2010年09月12日

区間格差は、大阪都構想を妨げない(のかな?)

 9月9日の橋下知事・平松市長の意見交換会でも、大阪市分割後の都区間で、都区の間で大きな較差が出てしまうのではという話が出されていました。

 話を出したのは、平松市長。データを出されてましたが、中継のフリップからは読めなかったので、9月7日に平松市長がちちんぷいぷいに出られた時に挙げられていた数字を挙げてみます。それは、こんな数字です。
市税額 1倍〜10.11倍
生活保護率 1倍〜4.16倍
高齢化率 1倍〜1.45倍
 細かな解釈は、置いておいて、財源が少ないのに業務の多い都区だと、最低必要な業務にいっぱい予算を取られて、他に使えなくなるから、それ以外の行政サービスができなくなるよ。そのため、都区によって、受けられる行政サービスの大きな較差が出るよ。といったことでしょうか。

 これに対する橋下知事の反論は、
○市町村の間で、ある程度の格差はあるもの
○分市の場合でいえば、地方交付税で、財源調整の制度というのが、ちゃんと設けられている。
○大阪都の場合でも、財源調整の方法というのは、いくらもある。
 というものだったと思います。
 意見交換会の話は、ここまででしたが、大阪都構想の賛否を考える時に、どのように考えればいいか、もう少し、話を進めましょう。

 まず、大阪都構想の場合の財源調整の方法です。
 ひとつには、東京都や地方交付税で採られている、基準財政需要を元に、収入の不足部分を埋めるといった方法です。配分すべき額が、自動的に算定されて、ある程度、客観的に財源の平均化ができます。ただ、完全な計算式などないので、ある程度、格差も残してしまいます。

 もうひとつとしては、都庁で必要な予算額を査定して、各都区への配分額を決定するような方法です。この方が、丁寧な財源調整を行うことが理論的にはできますが、都庁による恣意的な配分の可能性も、どんどん大きくなります。
 国が補助金に替えて、一括交付金にするという議論がありますが、恣意的な配分にならないか、心配の声が上がっていたりします。民主党で、小沢幹事長の時に、本部の方針に従わない県連へ資金配分を止めたなんて露骨なことをしたので、余計に心配されているのです。
 自動算定の部分を減らして、都庁である程度の裁量をもって配分を行う場合、同じことが危惧されます。
 大阪都になったとき、都区幹部による、霞ヶ関詣でならぬ、WTC詣でが、風物詩になってしまう可能性は少なからずあります。

 大阪都制になった時、大阪市分割後の都区に格差が生じても、財源調整する方法があるというのは、橋下知事のいうとおりだと思います。
 ただ、橋下知事は、「格差が出ないように、財源調整をする」とはいっていませんし、まして、「どのような方法で、どの程度に平等な財源調整をする」とは、全然言っていません。
 だから、そういったことがはっきりするまでは、みんなが期待する程度に、区間格差が是正され、区間格差で問題はないと、考える訳にはいかないでしょう。

 次に、区間格差が是正されるとして、どの程度かです。
 大阪市分割案の場合、割とはっきりとしていて、地方交付税が行う財源調整の範囲です。
 それがどの程度のものかは、東京都や一部の企業城下町を除いて、府下や近畿の市町村に財政的な格差があるかないかを、見てみればいいのです。大阪市も地方交付税の交付を受けていますが、府下の30万人程度の市と人口一人当たり予算額を比較すると、2倍程度になる差がありました。勿論、様々な条件を加えた上でしょうけれど、この程度の差は許容されるようです。
 今、多くの市町村に財政格差がないと思われる方にとっては、大阪市が分割されても、財政格差と呼べるほどのものとはならないでしょう。今、多くの市町村に大きな財政格差があると思われる方にとっては、大阪市が分割されると、許容できない格差が生まれるかもしれません。

 大阪都構想の場合、どの程度かは、制度が決まらないと全く分かりません。やり方によっては、想定と逆の格差になるようなことだって、十分にありえます。
 ただ、橋下知事の話し方では、地方交付税での財源調整を十分評価しているようでしたから、「地方交付税が行う財源調整」と同程度というのが、(正しく情報が出てくるまでの)ひとつの想定かなと、思います。

 ただ、わたしは、自分のいる都区(や分市後の新市)が、大阪都移行後に、現状の行政サービスを継続して、予算がどの程度、余るかor足りなくなるかというのは、十分に注意を払うべきことだとは思いますが、(少なくとも、大阪都構想を支持するのなら、)隣の都区と、どの程度の格差があるかなんて、気にしてはいけないことのように思います。

 大阪都構想にしろ、大阪市分市案にしろ、都区間でそれなりの格差がでるのは、当然の前提です。
 区間で格差を付けないということなら、今の大阪市は、財源的にも最高水準で、サービスも市内一律ですから、満点に決まっています。
 大阪都構想や大阪市分市案で、多少の財源調整をしたところで、今の大阪市の100点に対して、70点とか、50点とかを目指しているに過ぎません。そんなことを気にするくらいなら、今の大阪市を選べばいいだけです。

 大阪都構想を選ぶのなら、隣の都区と2倍も財源などで格差ができて、行政サービスに色々と見劣りするような結果になったとしても、「俺が区政に協力して、こんな格差ひっくりかえしてやる。」と言い切れるくらいのことは、必要なんだろうなと思います。
posted by 結 at 21:27| Comment(0) | 基礎自治体業務 | 更新情報をチェックする
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