2010年10月10日

大阪市分割案を撤回し、大阪都構想へ一本化

 大阪市が、大阪市分割案では9市中7市が赤字になり、うち5市が財政破綻状態の財政再生団体になるとの試算を発表して、数日が経過しましたが、10月9日、橋下知事は、大阪市分割案を撤回し、大阪市を都区に分割して都庁の下に置く、従来の大阪都構想へ一本化することを明らかにしました。
 記事を書けない間に事態が進んでしまいましたが、論点がさまざまにあるため、今回は、この間の発表・発言などの状況の整理します。

大阪市が、大阪市分割案での分割後9市の財政状況を試算(10月5日頃?)
10月8日読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100402-465846/news/20101007-OYT1T00466.htm?from=nwlb
なお、大阪市議辻よしたか氏のブログで、大阪市の関連資料が掲載されています。
http://tsujiyoshitaka.jimdo.com/2010/10/07/%E5%88%86%E5%B8%82%E6%A7%8B%E6%83%B3%E3%81%AA%E3%82%89-%E5%B8%82%E3%81%8C%E8%B2%A1%E6%94%BF%E7%A0%B4%E7%B6%BB/#permalink

主な点は次の通りです。
○維新の会大阪市議が公表している大阪市9分割案を基に、大阪市の9市分割後の財政状況を試算すると、地方交付税による財政補填を考慮しても、9市中7市が年間100億円以上の赤字となり、うち5市は財政破綻状態の財政再生団体に転落する。
○黒字となるのは北・都島・旭の統合市と中央・西・浪速・天王寺の統合市で、その他の7市では、歳入が年間122億円〜230億円も不足する。
○特に、城東・鶴見の統合市、東成・生野・平野(一部)の統合市、東住吉・平野(一部)の統合市、大正・西成・阿倍野の統合市、住之江・住吉の統合市では、実質赤字比率が20〜27.1%に上り、財政再生団体基準(20%)を上回った。
○残る淀川・東淀川の統合市と福島・此花・港・西淀川の統合市でも、再生団体の一歩手前である早期健全化団体の基準(11.25%)を上回った。
○意見交換会などで、橋本知事は、分割で生じる各市間の財政格差は、地方交付税制度などで是正できると主張していたが、地方交付税は最低限度の行政を担保するに過ぎず、現状の行政サービスに必要となる支出全額を担保できない。大阪市は、交付税での格差解消は不可能と指摘した。
○財政再生団体になると、国の管理下で市民サービスの大幅な見直しを求められる。財政破綻した、「夕張市」の状態となる。
○なお、大阪府自治制度研究会の中間まとめでも、大阪市24区では北区、中央区の税収が突出し、税収が歳出を上回る行政区は西区を含めた3区にとどまるとした。(大阪日日新聞10月8日)


大阪市の試算に対する、橋下知事の発言
○橋下知事は6日、「大阪市が管轄していても財政格差はある。市役所に任せるから無駄が生じており、各地域に公選の首長を置いて財政調整した方が、競争が生じて向上する」と反論。「分市をした市長同士で協議会をつくり、(財源配分を)決めるやり方もある」と述べた。(10月8日 読売新聞)
○橋下知事は7日府議会議本会議で、市分割で生じる財政格差の解消策について、東京都の特別区制度のように広域行政体が財源を配分調整する「垂直」型か、分割された基礎自治体が協議して調整する「水平」型の2案に集約されるとの考えを示した。
「垂直」型について橋下知事は「東京都の23区は地方公共団体としては自立性に乏しい」との認識を示す一方、「水平」型については制度化のための法整備が欠かせないが「残念ながら国の形の議論がなされていない」とした。
市を分割した後の財政調整については「自治体間の任意協議はあるかもしれないが、制度的に確立するためには法的な裏付けが必要」(府総務部)になるが、法整備への対応について、橋下知事は「大政治運動を仕掛けなければ国会議員は動かない」と述べた。(10月8日 大阪日日新聞)
○橋下知事は7日、府議会一般質問で、知事が構想する大阪市の基礎自治体の形態について「普通の市にしても特別区にするにしても問題はある」と述べ、現行の都市制度に問題点があると言及。専門家が集まる府自治制度研究会で「新たな都市像を模索する」と語った。
 さらに、橋下知事は「(現行制度を)一歩越えて新たな大阪の都市像を模索するのが自治制度研究会。大きな方向性を考えれば、特別区でも普通市であろうがさしたる問題はない」と述べ、「住民サービスを提供する基礎自治体として大阪市が大きすぎるというのがテーマ。特別区にするか普通市にするかどうかは次の議論だ」と述べた。(10月8日 産経新聞)
○ 橋下知事は7日の府議会本会議で、「特別区、普通市いずれも問題はあり、研究会で新たな大阪のあり方を模索する。意思決定のメカニズムを詰めないといけない」と述べた。(10月8日 毎日新聞)
○橋下知事は7日、府庁内で記者団に「市の試算は矛盾だらけ」と批判。今後、府として試算する意向を示した。(10月8日 毎日新聞)


橋下知事は、大阪市分市案を撤回し、大阪市を廃止して大阪都の下に都区を置く「大阪都構想」に一本化する方針を決めた(10月9日)
10月10日朝日新聞 http://www.asahi.com/politics/update/1009/OSK201010090150.html

主な点は次の通りです。
○大阪維新の会は9日、大阪市分市案は今後は検討対象とせず、大阪市を廃止して特別区を置く「大阪都構想」に一本化する方針を決めた。
○大阪市分市案は、住民の強い反発が予想されることや、各市間の財政格差の調整が難しいことなどから、知事、府議、市議らが「撤回」で合意した。
○橋下知事は「東京都制度の不都合な点を修正し、特別区が自主性を出せるようにする。会として分市は引っ込める」と述べた。


なお、大阪市分市案は、橋下知事が8月28日に、大阪都構想のような法改正が不要で、大阪市を小さな市に分割して、府との役割を明確に分ければ目的は達せられる。国の交付税制度で、分割後の市の財政調整もできる。として、検討していくとしたもの。
8月29日読売新聞 http://osaka.yomiuri.co.jp/tokusyu/h_osaka/20100829-OYO8T00271.htm

 今回の大阪市分市案撤回についての感想などは、次回以降の記事で書きたいと思います。


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posted by 結 at 20:25| Comment(0) | 概要 | 更新情報をチェックする
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