2010年10月17日

大阪都構想について知りたいと思うこと

 大阪維新の会のHPに政策「大阪都構想について」がアップされました。ざっと一読してみましたが、「内容が分からない。」「もっと、情報提供を。」という指摘に、かなり神経質になられているようです。

 「内容の分かる情報がない。」「府民・市民が判断を出来る大阪都構想の具体像の提示を。」というのは、このブログでも、繰り返し言ってきたことです。

 ただ、「よく分からない。」「具体像が見えない。」「説明責任が果たされていない。」といった言葉だけを投げつけることは、尋ねる側にとって安直で、尋ねられる側にとっては、辛いかもしれません。(それでも、政策・構想を府民・市民に提案をする以上、やるべきこととは思うのですが。)

 そこで、大阪維新の会の政策「大阪都構想について」を見ていく前に、まず、「わたしが大阪都構想について、何を知りたいと思っているのか。」「それを知りたいのは、何故なのか。」を、整理しておきたいと思います。


 大阪都構想について、どういうことが知りたいかは、ひとそれぞれかと思います。
 わたしが大阪都構想について、最も知りたいと思っていることは、「自分の身の回りの行政サービスが、今より悪くなってしまわないか?」です。

 産業政策がどうとか、都市計画がどうとか、そういうことが気にならない訳ではありませんが、「自分の身の回りの行政サービスが守られないかもしれない。」と比べたら、比較にはなりません。

 ただ、「自分の身の回りの行政サービス」とは、必ずしも、基礎自治体のサービスだけをいう訳ではありません。一般市では府県のサービスとされている、保健所や児童相談所などのサービスも、十分に「自分の身の回りの行政サービス」と考えます。府県でも市町村でもできるサービスで、橋下知事や大阪府の報告書が広域行政と位置付けるべきとしている、地下鉄や市民病院(総合医療センターだけかもしれませんが。)や図書館(中央図書館だけかもしれませんが。)も、十分に「自分の身の回りの行政サービス」です。
 そもそも、ずっと大阪市に住んでいるわたしにとって、浄水場や地下鉄は広域自治体がやるべきで、ゴミ処理や下水事業、水道事業の給水部分などは、身近な自治体(つまり、区役所。)が、やるべきという議論は、全然、理解ができないのです。

 なぜ、「自分の身の回りの行政サービスが、今より悪くなってしまわないか?」を気にするかというと、大阪都構想は、ひとつの自治体として機能している大阪市を8都区(8か、9かは置いておきます。)に分割するとしています。
 これによって、次のような点が危惧されます。
○大阪市の行政機構を壊してしまうことになりますが、同じ行政レベルが維持できるのでしょうか。(大阪市の基礎自治体の機能って、8分割しても、同じ行政レベル、同じ行政効率で機能するの?)
○市の単位が小さくなるということは、大阪市が今まで大いに享受してきたスケールメリットを失うことです。議員数が増えて、議会費が増えるなんて、そのごく一部に過ぎません。同じ行政サービスをするためのコストが上がるということは、予算が増えない限り、行政サービスは低下するということです。
○大阪市の業務の中には、下水道事業や市バス事業のように、8都区に分割して運営できないものがあります。また、大阪市は多数の行政システムを開発し、計算センターを設置してシステム運用を行ってしますが、こういった事務は、8都区に分割すると、とても非効率です。
 そのため、今まで大阪市で一元的に行っていた業務を8都区の共同事業として、運用するものが多数発生します。これは、大阪都構想が広域行政に一元化を求めたことと、完全に矛盾することです。
 これまで、大阪市の下で一元的に行われてきた事務・事業が、8都区の共同事業となることは、意思決定の一元化を失い、業務の見直しが進みにくかったり、責任体制が明確でなくなったり、長期的には、様々な問題が想定されます。こういったことは、行政サービスの低下と考えます。
○大阪市の莫大な借金は、一般会計で2.5兆円(特別会計を合わせると5兆円)になります。これは大阪市という大きな器があったから支えられたもので、単純に8都区へ負わせると、財政破綻の可能性が十分にあります。
○大阪市の職員数も、大阪市の今のサービスの中で成り立つものです。都区へ30万人規模の自治体に相応しい予算額を与え、今の職員をそのまま移せば、過剰人員で破綻の可能性は十分に出てきます。

 こういった点の危惧に対して、大阪都構想では、大阪市を30万人規模の都区に分割し、区長公選制を導入し(市に、市長・市議会を置きますといってるだけなので、特別区にするなら、当然のこと。)、30万人規模に相応しい予算額を持てるようにする。といってた話しかなかったように思います。少なくとも、わたしの知る限りでは。

 しかも、大阪都構想の目的としてよく聞かれる、広域行政の一元化や二重行政解消は、大阪市が一般市になれば解決することで、大阪市を都区に分割して、このようなリスクを負うこととは、直接関係がないだけに、なおさら気になります。

 ですから、「身の回りの行政サービスが、どう良くなるのか?」とは問いません。「自分の身の回りの行政サービスが、今より悪くなってしまわないか?」が知りたいことです。

 このために知りたいことを、とにかく並べてみると
○大阪市分割後の各都区は、現状の行政サービスを維持できるだけの予算額を、持っているか。
○都区の規模が小さくなって、コスト高になることに対して、どのような対策を取るか。
○どういった、税財政制度となるか。(都税制度の導入がされるのか、都税制度の対象税目は、都税制度の税や地方交付税の配分方法と配分率は。)
○都区は、都庁の恣意的な介入を受けないような、財政自主権を持っているか。
○都庁と都区の業務の配分は。
○大阪都の対象となる市町村は。
○都区の業務の中で、1都区でできない業務・事務として、8都区の共同事業化をする業務は、どういった範囲か。
○都区の業務の中で、1都区でできない業務・事務として、8都区の共同事業化をする業務で、意思決定の一元化を失う問題にどのような対策を考えているか。
○市バス事業など、共同事業化される事業の赤字は、どのように負担するか。
○区役所、消防署、図書館、区民ホールなど、都区で複数になるサービス施設は、現状維持を基本と考え、廃止時は、その経費を他の行政サービスへ振り替えることができるのか。それとも、30万人の市が通常維持する程度の施設が基本で、それを超えるものを現状のまま維持するなら、他の行政サービスを削って、行うことになるのか。
○都庁に移管される行政サービスは、サービス拠点やサービス内容が、今の大阪市のものより、縮小されたりしないか。
○大阪都制移行までに、行政サービスのどういった整理を行い、職員のリストラをどの程度進める計画なのか。
○大阪市の借金の取り扱いは、どのようになるか。

などなど。
 思いつくままで挙げてみると、こんな感じです。
 これで全部といえるように書き出したかったのですが、やっぱりそこまで整理しきれませんでした。

 なんか、ぐちゃぐちゃ書いているようですが、結局知りたいのは、「自分の身の回りの行政サービスが、今より悪くなってしまわない。」ということが、きちんと担保されてるかです。そんなに贅沢をいってるつもりではないのです。

 まぁ、そんな感じで、次回は、大阪維新の会の政策「大阪都構想について」を見ていきます。


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posted by 結 at 02:05| Comment(0) | 概要 | 更新情報をチェックする
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