2010年08月16日

30万人規模には、こだわるのだそうです(その3)

 前回、前々回と長い前置きでしたが、最初の話に戻します。
 賛成・反対を別として、大阪都構想で疑問だったことがあります。
 30万人規模の都区では、きちんと考えると、「現状より市民に近い行政」となるかは、人によって意見が、かなり分かれてしまうものだと思います。
 そして、少し丁寧な整理をすることで、より幅広い人から、「現状より市民に近い行政」となる案って作れるのに、なぜ、シンプルな30万人都区案なのかと。

 こういうことなのかな?と思ったのは、ちちんぷいぷいでの、生野区の予算の話です。
 橋下知事の話としては、生野区には13万8千万人の人口があるのに、生野区役所には1億8千万円の予算しかない。他の大阪府下で同規模の市なら380億の予算を持っている。市役所がその分面倒みてるというかもしれないけど、それでは、地域主権や自立じゃないとのことでした。(この話の欺瞞と思う点は、財務の話として、改めて書きます。)

 では、大阪都構想が実現した時、生野区はいくらの予算を持つのでしょうか。380億円の予算を持つのでしょうか。わたしの予想では、多分0円です。
 ウィキペディアの区割りによると、生野区と平野区を合わせた都区(生野区、東成区、天王寺区ではなかったんですね。平野区とは、ちょっと驚きました。)は、予算を持つかもしれませんが、生野区役所はなくなるはずなので、生野区に予算はないはずです。(もしかして、平野区に区役所、生野区に支所を置いたとすると、生野区の支所は、数百万円の予算といったこともありそうです。)
 14万人もの地域が、独立した予算を持たないのは、地域主権ではないといったはずなのに。

 でも、この話で、橋下知事が欺こうとしたとは思いません。というか、疑問に思っていたことに、腑に落ちたのです。
 多分、橋下知事の中では、人口6万人の福島区も、福島区、此花区、西区、港区を合わせた人口28万人の都区も、「同じようなもの」なのだろうと。
 だから、区役所が予算を持っていないのはおかしいと訴えながら、区役所を無くしてしまう話ができる(都区に予算をつけるなら、同じでしょ、ということで。)し、予算を持たない区役所なんて「ないのと同じようなもの」だから、4区役所を1つにしても、「市民に近い行政」になるのです。
 ただ、人口6万人の現在の区と人口28万人の都区を、「同じようなもの」と考えるなんて、「行政を市民に近づけるにはどうしたらいいか。」とか「基礎自治体の最適規模を、どこにすればいいか。」とか、本気で検討をしたならば、出てこない発想のように思うのですが。

 福島区も、(福島区、此花区、西区、港区を合わせた)都区も、「同じようなもの」と思える方には、この記事の議論なんて、どうでもいいことなのだと思います。
 でも、「近くの区役所をなくしてしまうことが、より市民に近い行政になる。」と言われて、少しでも矛盾に思うのならば、大阪都構想が自分の周りの住民サービスに、どんな変化をもたらすのか、落ち着いて考えてみるのも、いいのかもしれません。


 長くなりますが、ここからは、余談です。
 大阪都構想の30万人規模って、何なのでしょうか。大阪都構想の話の中からは、根拠が見つけられなかったので、11市20都区案と同じく、橋下知事以前の時からの案だと考え、その時期なら、多分、市町村合併関係かなと絞って探してみたら、出てきました。
 大阪府で市町村合併を進める中で、人口1人当たりの行政経費が最も効率的で望ましいのが、人口20万人から30万人なのだそうです。(30万人以上の括りだと、政令市が区役所を置いたり、広域業務を行ってたりして、ストレートにスケールメリット出ませんからね。)
 30万人規模で望ましいのは、市民の意見反映ではなく、行政経費のようです。

 橋下知事は、ちちんぷいぷいの冒頭で、大阪市の中を30万人規模にするのは、こだわっているとおっしゃいました。
 何について、こだわっているのでしょうか。
posted by 結 at 23:34| Comment(2) | 基礎自治体業務 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
では30万人ではなかった場合、どういう形態がベターなのでしょうかね。経済的効率が高いことは血税を無駄にしないという点において非常に重要なポイントになるとは思います。
何百万人にたった一人の市長を置くことがよいのか、それとも市という単位はもっと住民に近い位置にいるべきなのか。
Posted by ふも at 2010年08月17日 21:56
わたしは、現状の選択肢では、現状の280万都市を選択しますよ。区役所は、それなりにこまめな仕事をしてくれますし、地域的ニーズの差異で実現していないと思ってる行政へのニーズも思い当たりません。(予算があればは、色々あるでしょうが。)
280万人に、たったひとりの市長だと全然ダメで、30万人に、たったひとりの市長だと、素晴らしい行政をしてくれると期待する根拠は、わたしにはありません。

それよりも、市役所業務を8ヶ所で行い(八重行政です。)、スケールメリットを大幅に失うことで、予算が縮小し、行政サービスが低下する方がイヤです。(常識的に考えれば、そうなります。)

大阪府は確かに、20万〜30万人規模の市が一番安上がりな行政をしているという資料を作っていますが、同じレベルの行政サービスを提供しているとは、全く言ってない訳で、だから30万人が市民にとって、一番いいなんてことには全然なりません。
Posted by 結 at 2010年08月18日 00:32
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