2010年07月25日

大阪市は、利己的なのか?

 「大阪市は、大阪市だけのことを考えていて、オオサカ全体のことを考えていない。」
 確か、橋下知事が言っていたと思うのですが。
 では、大阪市は、自分のことしか考えない、利己的な存在なのでしょうか。

 まず、大阪市「が」利己的かと問われたならば、わたしは「Yes」と答えます。
 平松市長のブログとか見ていると、「そんなことはない」と、否定されています。
 また、大阪市は、大阪市の周辺地域に効果の及ぶ事業も行います。いくつか例を挙げるなら、地下鉄を堺市や守口市の深くまで走らせていたりしますし、阪神港のスーパー中枢港湾指定に向けた取り組みなども、そうでしょう。そして、周辺市へ効果が及んでも、「大大阪市」の自負なので、その市へ分担金を求めることは少ないように思います。
 でも、それが、周辺市のために事業をしているのかといえば、当然「NO」で、大阪市は、大阪市民のためになると思っているから、事業を行っているだけです。ただ、効果が周辺にこぼれるのを、放っているだけのことです。

 では、大阪市「は」利己的かと問われたら、わたしは「No」と答えます。
 「大阪市『は』利己的」と言ったら、まるで大阪市以外の自治体が、利己的じゃないみたいじゃないですか。
 わたしは、自分の市の市民の利益よりも、自分の市以外の地域の利益を優先する自治体を知りません。(周辺の自治体に協力することで、間接的に自分の市の市民の利益を図る例は、いくらもありますが。)

 自治体は、地域内において、公平・公正であることを求められるので、自治体=利己的といったら違和感を感じるかもしれませんが、他の自治体との交渉では、自分の地域の利益を最優先として交渉に当たります。また、そうでなければ、交渉相手の自治体から、体裁のいいお題目をつけて、不利益を押し付けられてしまいます。交渉相手の自治体も、自分の地域の利益を最優先にしているのですから。自治体同士の交渉なんて、外から見えないから、気付きにくいだけのことです。

 例えば、前回記事の水道統合の交渉と関連し、「大阪市の水道料金が値上がりする。」として、府水道部や水道事業団の統合案に否定的な大阪市は、利己的として非難されています。
 でもそれならば、(統合効果は同じように出せるのに)府市の合意案を、「今までのように意見反映できることが保証されていない。」「統合による追加の値下げがないならば、統合のメリットがない。」として否定した大阪市以外の市町も、十分利己的です。

 では、大阪府はどうでしょうか。
 橋下知事の発言は、有名知事としてマスコミからコメントが求められるだけに、ただのコメント(結果が府の利益にも、不利益にもならないこと)が多くて、なかなか難しいのですが、わたしから見て、ひとつだけ利己的とはいえない、発言がありました。
 普天間基地移転に絡んで、全国知事会で米軍練習場の受入を表明したことです。でも、他の知事は誰も同調しなかったことが、自治体の一般的な態度が、どちらであるかを示しています。

 橋下知事についても、利己的と指摘できる例はあります。
 例えば、三空港問題で、関西国際空港の問題は、関西の問題として取り組むべきとぶち上げますが、神戸空港の問題に対して、同じように熱心だとは思えません。
 伊丹空港と関西国際空港の統合について、前原国土交通大臣から提案を受けた時も、神戸空港も含めるべきと話をだしたとは聞いていません。

 もうひとつ、例を挙げてみます。
 大戸川ダムの建設中止について、覚えているでしょうか。近畿地方整備局が、建設を進めようとしたダムを、滋賀県、京都府、大阪府の知事が、一丸となって、建設中止に追い込んだ件です。
 この時、近畿地方整備局は、周辺の道路事業などダムの周辺整備事業が中止になってもよいのかと脅し、逆に、3県の知事で、周辺整備を中止することは許さないと働きかけ、ダムは中止しましたが、周辺整備事業は、そのまま実行することを勝ち取りました。

 この時、ダムの白紙撤回の合意文書で「生活再建や地域振興策について、大阪府と京都府は滋賀県と助け合って責任を果たしていく用意がある」と明記しました。
 しかし、これに基づき、滋賀県が、京都府、大阪府へ、周辺整備事業の分担金約10億円の支払いを求めたのですが、ダム工事が凍結されて支払いの根拠がないとして、大阪府は支払いを拒否。京都府もごく一部を予算計上したのみだそうです。

 ここまで、利己的と思う例をいくつか挙げましたが、そのことを非難する意図はありません。自治体は、地域住民の利益を最優先に考えるべきであり、他の自治体との交渉において、「利己的」であるのは、必然だと考えます。
 逆に、自治体が、地域住民の利益を最優先にすることを、「利己的」と非難することの方に、疑問を感じてしまいます。
posted by 結 at 03:49| Comment(0) | その他 | 更新情報をチェックする
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