2010年10月23日

大阪維新の会「大阪都構想について」を読んで(その2)

 大阪維新の会HPの「大阪都構想について」を読んでの感想。2回目です。
 今回は、後半部分の「大阪都構想の概要」部分です。この後半部分の大阪都構想の概要は、大阪府自治制度研究会の資料などを読めば、大阪維新の会からの大阪都構想に関する政策説明は、必要にして十分としただが、あえて概要を記す。としたものです。
 なお、原文を先にお読みになっていただくことを推奨します。(この記事と原文をウインドウふたつ並べられるのが理想です。)
 大阪維新の会「大阪都構想について」


 まず、広域行政の一元化についてですが、無駄を省くとか、効率的な行政というよりも、大阪府下の広域行政を一本化し、広域行政の財源をひとつにして、グランドデザインのもとに集中投資する。そうして、大阪府を経済成長させることで、世界の都市間競争に打ち勝てる都市にするということのようです。
 大阪府が経済成長すれば、景気対策としても、雇用対策としても、万々歳。
 個別の行政サービスをどうするかという政策ではないが、経済成長し、所得が増え、市町村の税収も増えれば、住民の生活も、行政サービスも向上すると繋げます。
 この概要の中では、「大阪都構想によって、大阪の成長が見込めるかどうか。」をこそ議論すべきとしています。そして、その議論は、大阪府自治制度研究会で深く精緻に議論されているということです。
 つまり、大阪都構想の妥当性についての議論の大元は、大阪府自治制度研究会での議論にあるということのようです。

 ちなみに大阪府自治制度研究会の議事録を見ていると、中間とりまとめを行った9月の研究会で、次のようなやり取りがあったようです。
(○○委員)・・・(略)・・・経済と大都市制度の因果関係ですが、初回にも同じ疑問を出したのですが、実証されていないからというきらいがある。大阪の大都市制度あるいは制度の運用のせいで、経済がうまくいかなかったというのは立証されてなくても、とにかく経済がうまくいっていないから、なにか対策が必要だというロジック、それはわかるのです。が、問題はそれを前提にして、何かを変えると成長がうまくいくのかという根拠は依然としてない。簡単に言えば、政策的な協調を打ち出すと、大阪の経済が本当に成長するのかという問題です。これは依然として理論的には解決していない問題ですね。これは国の成長戦略と同じですよね。成長戦略を打ち出したからって成長するとは限らない。まったくそのとおりで。この問題に限らず、全ての経済政策はそうだということであるが、なおここは部分的に弱いのではないか。・・・(略)・・・
(事務局)○○委員のご指摘の通り、一緒にやったからといって、成長が担保されるかというとそうではないのですが、有効な対策というかそういう努力をしてきたのかという視点では、今の府市の関係では十分ではないという視点です。

 確かに、大阪府自治制度研究会では、深く精緻な議論をしているかもしれませんが、それが「大阪都構想を実現すれば、大いに経済成長することが見込まれる。」という、確かな結論を出したといえるかは、議事録も含めて内容をよく読まなければならないようです。


 次に、区長公選制ですが、大阪市内に8から9人の公選の首長(都区の区長のこと)を置くことは、その仕組み自体が住民にとってメリットで、具体の住民サービスがどうなるかではなく、公選の首長を置くことこそ、第一の目標にすべきとしています。
 その理由としては、大阪市内の区が大規模な市に匹敵すること。区が、実情に合わせて、住民サービスを選択できること。区長公選制になれば、区長は他の区と競って、良い行政を取り入れようとすることなどを、挙げています。

 大まかには、今まで橋下知事から語られていたことと同じです。
 でも、「仕組み自体が住民にとってメリットで、具体の住民サービスがどうなるかではなく、公選の首長を置くことこそ、第一の目標にすべき」というのは、かなり極端な議論のようにも思えます。まあ、住民サービスが悪くなるなんて、想定もしてないからでしょうけれど。
 これまでの文脈からいうと、大阪府自治制度研究会の報告書に、この点も説明されているはずなので、よく読まないといけないのかな。

 もうひとつ、区長公選制で、区長が他の区と競って良い行政を取り入れるという話には、少し疑問な点もありますので、その点は、次回の話題としたいと思います。

 いずれにしても、大阪都構想について知りたければ、大阪府自治制度研究会の報告書などを読め。それで、必要にして十分だ。ということのようなので、少し時間を掛けながらでも、読んでいきたいと思います。
 少し時間がかかると思いますが、読めたら、また、記事にしたいなと思っています。


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posted by 結 at 03:39| Comment(0) | 概要 | 更新情報をチェックする
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