大阪府 支出 240 うち大阪市内向け 70 →広域業務 (10減った分は、6を市外へ追加 4はロス)
収入 240 うち大阪市内より 160
大阪市 支出 100 身近な行政 90 広域業務 10
収入 100
これが、大阪都構想実現後のモデル(大阪市のみを都区域とする場合)は、次のようになります。
大阪府 府税支出 240+30 うち大阪市内向け 80+α
府税収入 240+30 うち大阪市内より 160 +市税収入より30
市税支出 都区へ配分 50 府会計へ 30
市税収入 80
大阪市 支出 70 ただし、身近な行政としての実効 45 都区分割のロス 25
収入 20 +(府からの配分)50
大阪府側では、二重行政による「4」のロスも「6」の余剰もなくなります。また、市税で広域行政経費を負担していた部分は、更に「30」に拡大します。
大阪都構想は、二重行政の無駄は解消しますが、大阪市民の広域行政経費の二重負担は、拡大し固定化されます。しかも、府からの広域行政サービスは、大阪市民も、他の府民も同じです。
また、二重行政の無駄は解消しますが、都区部で、大阪市を8都区に分割したことによるロスが発生します。府市の二重行政より、対象となる予算規模はずっと大きいですし、分割数も多いですから、分割によるロスは、ずっと大きな規模となります。
最近、橋下知事から提案のあった大阪市分割案では、これは次のようになります。
大阪府 支出 240 うち大阪市内向け 80 → 広域業務へ支出
収入 240 うち大阪市内より 160
大阪市 支出 100 ただし、身近な行政としての実効 70 8〜9の分市のロス 30
収入 100
二重行政の無駄はなくなり、都税制度による財源移転もなく、大阪市民の広域行政経費の二重負担もなくなります。
ただし、8〜9の分市によるロスは、二重行政の無駄などと比較の対象にならないと思われますから、大阪市民の広域行政経費の二重負担を解消しても、より大きな、身近な行政サービスの低下を引き起こしてしまうと思われます。
橋下知事はわざわざ、大阪市分割のロスには言及しませんが、もし問われた時を推測してみると、次のように説明するのではないかと思っています。
「大阪市の分割で、少しはロスもあるかもしれない。けれども、広域行政の支出が240と10に分割されていたために、250の力しか発揮できていなかったものが、合わせて、1人の指揮官の下に置かれることで、500にも、1000にも、1万にも、力を発揮するすることになる。大阪市内にも、何千もの効果があることを思えば、小さなロスなど、些細なことだ。」
少し前に誰かが言っていた、「増税しても、景気は良くなる。」と似た論法になってしまいましたが、どのように評価するかは、ひとそれぞれかと思います。
なお、上のモデルでは、大阪都構想では、大阪府は増収になり、大阪市分割案では、大阪府は「6」の余剰分、減収になるとしました。
でも、地方交付税の交付額を計算に入れると、この関係が逆転するという話をネットで聞きました。正直、理解できていない点がたくさんあるのですが、次は、その聞いた話を取り上げてみます。
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