2010年09月13日

大阪都構想が想定する市民像の矛盾

 大阪都構想は、大阪府内の広域行政を一元的に行うようにすると共に、大阪市、堺市の大規模な市では、身近な行政に十分に住民の意思が反映できないとして、大阪市、堺市を30万人規模の都区に解体するものです。

 そのうちの、大阪市、堺市の解体から住民が利益を得るのは、今まで十分に意見反映を出来ていなかった市政に、30万人規模という規模で区長(=市長)や区議会議員(=市議会議員)を住民が選ぶことで、住民の意見に沿った市政が行われるとしているからです。
 この点の利益が十分でなければ、これまでのスケールメリットの喪失などで、マイナスになってしまいます。

 大阪市でいうと、260万人規模では民意反映ができず、30万人規模になると可能となる民意の反映というのは、市民が市政に無関心で成り立つものではありません。区民(=市民)は、区長候補(=市長候補)の為そうとする政策を、プラス面、マイナス面ともに、しっかりと見極め、代表として送り出すことで、成り立つものです。もし、十分な候補者がいなければ、自ら、そういった候補者を見つけ、送り出すようなことも、必要となります。
 そういった十分な政治的な関心を払う、自立した市民にこそ、十分に享受することができる利益といえます。

 少なくとも、選挙で、候補者それぞれの主張、政治理念、様々な政策課題にどのように取り組もうとしているかなどを、知らずに投票する市民や、投票にさえ出掛けない市民が多いようであれば、その結果の市政が、現状を超えることなど、何も保証してはくれません。

 では、大阪都構想実現に向けての選挙戦術は、そのような市民を想定しているのでしょうか。
 少なくとも、大阪都構想の具体像を語ろうとせず、市役所叩きとスローガンのみで、押し切ろうとする選挙戦術は、そのような理想的な市民像に向けたものとは思えません。冷徹に、現実の市民を見据えたものです。

 では、大阪都構想が理想とするような市民像ではない、現実の市民が、大阪都構想から何を得るのか。
 そのことを、決して語ってはくれません。多分、それを語ることは、選挙戦術として、正しくはないのでしょう。
posted by 結 at 05:12| Comment(2) | 基礎自治体業務 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは、いつも、勉強させていただいております。

昨日、「たかじんの・・委員会」に平松市長が出演されていました。
橋下知事寄りの番組構成になると思いきや、辛口の評論家メンバーも、市長の説明に納得していましたし、市長のこれまでの実績も紹介されていて、「平松市長=大阪市役所の既得権益を守る悪人」と知事の発言を真に受けている多くの視聴者には、意外に映ったのではないでしょうか。

私は一市民として平松市長を支持していますし、行動力のある橋下知事と大阪のツートップとして、タッグを組んでくれれば、これほど心強いことはないのに・・と残念です。

一方で、橋下知事は、「維新の会」の動きなど見る限り、振り上げた旗を降ろすことはできない状況となってしいますから、これから大阪はどうなることやら・・

橋下知事の「派手なやり方」にどういう戦略で対応するのか聞かれた平松市長が「自分は大阪市長ですから・・」の発言がとても印象的でした。
Posted by 小市民 at 2010年09月13日 19:49
12日のそこまで言って委員会、見ました。
わたしも知事よりの番組構成かと思ってましたので、意外でした。真面目に、市の問題に取り組む人として、市長の印象は良かったのではないでしょうか。
ただ、目標が4月の市会議員選挙であることを考えれば、市長の改革アピールだけでは足りないので、もう少し、明確なメッセージがあった方がよかったのではと思っています。

最近のニュース報道でも、府市が話し合って、協力していくことはできないのかといった論調がありますが、橋下知事が大阪都構想を今の方法で掲げた限り、無理でしょう。敵対的TOBを宣言したのと同じですから。
この先、どのように転んでも、あまり良い方向になるように思えないのが、残念です。
Posted by 結 at 2010年09月15日 01:20
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