2010年10月02日

大阪市へ区長公選制を迫る不思議

 橋下知事は、事あるごとに、大阪市へ区長公選制の導入を迫ってきたように思います。
 わたしは、このことを不思議に思っています。

 この場合、現在の行政区の区長と同じものとして、選挙で選ぶようにすれば「よし。」となるのでしょうか。
 予算編成権を自治体の要と説く知事のことですから、まず間違いなく、「区民の代表者たる区長が、それに相応しい予算を持っていないのはおかしい。そんな区長の選出は、ただのまやかしだ。」と、更に責めたてることだろうと思います。そして、もし区長が予算を持つことになれば、その予算の妥当性を確保するためにも、議会を置くことが必要になります。
 公選区長、区議会、予算、これらが揃うということは、区が、ひとつの市になるということです。
 橋下知事が、大阪市に区長公選制の導入を迫るというのは、市の中に、小さな市を作るよう求めているということです。

 区長公選制とは、都道府県である東京都の下に基礎自治体を置くために設けられた、極めて特殊な制度です。
 政令指定都市とはいえ、あくまでも「市」である大阪市に導入を求めるのは、どう考えても矛盾しています。結局、大阪市に「分割しろ!」と迫っているように聞こえます。

 法律で「市」として認められている大阪市を、基礎自治体として認めないと公言して憚らない橋下知事のことですから、橋下知事の中では矛盾していないのかもしれません。
 でも、「大阪市を基礎自治体と認めない。」という発言も、知事たる立場の人が、府下の市に分割を求めることも、「暴言」だと思います。(市の合併や分割は、その市、固有の判断となるので、府県などがその意思に反して、介入することはありません。)
 どのような暴言をしようとも、マスコミも、府議会も、批判しないとたかをくくっているのでしょうか。

 なお、区長を選挙で選ぶべきと強調する橋下知事の姿は、とても、各区の地域性を重視しているように見えます。でも、平松市長との意見交換会で、区の独立を迫る橋下知事に、平松市長が「24区を独立させるのか?」と問うと、「8〜9にして」と、今の区は無くしてしまう趣旨の発言をされていました。
 大阪市の各区に、独立させるべき地域性を認めているということではないようです。


・・・もし、この記事を気に入っていただけましたら、目次から、他の記事もどうぞ。
   大まかに大阪都構想のことを知りたい方は、まとめブログをご覧ください。

posted by 結 at 01:01| Comment(2) | 行政組織 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 少々長くなって恐縮ですが、私なりの感じていることを書かせていただくと・・・
 自分の部下であった大阪府の元部長を堺市長選挙で当選させたあたりから、橋下さんの中で、自分は選挙に強いという自信が確固たるものとなったのでしょう。民主党の代表選挙後のコメントで「僕は知事選で180万票以上取った。(サポーター票の)20万票で世論の支持を受けたと思ったらちゃんちゃらおかしい。」と言ってることからもそのことが感じられます。自分は選挙では絶対的な人気=力がある。さらに、都合のいい事に、「選挙」は一般市民にとって、もっとも身近に政治に参加する手段であり、民主主義の基礎中の基礎ですから、一般論として選挙することが悪いこととは誰も言えないのです。選挙さえ行われれば、そこに自分の意に沿う人を送り込んで、自分が支持することで当選させられる。ぐらいのことは思っているのではないでしょうか。一見、地域性を重視しているように見せかけることができて、内実はその逆で自分の意のままになる、いわば首長を子飼いにすることができる。というのが本当の狙いだと思います。
 一方で、もうひとつのアプローチとしては、元来「調整型」ではなく、「独裁型」の橋下さんにとって、知事の権限が及ばない、あるいは広域的事業で府と同等の財源負担をしている政令市というものが鬱陶しい存在なのです。特に大阪市は、政治家としてオイシイ事業やまちづくりに対して知事の権限が及ばないし、鉄道や高速道路という広域インフラ整備にしても同額の財源負担をしてもらわないといけない大阪市とは、調整や協議がいる。いっそのこと、大阪市なんてなければいいのに。という発想で、都構想だの、市分割論だのが登場したのだと思います。(というより、行政組織というものをよく知らずに選挙に当選して知事になってはみたものの、はっきり言って府政なんてしょうもない。あんなことしたい、こんなことしたいと思ってもそれは市の事業ですと周りから言われ、なんや、大阪市長になればよかったがな。というのが本音かもしれません。もっと言えば、もし橋下さんが府知事ではなく大阪市長になっていたら、都構想なんてことは絶対に言わなかっただろうし、今の逆で大阪府知事を何らかのことで徹底的に攻撃し、府が体たらくだから広域行政も基礎行政も全部大阪市でやる。財源をよこせぐらいのことは言ってるかもしれません。)政令市である大阪市さえ潰してしまえば、自分のやりたい広域行政(というより大規模広域インフラ整備)が自分ひとりの判断でできるし、市をばらした(特別区でも市でも実は何でもいいんだけど)30万人規模の自治体は、「首長を選挙で選べるんですよ」「地域の声が行政に生かせますよ」との喧伝で容易に有権者の支持を取り付けられる。それに自分の人気があれば誰も自分にはむかえるやつはいない。
 選挙、選挙と異常なまでに連呼する理由は、恐らくこんなところぐらいじゃないでしょうか。いずれにしても、区長公選制の発想の根本は、よりきめ細かく地域の声をくみ上げるというような民主主義的なアプローチではなく、単に大阪市の権限を失くして自分ひとりで大阪の舵取りをしたい。そのためには大阪市を潰すもっともらしい理屈を考えないといけない、と言うのが本音だと思います。
 ちなみに、同じ政令市である堺市のことにほとんど言及しないのは、もともと堺市においては別にやりたいこともないし、いざとなっても、市長は自分の元部下で自分が選挙で応援して市長にしてやったんだから口答えはしないはず、ぐらいに思っているのでしょう。
Posted by bafuken at 2010年10月02日 20:46
ご意見、ありがとうござます。

概ね同意です。
ただ、橋下知事は、そういった自分の意向に沿った風に知事が権勢を振るうのが、「正しい」と本気で信じてるのかなとは思ってます。勿論、そのことを多面的に検証した場合、本当に「正しい」のかは、別ですが。

なんにしても、政治を動かすのは選挙結果ですから、自分たちが良い地方行政(又は、今より悪くならない地方行政)を望むのならば、スローガンに踊らされるのではなく、自分の目でしっかりと情報を確かめて、考えるしかないのだと思います。
例え、スローガンに踊らされた結果だとしても、その結果に、わたしたちは責任を負わなければならないのですから。

「政権交代」に踊った選挙で、選挙前から指摘され、説明を誤魔化し続けていた、財源不足が結果として深刻な問題となったのは、そんなに昔のことではないと思うのですが。
Posted by 結 at 2010年10月03日 13:57
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。