2010年10月20日

大阪維新の会「大阪都構想について」を読んで(その1)

 大阪維新の会のHPに、「大阪都構想の中身が見えない」などの声に答えるものとして、「大阪都構想について」が発表されました。
 これを読んだ感想と、前回わたしが知りたいこととした、大阪市民の「自分の身の回りの行政サービスが、今より悪くなってしまわないか?」について確認ができるか、見ていきたいと思います。「大阪都構想の概要」部分を除いた、前半の本文の部分です。
 なお、原文を先にお読みになっていただくことを推奨します。(この記事と原文をウインドウふたつ並べられるのが理想です。)
 大阪維新の会「大阪都構想について」

 では、感想です。
 まず、この「大阪都構想について」が、誰に対しての文章なのかを考えます。
 文頭に、「マスメディア等から『大阪都構想の中身が見えない』、『大阪都構想で住民サービスがどうなるのかの説明がない』等のコメントがしばしばなされていますので、その点についてお答え致します。」とされています。
 文章を読ませる対象のひとつが、マスメディアであることは、明らかです。では、マスメディア「等」とされた、マスメディア以外の対象とは誰なのでしょうか。

 タウンミーティングの項目の前段に、次の記述があります。
 「マスメディア等で『大阪都構想の中身が見えない』、『大阪都構想で住民サービスがどうなるのかの説明がない』等のコメントをされる方々は、こちらのタウンミーティングに足を運んでおられるのでしょうか? メディアで報じられていること、またコメンテーターが認識していることが全てではありません。」
 この文章は、一見、マスメディアを対象にしているように見えます。でも、後半の「メディアで報じられていること、またコメンテーターが認識していることが全てではありません。」は、どうみてもマスメディアの視聴者に向けられた言葉です。
 「タウンミーティングに足を運んでおられるのでしょうか?」と「メディアで〜全てではありません。」の対象は同じですから、この文章の対象は、マスメディアではなく「等」の方、つまり、マスメディアの視聴者=一般の府民のようです。

 「等」に一般の府民を当てると、先頭の文章から、「『大阪都構想の中身が見えない』、『大阪都構想で住民サービスがどうなるのかの説明がない』等のコメント」をする一般の府民が、この文章の対象になるのだと思います。わたしのようなひとは、真っ先に該当しそうですね。

 ちなみに、タウンミーティングの項目の後段には、「公約を示せ、政策を示せと言われる前に、まずはタウンミーティングの一つでも取材をして頂きたいと思います。」と、マスコミ向けの記述は、しっかり別にされています。

 次に気になった点としてですが、大阪維新の会の基本的な思想やこれからの具体的政治指針、政治方針として、上山信一著「大阪維新」と大阪府自治制度研究会が発表した「大阪にふさわしい新たな大都市制度を目指して」の「中間とりまとめ」が挙げられています。
 こういったものを参考にされるのは、ともかく、政党の基本方針なのですから、借り物の言葉ではなく、自らの言葉で一言一句に責任を持てるものとして、出されるものではないのかなぁと思ってしまいます。
 特に、大阪府自治制度研究会の「大阪にふさわしい新たな大都市制度を目指して」は、中間取りまとめです。今後、最終報告が出された時には、政治方針が塗り変わるのでしょうか。それとも、「中間とりまとめ」こそが政治方針なのでしょうか。なんか、よく分かりません。

 それでもって、肝心の「大阪都構想の中身が見えない」、「大阪都構想で住民サービスがどうなるのかの説明がない」等の答えです。
 結局、それらについての答えは、上山信一著「大阪維新」、大阪府自治制度研究会の資料を読み、タウンミーティングで橋下代表の話を聞けということのようです。それが、大阪維新の会の「大阪都構想に関する政策の説明」として、必要にして十分なお答えだとのことです。

 しかも、大阪維新の会の政治方針の時には、大阪府自治制度研究会が発表した「大阪にふさわしい新たな大都市制度を目指して」の「中間とりまとめ」を挙げていましたが、大阪都構想についての説明は、「大阪府自治制度研究会の資料」。こういう、資料名などを特定せず、何とでも取れたり、後から対象を変えてしまったりできるようにするのって、結構ずるい手法に思えるのです。

 これが、大阪維新の会へ、大阪都構想について説明を求める声に対する、責任を持ったお答えなのだそうです。
 大阪都構想って何だろうって思った人に、あれこれ読めとしてますが、支持者の人にこれらの資料全部読んでもらってるのは、デフォルトですよね。

 追記
 なお、この記事についての批判的なコメントは、このブログのすべての記事を熟読の上で、お願いします・・・・じゃなくって。
 冗談です。そんな失礼なこと、言ったりしません。その程度の常識は、ただの一市民ですがわきまえているつもりです。


・・・もし、この記事を気に入っていただけましたら、目次から、他の記事もどうぞ。
   大まかに大阪都構想のことを知りたい方は、まとめブログをご覧ください。

posted by 結 at 03:35| Comment(8) | 概要 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
維新の会の政策責任者は、いつもメディア、特に新聞の書き具合を気にされているようです。説明不十分との指摘をうけるのは、メディアが悪いとの主張です。
これは、有権者にわかりやすく説明するのが、提案者の責任であるのに、逃げておられるように感じます。
朝日新聞の世論調査では、知事の都構想について、説明が十分でないと答えた方が7割近くいるのですから、提案者は責任を果たすべきです。
選挙の争点とし、政治闘争をすると、啖呵を切ったのは、維新の会なのですから、争点を明確にしないと卑怯です。
しかし、どなたかのツィッターで、「よくわからないのに賛成する、あほ府民」というのがありました。このように言われるようにしているのは、維新の会と橋下知事です。
でも、はじめから、有権者は、あほ府民だと思って、戦略を立てているのかもしれません。
特に、知事の言う、統一選挙後、過半数を取ってから具体案を作るというコメントは、あほ以外は、白紙委任状を出せと言われているのに気づくはずですから。
あのコメントに、メディアも府民も反応しなかったのですから、知事は、あほを相手にマインドコントロールしているつもりでいると思います。
このサイトで、マインドコントロールから解放してあげてください。
Posted by minato at 2010年10月20日 16:21
知事は民主党に対し、「自分たちと考え方が違う首長は全部つぶしにかかる超中央集権的な考え方」と批判しているようですが、
知事こそ、「自分たちと考え方が違う議員は、全部つぶしにかかる超独裁主義的な考え方」だと思います。
なぜ、メディアは指摘しないのでしょうか?
これまでメディアは、権力者の発言に対し、一般市民から賛成と反対の両者の意見を聞き、同時に報道することで視聴者に考える機会を与えていたのに、今や知事のコメントの垂れ流し。
知事のコメントだけ報道していれば、経費も安くで済むという、安易な報道のあり方に、維新に疑問を持っている方こそ、批判的であるべきなのに、維新の政策責任者が、メディアに文句を言うなんて、責任転嫁もひどすぎます。
まったく、「あほ府民」と思っているのでしょうね、知事と維新の議員たちは。
Posted by 真の志士 at 2010年10月20日 23:49
 最近の新聞記事によると、橋下さんは府知事として都構想に言及したことは一切ないというようなことを議会で答弁しています。ところが、民主党の岡田さんに「都構想は精緻さを欠く」といわれた途端、大阪府自治制度研究会のリポートを読んでほしいと発言。研究会は府知事の諮問機関だったと思うけど、都構想への疑問に対する反論としてそれを持ち出すって、完全に府知事と代表の二重行政ならぬ二重人格の使い分けが段々破綻しつつあることの現れですよね。
 一方では、これはかなり以前から言ってたことですが、都構想の具体論は選挙に勝ってから、役人に考えさせる、僕ら政治家に細かい技術的なことはわかるわけがない、云々。はなから有権者に真摯に説明しようなどとは毛頭考えてない。有権者を馬鹿にしてるというか、甘く見ているというか、少なくとも深くものを考える人々とは見ていない。この姿勢はもっと批判されるべきだと思うし、我々有権者は、ちゃんとものを考えているということを彼らに思い知らさなければなりませんね。そのためにも、このブログ、もっとたくさんの人に見てもらえるようにしたいですね。
Posted by bafuken at 2010年10月21日 02:03
橋下のやっていることは、小泉総理の郵政民営化を争点とした手法に似て全く異なる。
小泉は、国会に法案を出し、否決されたから、選挙で決めようとした。
明確なプランがあり、国民に提示し、判断を仰いだ。
橋下は、明確なプランがないのに、大阪府民に判断を仰ごうとしている。
タレント知事ばかり選んだ大阪府民、あほ、と言われても仕方がない。

Posted by 菅北親父 at 2010年10月21日 11:08
初めて書かせて頂きます。
いつも、いろいろ勉強させて頂きありがとうございます。先日、堺市南区の大阪維新の会のタウンミーティングに参加しました。説明不足だとの指摘に対して、橋下知事は、これ以上の具体案は出さないと明言していたように記憶しています。
でも、特別区にする対象となる市の議会でも過半数を取らないと都構想は実現しないはずなのに、現在、大阪市と堺市の議員だけを過半数と言っておられるのですから、このふたつだけだと理解するのが自然ではないでしょうか?
教えていただければ幸いです。
Posted by 北本均 at 2010年10月21日 11:59
>あのコメントに、メディアも府民も反論しなかった

minatoさんの意見にこうありますが、メディアはともかく、府民からの反論はあるでしょう。
しかしながら、そういう反論をまたメディアもとりあげようとしていません。

都構想に限らず、今まで橋下氏への反論として各種メディアがとりあげるのは、労組や大阪市関係者などいわば橋下氏と直接利害が対立する人たちのものが多いです。
あとは左翼系市民団体ですね。
それだけみれば、橋下氏に反対するのは役人と左翼だけという印象操作がなされてしまいます。
実際はそうではなく、保守派や無党派層にも反橋下派はあたりまえに存在しています。
大阪府のHPに寄せられる意見などをのぞいてみると、むしろ橋下支持派に右派左派とは別の独特の「色」を感じるのですが。
ここのHPの主旨からは少し外れてしまってすみません。
Posted by どんごろす at 2010年10月21日 13:03
こんにちわ。個人的には大阪都構想には否定的で、私の個人ブログ「道州制、日本と地域社会、山中鹿次の提言」で問題点を指摘しています。ただ10月30日に大阪市中央区区民センターで「大阪の未来、どのような大阪をめざすのか」ということで、フォーラムを開催します。詳しくはブログ記事で紹介しています。
 また507keitaiという名前でツイッターでも発言しているので、またご覧ください
Posted by 山中鹿次 at 2010年10月21日 22:32
 みなさま、コメント大変ありがとうございます。たくさん、いただいてしまって、びっくりしています。

minatoさんへ

 維新の会が、メディアを通じた説明を限定的に止めているのは、維新の会の意図通りの情報発信ができないことを、避けているのだと思います。だから、テレビより新聞を避け、テレビも十分に時間を取り、意図通りの発言ができる環境を整えて、取材ではなく、知事が自分で発言されています。知りたければ、タウンミーティングへ来てくださいというのは、その最たるもので、情報発信は、完全に自分の管理下に置いて行うということですね。
 マスコミなど第三者による分析、解説、議論をさせないようにしているということだと思います。
 でも、こんな半端な情報発信を許しているのは、結局、府民・市民です。メディアも、府民・市民の反応を見ながら、対応しているだけのことです。
 賛成であれ、反対であれ、大阪都構想がどんなもので、どんな良い点、悪い点があるかを知って、選択することは、大切なことだと思います。
 「半端な説明じゃ、支持しないぞ。」そんな声を、府民・市民が上がるようになりたいです。

真の志士さんへ

 知事のあの発言は、呆れましたね。でも、あの発言をしても「お前はどうだ。」と言われない環境が、一番問題なのでしょうね。
 マスコミに中立報道を期待されているようですが、マスコミは、基本的に視聴者・購読者の期待する方向での報道しかしないのだと思っています。(多分、風が変わったら、知事も維新の会も袋叩きにされますよ。)
 単に風で賛成・反対をいうのではなく、府民・市民が自分たちに大切なことは、ちゃんと知ろうしなければならないのだと思います。でなければ、知事と維新の会に「あほ府民」扱いされても、仕方がないのでしょう。

bafukenさんへ

 知事と代表の混同を非難するつもりはありません。知事は職務を離れても、知事としての責任があるから、政治的に知事が言ってはいけないことは、代表の立場でも言ってもいけないと考えています。
 鳩山前首相が、党大会で小沢元幹事長に党首の立場で検察との対決を「頑張ってください。」と言ったことが問題になりましたよね。あれと同じことです。
 法的責任がないことが政治責任がないということでは、ないはずです。ここをすり返られて、みんな納得しているのが不思議です。政治責任は、警察が動く訳ではないので、追及されなければ、そのままですから。
 このブログは、少しでも見て欲しいと微力ながら思っています。でも、ネット検索の結果などを見ると、ブログの記事などでは、大阪都構想の説明をしないのはおかしいという声は、あまり見つかりません。いくつもの声を聞きながら判断する人が多いことを思うと、「大阪都構想のことをちゃんと聞きたい。維新の会のこの面での対応はおかしい。」そういう声が少しでも多く、広がることを願ってします。

菅北親父さんへ

大阪都構想のこと、完全にはまとまってなくても、もう少しは考えてあると思うのです。でも、それを説明して、具体的な議論になるより、スローガンだけ連呼している方が、票を集められると計算しているのでしょう。
今のところ、その判断を覆させる状況にはなっていません。
「きちんと知らせて判断させろ」「第三者の意見も聞かせろ」、そんな声を府民・市民自身が上げなければ、あほ府民扱いされても仕方がないのだと思います。

北本均さんへ

知事は、これ以上、具体案は出さないと明言されてましたか。なんとか、覆したいですね。
議会の過半数を目指すとしているのは、府議会、大阪・堺市議会ですね。その他の市についてということですが、元々影響が少ないので、予算配分や公共事業などで、有利な扱いを提示して支持を得るつもりかなというのが、ひとつ。7月のぷいぷいで、知事が第一段階は大阪市・堺市のみと発言されてたのが、もうひとつの解釈です。
http://miniosaka.seesaa.net/article/157663310.html
ただ、分市案撤回後の大阪都構想といってるものの都区域を、橋下知事や維新の会が説明しているのをわたしは聞いていないので、現在の都区域の案はよく分かりません。

とんごろすさんへ

メディアは、確かに対立構図を作りたがりますね。橋下知事も、そういったメディアの性質を上手に使ってると、いえます。
でも、まだ府民からの反論は、メディアが無視できるほどの大きさにしかなっていないのだと思います。
府民の意見を動かすのにメディアの力は大きいですが、メディアの姿勢を動かすのも、結局、府民の意見なのだと思います。

山中鹿次さんへ

ブログは、また見せていただきますね。
フォーラムへ出掛けるのは、ちょっと難しいですが、成功をお祈りしてます。
ツイッターでも、お会いできる機会があれば、どうぞ、よろしくお願いします。
Posted by 結 at 2010年10月22日 03:57