2010年10月28日

大阪都構想なら、都区の財政格差は全く生じないと断言したはずでは・・・

 報道記事での橋下知事の発言への突っ込みです。

 大阪都構想の財源調整について、大阪府議会での橋下知事に対する質疑が記事として紹介されていました。
 http://mytown.asahi.com/areanews/osaka/OSK201010250221.html

 内容としては、大阪都構想の都制度の下で、どのような財政調整の仕組みを作るのかを問われた橋下知事の答弁です。
○複雑な地方交付税制度を例に挙げ「総務省はものすごく複雑怪奇な仕組みをうまいこと作っている。実際それをやっているんだから、都制度の財政調整なんて『へのカッパ』」と強調した。
○知事が想定する詳細な制度設計の内容は「新しい制度をやるときに、どこまで詳細にやるのかは限界がある」とかわし、「制度設計は行政マンの知恵(が必要)」と訴えた。

 つまりは、まだ何も説明できるようなことは、考えられていないということですね。

 この件についての発言の経過を確認しておきましょう。
8月28日 橋下知事は、大阪都構想と並行して、大阪市分市案を提案し、「都制度にはこだわらない。市の分割であれば、国の交付税制度で財政調整もできる」と語りました。
http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/h_osaka/20100829-OYO8T00271.htm

9月9日 橋下知事と平松市長の意見交換会の中で、大阪市分市案では大きな区間格差が問題と指摘する平松市長に対して、橋下知事は「ですからこれも、いざとなれば、大阪市がやらなくても交付税という制度で財政調整を図られるんです。もう自動的に市に・・・。」と語りました。

10月10日 「大阪市分市案では、区間格差が大きく、9市のうち7市が赤字、そのうち5市が財政破綻する」と大阪市から発表されたのち、財源調整の考え方について約1週間迷走したのち、大阪市分市案の撤回を発表し、橋下知事は「(自治体間の格差を埋めるために)結局、財政調整機能が必要ならば、分かりやすい制度の方がいい」と語った。
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/101011/lcl1010110043000-n1.htm

10月12日毎日放送ちちんぷいぷいの取材に対して、橋下知事は、「分市の場合には、新しい財政調整の仕組みが必要になりますけども、都構想の場合には、大阪市役所が今やってる財政調整のやり方を「都」がやるんで、まったく財政格差が生じないっていうことをはっきり打ち出すために、まあ、ちょっと、議論の過程をオープンに出したんですけどもね。」と語った。

それでもって、10月25日に府議会で、大阪都構想の下での財政調整について問われて、「制度設計は行政マンの知恵(が必要)」と回答。具体案はなかったことを明らかにした訳です。

 10月12日のTV放送を見る限り、橋下知事は、自信満々に「大阪市役所が今やってる財政調整のやり方を「都」がやるんで、まったく財政格差が生じない。」と明言されていた訳ですが、大阪市分市案でも区間格差は交付税制度で財源調整されるから問題はないと明言されていた時と同様に、具体的なものはなかった訳ですね。

 橋下知事は、大阪都構想で、とってもカッコいいスローガンを自信満々に語ります。でも、具体的なことは、ほとんど語りません。
 いったい、何を信じろというのでしょうか。
posted by 結 at 04:52| Comment(8) | その他 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
結さんの調査、分析に、感動しました。
橋下知事の説明がぶれていること、中身がないこと、よくわかりました。
本当、メディアが怠慢なのはこのような指摘をしないで、知事の発言、コメントを垂れ流していることです。

なのに、27日の朝日新聞朝刊では、知事は、説明不足との批判を受けているのはメディアの怠慢が原因と、逆切れ状態です。
結さん、もっと発信してください。
Posted by minato at 2010年10月28日 10:05
今朝の朝日新聞に
「府民の感覚違う」という見出しで記事があり、
橋下知事は、「僕は、一部の有識者や専門家、メディアの皆さんに説明するための説明をやるつもりはありません」
「一般の有権者が必要な情報レベル、一般の有権者が判断に必要なレベルというところを考えて、きちんと説明していきたいなあと思っています」と、
完全に「あほ府民」と見下している。
「分からんのに賛成する、あほ府民」には、この程度の政策説明で十分と思っていたら、痛い目に逢うことを知らしめないと。
それこそメディアの怠慢。
朝日は頑張ってるけど、この見出し、ちょっと弱いな!
読売は、知事側近から情報貰ってるから、強く書けないらしいし、テレビもニュースにできる絵とコメント欲しいから、今後どうするのかな?
Posted by 北本均 at 2010年10月28日 12:37
minatoさんへ

 橋下知事が自信満々に語られているようで、はったりやイメージだけで発言されてる場合がないかが、気になります。
 メディアが知事の発言を垂れ流すのは、仕方ないとして、バランスを取る姿勢はもう少し、持ってもらいたいな。
 その点で、朝日新聞の最近の記事は、少し姿勢を変えてきたのかなと、期待してます。

 ちなみに、朝日27日の記事の橋下知事が、「毎日放送の石田英司氏に『メディアとして怠慢』との批判を繰り返している。」の内容をご存じの方がいたら、ぜひ、教えてください。
http://mytown.asahi.com/osaka/news.php?k_id=28000001010270003

北本均さんへ

 朝日新聞は、かなり頑張ってくれてると思います。多分、知事側から報道姿勢の批判を受けたりするでしょうから、朝日新聞の記事に賛同できる人は、小さな声でも賛同しなきゃですね。

 橋下知事の「一般の有権者が必要な情報レベル」という発言も、随分と府民・市民をなめてると思います。
 でも、それ以上に問題と思うのは、橋下知事と大阪維新の会が、大阪都構想について、第三者の検証を受けることを頑なに拒否してるように思えること。
 「知りたい人はタウンミーティングへ」と強調するのも、効果的にアジれるのもひとつでしょうけど、府民への大阪都構想についての情報提供を、全て自分たちで管理して、第三者による検証を受けたくないというように見えます。マスコミが、どこまで第三者になれるかはあっても、大衆論議って、マスコミかネットしかない訳で。
 そんな姿勢で、「明治以来の大改革」なんて言われてもなぁと思います。
Posted by 結 at 2010年10月29日 04:32
一連の動きを見ていると、橋下氏と維新の会が現時点で決めているのは大阪市の解体だけのように受け取れます。
前エントリでbafukenさんが指摘されていた堺市や周辺9市の問題にしてもいまだ流動的なんでしょう(都構想メンバーとなる市の「入れ替え」なんかもあると思います)。
基礎自治体や広域自治体の定義ひとつ自分たちの言葉で語れないという体たらくで一体どうするつもりなんでしょうかね。
そのうち彼らは、
「第一段階としてまずは大阪市域に東京23区と全く同じ特別区制度を導入する。
基礎自治体と広域自治体への移行は第二段階で行う」
などと平気で言い出すかもしれません。
ここまでくるともう何がなんだかわかりませんけどね。

知事も維新の会ももう大阪都構想などといわないで、大阪市解体とはっきり宣言したらどうかと思います。
この場合、いわば野次馬の立場となる大阪市外の府民を議論の対象から外してしまい、知事と維新の会が丸腰で大阪市民のみと向き合うようにすべきですが。
そこまでする根性は彼らにあるのかどうかわかりませんけど。

そもそも今の大阪都構想にしろ、構想域外の府民の意見はシャットアウトするのが筋だと思いますよ。
都構想域外の住民が議論の輪に加わりたければ、その前に自分の住む市町村を大阪都構想に入れろという運動を起こせよ、ということです。
野次馬のままで賛成意見など述べられたら、たまったものではないでしょうに。
こういうことも知事サイドもマスコミも全く無頓着なのがまずおかしいですよ。
Posted by どんごろす at 2010年10月30日 00:14
 大阪都構想は、府知事や府庁のあり方も変えるはずなので、一応都区域に入らない府民も無関係ではありません。ですから、府民が賛否をいうのは、おかしいことではありません。
 それでも、どこかの市長のように、「大阪都構想には賛成だが、大阪市と大阪府だけで作ればいい。」というような、大阪市民に対して全く無責任な発言をされると、さすがにムッとしますが。
 また、府議会だけでなく、大阪市議会の過半数の獲得を目指しているので、手続きとしても不当ではありません。それでも、知事の立場にある方が、相手自治体の賛同も得ないまま、府下自治体の分割・解体を働きかけるというのは、法的にはともかく政治的にはバツでしょう。橋下知事が、関西広域連合に参加しない奈良県庁を飛ばして、奈良県民に対して参加するように呼びかけた暴挙と同様に。

 大阪都構想についての橋下知事のやり方は、小手先の手続き論で語るべきではないと思っています。
 自治体間の再編を、相手自治体との交渉を重ねるのではなく、知事の人気だけで、強引に干渉しようとするやり方が、根本的に問題があると思っています。
Posted by 結 at 2010年10月30日 02:29
維新の候補者も同じで、
ブログにコメントしても都合の悪いのはすぐ抹消する人がおる
自分に都合の良いことだけ、宣伝する、知事や幹部と同じ、本当に信用できない

今、メディアが、橋下知事の選挙に関わった議員で、
維新から刺客を出された人からコメント取ってるらしい

みんな、一度も知事から維新入りを勧誘されなかった
この裏を探る特集もあれば面白いのに
そして、維新の幹部に、橋下選挙を反対し、一度も応援をしなかった議員もいることが判明‥

さらに問題は、府職員に、知事が候補者になるよう勧誘している事実が明らかになる
これは、全国レベルのスクープになりそう
すでに、公認決定された人には?
Posted by 石木章 at 2010年10月30日 22:03
 最近、結さんのブログにコメントを書き込む方が増え、頼もしく感じています。結さんがこれまで長きにわたり、ものすごくひたむきで、かつ真摯な姿勢で積み重ねてきた努力に共感される方がこんなにおられる。とても正常な、健全な民主主義の萌芽なのかなあと思います。大阪維新の会の政治姿勢とは真逆。ほんとに、もっともっとたくさんの人に知ってもらいたい気持ちです。
 
 さてさて、先日、大阪府議会で議員定数削減条例が否決されました。現行の112を88にする案です。人口10万人あたり議員1人という、機械的に数字を減らしただけのあまりにも乱暴な案で、1票の格差が2.29倍から3.0倍に拡大するというシロモノ。まあ、否決されて当然なのですが、大阪市会でも、現在、現行の89をほぼ半減の45に削減する議員定数削減条例が継続審査中です。こちらも3倍ほどひどくはありませんが、格差は拡大するものとなっており、いずれも維新の会は、格差が拡大したとしても定数を削減することの方が優先されるという意味不明の説明をしています。
 維新の会の現職の府会議員・市会議員と、新人の第1次公認候補の数を足すと、府会88、市会45のちょうど過半数となっており(現在はその後の辞退者や新たに加わった現職などがあり若干異動)、そもそも彼らがめざす「大阪府会・市会で過半数を取りに行く」ために出した、本末転倒な削減案だったのではないかと見ています。
 それで言うと、堺市議会でも同様の定数削減条例を出していなければ辻褄が合いませんよね。当初の都構想の案では(現在は堺市をどうするかはもはや怪しくなってきていますが)、堺市も3つの特別区に再編することになってたはずで、堺市議会でも過半数とって議決しなきゃならないのに。ちなみに堺市議会での現職と新人公認の合計は13人ですから、府会・市会の例に倣うと堺市議会の定数は現行の52から25に削減する条例案を出してなきゃいけなかったのでは?と思うわけです。さすがに半減以下にする案なんて、あまりにもおふざけが過ぎると自粛したのかも。
 
 こんな揚げ足取る話ばかりしてても詮無いことはわかってるんだけど、あまりにも維新の会の言ってる事とやってることが支離滅裂なんで、こんなことも言いたくなるわけです。定数条例の件だけに限ったことではないのですが、橋下さんはともかくとして、経験も実績もある現職の府会・市会議員の方々がなぜ会の中で自己矛盾を指摘して是正しようとしないのかがわかりません。自らの信念なぞは一時棚上げして、代表の勢いに乗って選挙を勝ちに行くと一旦腹を決めたからには些細なことにはかまってられない。とにかく勢いに乗り続け、走り続けていくしかないというような気持ちなのでしょうかね。

 少々このエントリのもとネタとは違うことでコメントしてしまいました。失礼。
Posted by bafuken at 2010年10月31日 00:55
石木章さんへ

 コメントありがとうございます。
 ブログの管理は管理者が一身に負うものですから、わたしもこのブログでコメントの削除などが、必要であれば行います。(まだ、やったことはありませんが。)
 でも、ブログのコメント削除やアクセス禁止などによる管理手法は、管理人の姿勢・態度を問われるものだけに、少なくとも公けの議員へ向けた活動をされている方が、狭量に映る対応をされているなら、かなしいことに思います。
 なお、このブログは、橋下知事・大阪維新の会が示される政策や公けの発言を中心に、お話をしたいと思っています。ご協力をいただければ、幸いです。

bafukenさんへ

 府議会と大阪市議会での大阪維新の会による議員定数削減の動きは、大変不可解なものと思っています。現状、可決される可能性はないので、単なる改革アピールとしか映らないのです。
 それでも本気だとして考えると、維新の会は、票割とかができないので、大阪市議選の定数2〜6というのは、非常に戦いにくいはずなのです。知事の人気に乗って当選と過半数取りを目指すなら、定数1〜2が有利。そんな思惑しか見えてきません。
 それにしても、市政への市民の意見反映のために市の分割が必要というなら、市議はもっと多く選出する必要があるとなるはずですが、この矛盾を指摘する声って、あまりありませんね。
 維新の会の現職の府議さんや市議さんは、定数削減についていえば、反対しないはず。定数が減って知事の応援を受けられる方が当選の可能性が上がりますから。維新の会から、同じ選挙区にふたり目を立てられる方が絶対にイヤでしょう。

 それにしても、本気で大阪都構想を目指すなら、都区移行に向けた市の業務の整理とか、職員のリストラ準備とか、やることはいくらでもありそうですが、可決されても1期でなくなる市議会の定数削減とか、いつでもできる外郭団体整理とか、あまり大阪都構想に必要のなさそうなことばかりやってますね。
Posted by 結 at 2010年10月31日 05:46