2010年10月23日

大阪都構想を成長戦略というのなら

 まだ、大阪府自治制度研究会の報告書や議事録は、拾い読みした程度なので、こういうの書くのは早いのですが、前回の記事を書いて、思わずつぶやきたくなったことです。

 大阪維新の会は、大阪都構想を都市の経済成長を促がす成長戦略だといいます。
 大阪府自治制度研究会では、大阪府の経済成長を阻んでいるのが大都市制度の所為かはよく分からなし、(現状の大都市制度を変えて)政策的な協調を打ち出すと大阪府の経済が本当に成長するのかも分からないけど、対策に努力する意味でやった方がマシといった話にも聞こえます。

 大阪都構想は、いろいろ現行の行政サービスを危うくするかもしれないし、分かり易い話として、移行経費に、数百億円とか数千億円とかかかるはず。
 仮に大阪都移行に1000億円かかるとして、成長戦略というならば、大都市制度に問題ありきの議論ではなく、何をするのが一番の成長戦略となるのか、十分な成功の可能性があるのか、深く精緻な議論をして欲しいものです。

 1000億円の移行経費を掛けて、大阪都へ移行したとしても、単なる自治体間の組織改変なので、それ自体は、何も生み出さないのですから。景気刺激の公共事業は、費用に見合ったものかはともかく、道路なり、施設なり、景気刺激に失敗しても、社会資本が残りますが、成長戦略として大阪都構想を行い、経済成長できなかったら、何も残りません。1000億円の移行経費をどぶに捨てるのと同じになってしまいます。

 橋下知事とすれば、経済成長に失敗しても、大阪市の権限や財源、資産を大阪府へ飲み込めるので、別に構わないのかもしれませんが、府民・市民にとっては、多額の移行経費を浪費するだけなのですから、たまったものではありません。

 しかも、世界も経済情勢も大きく動く大切な時期でありながら、大阪都構想は、大阪都へ移行して初めて成長戦略に取り掛かるというプランですから、大阪都移行までの数年間(5〜6年?)、実質的な成長政策はストップしてしまうことになります。

 時間的なロスも考えるなら、平松市長の呼びかける府市協調を実質なものにするために、時間、人員、予算を投入した方が、よほどマシなようにも思えてしまいます。

追記
 大阪維新の会HPの文章からも、大阪都構想が成長戦略という議論は、大阪都構想で住民サービスがどのように変わるかといった議論を避けるために、ことさら強調しているように感じます。
 面倒がらず、「大阪都構想で住民サービスがどのように変わるか。」を真面目に説明した方がいいと思うのですが。


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posted by 結 at 15:25| Comment(3) | 概要 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 大阪維新の会のHP、「大阪都構想について」を何遍読んでも中身の無い、わけのわからない文章としか言いようがないです。要は、上山さんの著書、府の自治制度研究会の中間とりまとめを読んだらわかる。タウンミーティングに来て橋下さんのアジ演説を聴け。これを書いてる人の自分の言葉が何処にもない。何ひとつ説明していない。広域行政の一本化で税収が上がるって、ものすごく短絡的に結論だけ言っちゃってますが、そのプロセスについて何ひとつ具体的な説明をしてません。
 例えば、空港、港湾、高速道路、鉄道のインフラを整備すると言ってますが、空港って、何をするの?関空に3本目の滑走路でも造るの?港湾って何するの?この間、大阪港・神戸港が連携して阪神港として国のスーパー戦略コンテナ港湾の指定受けたけど、それを御破算にして何かするの?高速道路って、淀川左岸延伸のこと?5千億円かけて、市街地のど真ん中の地下40mに穴掘って高速造るの?鉄道って、物理構造的に軌道方式の違う地下鉄と私鉄を無理矢理に相互直通させたいの?何処と何処をつなぎたいの?・・・で、何年間でいくら投資して、雇用効果はどれぐらいで、大阪府全体のGDPを上げるって言ってるけど、それが市民の暮らしにどう跳ね返ってくるの?財源はどうするの?借金頼り、増税頼り、国の交付税頼りにならないって言ってるけど、どうやってお金を工面するの?大阪市から巻き上げる45%で全部まかなうつもり?財源巻き上げられた元大阪市民の暮らしはどうなるの、広域インフラ整備の経済効果が現れる20年後まで我慢しろとでも言うの?
 何ひとつ具体性のない、こんな説明で、これで必要にして十分とは、よくもまあ市民をなめてくれるなぁという感想です。「住民生活をどう変わるかを詳細に論じるよりも、所得を上げる方策を打ち出せば十分なはずです。」なんて、その方策を少しも述べてないじゃないですか。これが維新の会の政治姿勢そのものですよ。住民サービスがどう変わるかという本当に市民が心配していることを極力考えさせないままに、大言壮語の広域一本化と区長公選制でなんとなく有権者を騙して票を入れさせる。誠実さのひとかけらも感じ取れない。
 ところで、いつの間にか再編するのは大阪市だけになってますね。堺市を3つの特別区にというのも、周辺9市を特別区にというのも、もう言ってない。45%巻き上げるならちょっとでも多いほうがいいのにね。このことだけでも、言ってることがいかに裏打ちのない、口からでまかせであるかがわかるような気がします。朝日新聞も、もっと突っ込んで言ってほしかったなあ。
 すいません。今回はちょっと興奮してあまり考えずにあれこれ羅列してしまいました。有権者が落ち着いてあの文章読めば、いかに馬鹿にされてるかがわかると思うんですが、タウンミーティングを聴きに来いというのは、その現場では、橋下さんのうまいアジ演説で半ば催眠商法的に市民を絡め捕ることができるのでしょう。実際に選挙で票を入れてもらうのは維新の会の市議・府議と新人候補の皆さんです。誰かの受け売りや他人のふんどしではない、自分のことばで、誠実・真摯に政策を語ってもらいたいと思うのですが。
Posted by bafuken at 2010年10月26日 02:22
成長戦略どころか、大阪都構想こそが大阪(大阪府も大阪市も全てひっくるめた大阪府全域)の敗北宣言だと私は思います。
一見積極的姿勢にはみえますが、結局は法改正頼みというかたちで国政に自らの運命を委ねてしまうわけですから。
いくら国を動かそうとしても、国政は大阪のためだけに存在するのではありません。
社会情勢の変化、あるいは政権の動きによってはずっと無視されるかもしれません。
そんな不確かなものを推し進めるのなら、今の行政システムのなかで大阪府ができることをすべきでしょう。
都構想の中身自体も大阪内部の都合を、しかも主観的に述べているに過ぎず、日本全体に共通する普遍的なものになっていませんし、今後もそうなりそうな流れではなさそうですね。
大阪の都合だけで国政が動くような不公平なことは許してはもらえません。
今は他県民となってしまった大阪府出身者としては、橋下氏の主張はただの身勝手としかうつりません。
同時に、ここでいろいろ批判があがっているように、都構想自体にも「穴」が多いことも、元府民であるがゆえにもちろん理解しています。
Posted by どんごろす at 2010年10月26日 23:20
大阪維新の会のHP「大阪都構想について」を読んで、興奮されてる気持ちは分かります。わたしも、この辺りの記事を書くのに、じっくりと読んで激怒しましたから。
ただ、あの文章は、大阪都構想の説明は、上山氏の著作などで必要十分だと言ってるだけなので、概要としての説明の不備を指摘しても意味はありません。あくまで「概要」ですから。
ただ、読めとして挙げた資料に、多分、あの概要を裏付けられる説明があるのかは、疑問に思ってます。もしなければ、あの文章は「嘘っぱち」です。
自分が提案をしたことに、必要な説明をしないのに、対話の相手には、無理な要求ばかり行うような人たちを、なぜ信用する人がいるのか、疑問に思います。

どんごろすさんへ

わたしも、橋下知事が大阪都構想を推進する姿勢や手法は、身勝手なところが多々あると感じています。
でも、法改正が不可能だと思っていたら、こんなブログを作って、真面目に考えていたりしません。
地域の要望として、特別法の制定を求めることは何もおかしくありませんし、そういった法律はいくらもあります。
総務省が、知事の勝手な要望をそのまま受け入れるとは思いませんが、関係する自治体がすべて賛成の決議を行っていて、総務省の方針と大きく外れていないなら、特別法なり、地方自治法の改正は、ハードルは高くても、あり得ないとはいえません。
ですから、大阪都構想の法制化があり得ないことなんて思わずに、自分の判断をしっかりしなければならないのだと思っています。
Posted by 結 at 2010年10月27日 03:51