編(大阪市の分割のことです。区長公選制もセットとして語られています。)は、派生事項ではなく本筋。
○「行政サービスの向上や確保」よりも、区長公選制により、「(受けたいサービスを自ら区長公選制度を通じて選択する)行政サービスの最適化」を目指している。

 結局、前回記事の肝心な点である「大阪市の都区への分割を決定する前に、大阪市民の行政サービスへどのような影響を与えるか、把握しないでいいのか。」ということについては、何もお答えはいただけませんでした。
 ですから、話の大元である、「大阪市の都区への分割で、大阪市民であるわたし自身の行政サービスが低下したりしないか把握するためにも、大阪都構想の具体像(都庁と都区の業務分担や財務構造などや、分割にコスト増が行政サービスへ影響することを防ぐためにどのような方策を考えているかなど。)が知りたい。」という点についても、何も進展はありませんでした。
 この点については、前々回の坂本氏の記事にある(大阪市の都区への分割は)「政治が『治水対策』をする、という方向性を決定」程度のことで「簡単にダムのコスト、周辺住民への影響を提示できるかのようなことが書かれてますが、政治家にそんな力はありません。行政側も実際、コンサル業務を発注して、莫大な時間と費用をかけて、案をつくっているのですから。」のままなのかと、思われます。

 議論としていえば、余計なことを書くと話を逸らせる元になりそうですが、記事としては、大切かなと思うことを2点、挙げておきます。

 橋下知事も、他の大阪維新の会の話を聞いていても、絶対に大阪市民に対して、「現状の行政サービスが維持されるか。」については、言及されませんね。坂本氏の回答の中でも、「大阪市民に行政サービスを確実に提供するという責任を負う立場」に立つかということに対して、「市民生活の安心・安全を考えることが、重要な仕事の一つ」と微妙に言い換えをされています。
 タウンミーティングでも、都区の予算額について具体的に数字を挙げて、現状の予算より大幅に削ることを表明されている訳ですから、「現状の行政サービスが維持される。」とは口が裂けても言えないのかもしれませんが。
 しかも大阪市債の取り扱いの考え方が分からないので、タウンミーティングで出されている都区の予算額が、大阪市の市債償還費用を引く前か、引いた後かも分からないんです。大阪市の公債費って、毎年2000億円ほどですから、都区で分割しても百億円単位で変わるんですよ。「分からないことは、悪い方に考える。」とすると、「相当厳しい」→「ほとんど無理」になってしまいます。

 2点目として、大阪維新の会さんの話で、都区の行政サービスの話になると、「大阪市の都区への分割で、行政サービスを都区という大阪市より小さな、わずか30万人という単位で選択できるようになる。」ということをひたすら説明されるのですが、選択の自由が上がっても、行政サービスの量を決める「予算」を都区が十分に持っていないなら、全然意味がないのです。(しかも、わたしから見ると、260万人のひとりとしての意思表示が、30万人のひとりとして意思表示ができるようになるというだけなので、わたしの思った通りの行政サービスを選んでもらえるということでは、当然ない訳ですし。)

 端的にいって、都区の予算額は、「今、大阪市が行っている行政サービスを、何も変えないことを都区が選択しようとした時に必要になる予算額」と同じだけあるのか。(それとも、どれ位、それより、多いのか、少ないのか。)
 このことが確保されて、初めて都区という単位で行政サービスを選択できることも、意味があると思います。
 この「同じ行政サービスを選択するために必要な予算額」より、大幅に少ない予算額しか都区が持たないなら、橋下知事がタウンミーティングでいっていた「どの行政サービスを止めるか選ぶことができる」ことでしかありません。
 そんな選択の自由は、欲しくありません。


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posted by 結 at 03:12| Comment(3) | 概要 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最近、都構想に興味が薄れてきている気がします。
明確なプランを5月に出す、8月に出す、9月に出す、11月に出す、12月に出すと、どんどん引き伸ばしてきて、昨日は1月に出すと議会で発言があったと報道にありました。
いっこうに、具体案が出ないだけでなく、橋下さんも議員も開き直って選挙後に役人に作らせるって言うから、期待度が低下しているのだと思います。
明治維新の志士や小泉総理の郵政選挙とダブらせているようですが、それを真に受けている人が、全く違うと指摘されて、とたんに熱が冷めているのを目の当たりにしています。明治維新の志士なんてのは、維新の会の方の自己満足でしかなくなりつつあります。
坂本さんのご意見を拝見すると、さらに冷めてしまい、「ないものをあるかのように見せる」と平松さんが表現されたことに今頃「なるほど」と思ってきました。
だから、提案者である橋下さんや維新の議員から、選挙の準備ばかりせずに明確なプランを見せて頂いて、この場で議論をして欲しいと思っています。
そもそも、今になって私が感じるのは、明確なプランがない会の公募に応募されてるのかが分からなくなってきました。さらに、候補者に決まってから、大阪都構想の勉強会に参加するなんて、手順が全く逆ではないかと、腹が立ってきました。本当に残念な思いでいっぱいです。
Posted by 戸田忠史 at 2010年11月06日 17:22
 昨日の大阪市会財政総務委員会での質疑で、維新の会の議員さんは、大阪都構想については、12月までのタウンミーティングでの市民・府民の意見を集約して、来年の1月中にはマニフェストをお示しすると答弁されていました。一昨日の市政改革特別委員会で維新の会の別の議員さんが、質問されてもいないのに堂々と12月末か1月はじめには出すと宣言していたところ(この点、柳本市議もツイッターでつぶやいておられます)なのに、その舌の根も乾かないうちに出す時期は1ヶ月遅くなっています。(ちなみに、発言されたのは一昨日が新人議員さん、昨日が維新の会議員団団長さんです。)

 実際にタウンミーティングに参加された結さんにお伺いしたいのですが、維新の会の議員さんはタウンミーティングでの市民の意見を集約してマニフェストを作ると言ってますが、タウンミーティングの場で、実際に参加した市民に対して、どのようなことを30万人規模の都区にしてもらいたいか、とか、どんなサービスが必要ですかとかの意見を聞いたりしていたのでしょうか。この前の結さんのブログでのご報告ではそのようなことはされてないように感じたのですが。

 一方で、詳細は統一地方選挙後に、市の職員の知識と経験をお借りして作りたいとも言ってました。これについては、何度も各会派から繰り返し問われたのですが、その都度、何度も繰り返して答弁するが詳細は市の職員の知恵を借りると答弁されていました。
 結局のところ、市民の意見の集約といってもそこに具体的な業務の分担の案があるわけでもなく、かといって自ら案を考えるのでもなく、具体的な内容は市の職員に作ってもらうというのが本音のようです。

 財政総務委員会の中で、例えば一例として現在大阪市で稼動している各種の業務システムについての質問に、市の担当者からは、財務会計や国保・年金、住民基本台帳ネットワークなど、9つの基幹システムを含め、全体で154のシステムが現在稼動中で、平成22年度予算で総額149億円の経費がかかっている。9つの都区ができた場合はそれぞれのシステムについて、各都区に9セット、全体を総括するのに1セットの合計10セットを新たに創設しなければならず、また、新システムに完全に移行するまでの間は府(=都)と各都区を並存していく(これは、元の市役所にあった旧システムと、新たに各都区におかれる新システムのことかと)必要があるので膨大なコストと時間がかかるとの見解が示されました。常識的にごく当たり前なことを答弁されたと思いますが、これに対して維新の会の議員さんは、自分たちを批判されたと感じたのか、今答弁した職員には力を借りようとは思わないなどと発言していました。

 いずれにせよ、詳細な制度設計は今の維新の会の議員さんがたには到底作ることはできず、橋下さんが言うように「我々政治家がすることは大きな方向性を示すこと」、でこのまま選挙を戦うつもりとしか言いようがありません。新人の公認候補の方も、当然その埒内でしか自分の意見もないのでしょう。
 あの民主政権ですら、去年の政権交代前のマニフェストでは高速道路無料化とか子供手当てとかの主要政策について、いくらいくらの経費がかかり、財源は事業仕分けでいくらいくらを捻出してまかなうと言ってました。実現するかしないかは別としても(かといって実現できそうもないことをさもできるかのように言って有権者を騙すことはしてほしくないのですが)、最低限これぐらいのおおまかなアウトラインぐらいは示すべきだと思います。それすらも示さないでそれが「有権者のレベル」と言い切る政治姿勢に我々有権者はもっと反発するべきだと思います。

 ところで、昨日の財政総務委員会の質疑の中で共産党の下田議員が、都区への財政調整についてご自身でされた試算を披露されました。これについては改めてご紹介したいと思います。
Posted by bafuken at 2010年11月07日 02:57
戸田忠史さんへ

 コメントをいただき、ありがとうございます。
 橋下知事や維新の会のみなさんは、スローガンだけで選挙に勝ってしまえば、あとは何とでもなるとお考えのように見えますが、そのようなことで、自分の住む自治体を叩き潰すような権力を、任せたいとは思えません。
 明確なプランって、選挙後に市の役人に作らせるということは、当面、出てきそうにないです。1月のマニフェストに情報を期待して、維新の会のHPのようなものだったら、イヤですし。

 イメージだけでなく、冷静な気持ちで、大阪都構想について、現状の状況も含めて、メディアや府民・市民の間で、語られていくようになることを、切に願っています。

bafukenさんへ

 タウンミーティングについてお尋ねの件ですが、来場者とのやり取りは、最後の質疑の部分のみです。あの記事では、5回の質疑があったように見えますが、質問者は2名で、最初の質問者が最初の問いを、残りの問いは、次の質問者が全て行いました。
 まあ、橋下知事はせいぜい煽って、会場から拍手を受けていましたから、それをもって、「市民から大いに賛同を得た。」と強弁されるのではないでしょうか。まあ、場の流れがありますから、拍手くらいみんなしますよ。わたしもしましたから。

 はぁ、市議会の議論では、大阪都構想の具体像を示そうとしないどころか、作ろうとする気配もなしですか。市の役人さんから費用の指摘があったのなら、「よき指摘をありがとう。」という程度の度量は、せめて示して欲しいですね。

 ところで、いやな想像をしてしまったのですが、大阪維新の会の議員さんで、都構想のような具体的な政策立案を自らされたことのある方って、どれくらいいらっしゃるんでしょうか。
 もしかして、政策立案というのは役人がするもので、議員はそこに注文だけつけておけばいいと思ってらっしゃる方ばかりということはないですよね。
 マンパワー以前の問題として、政策立案できるメンバーがまともにいないから、具体案に踏み込まないのだとしたら、あまりに考えたくない状況に思います。
Posted by 結 at 2010年11月08日 02:58