2010年07月21日

大阪市立病院を大阪府にという仕分けに怒りを覚えるわけ

 新聞の記事によると、大阪府の検討結果では、大阪市の病院事業は、大阪府の事業であるべきで、理由としては、「基礎自治体がそれぞれ行うと非効率」だからだそうです。
 前回、この大阪府の見解に怒りを覚えると書きました。それは、あるドキュメント番組を以前に見ていたからです。

 その番組は、2008年5月にテレビ大阪で放送された「胎動2」という番組で、市立貝塚病院と市立泉佐野病院の産科の統合を取り上げたものです。
 この番組は、主に2つのテーマを取り上げていて、ひとつは、研修医制度の変更で医師不足となった中、医師派遣元の阪大病院から、分娩を行う病院を両病院で1本にするように求められたこと。
 そして、もうひとつは、統合した周産期センターを担う市立泉佐野病院が、それによって拡大する赤字をどのように負担していくかということで、わたしが気になったのは、こちらです。

 番組のうち、赤字負担の部分をまとめると、次のような感じです。
○市立泉佐野病院は、2006年までに10億円の赤字を抱え、2007年度には更に10億円増える見込みで、病院の存続が苦しくなってきている。
○周産期センターを抱えることて、さらに約1億円赤字が膨らむことが見込まれる。
○泉佐野市と貝塚市は、周産期センターの設立協議会を利用実績の多い周辺5市3町で立ち上げ、センター運営費の赤字の負担を呼びかけた。
○各自治体は、大阪府へ財政支援を求めたが、スタートに合わせた支援は見送られた。このため、関係自治体の足並みは乱れ、岸和田市と阪南市から理解を得られなかった。
○泉佐野市長「泉佐野市、貝塚市からの呼びかけだけで、市民から預かる税金を拠出するのはいかがなものかと言われている首長が、まだ参加されていない。」
○大阪府の支援を期待し、ぎりぎりまで待ったため、参加が最後になった岬市の市長「私共の気持ちからすれば、大阪府全体として、大阪府の医療をどうあるべきかということは、やはり府としての指導っていう部分もあるべきだと。」
○病院の担当者も、大阪府の冷ややかな対応には納得いきません。「ある団体さんがおっしゃっていたが、府税を払う意味がどこにあるねん。というふうな言葉を投げかけてて。その苛立ちというのは、大阪府が結局リーダーシップを発揮してない。そこに尽きるでしょうね。今回の問題は。」
○泉佐野市は、財政を破綻させては元も子もないとして、赤字負担をいただけない市町の住民の分娩費用を13万円値上げすることとした。

 この負担金対応の結果、住む市によって分娩費用が大幅に変わる対応は、自治体のエゴとして、当時、新聞にも取り上げられました。
 現状、詳細がどのようになっているかは分かりません。少なくとも、阪南市は負担金に参加を行いました。また、居住市別の分娩費用は、今も続いています。

 わたしには、上記の大阪府の対応が非難されるべきなのかどうかは、分かりません。大阪府が、府下の医療体制にどのような関わりを取ってきたのかは、知らないからです。

 ただ、大阪市が設置し運営している病院を、大阪市が望んでもいないのに、「基礎自治体がそれぞれ行うと非効率」と大阪府の運営であるべきだと見解を示されるのであるならば、人口10万人弱の泉佐野市が、財政逼迫の中、公立病院が泉州地域から失われないように必死に支えている市立泉佐野病院は、(財政支援などといわず)とっくに大阪府に移管されていて、当然ではないですか。

 為すべき時に、為すべきことをなさなかった人が、都合の良い時だけ手前勝手な理屈を振りかざしている。
 わたしには、そのように感じられ、怒りを覚えてしまうのです。

 上記の周産期センター「泉州広域母子医療センター」設立についてのゴタゴタがあったのは、橋下知事就任の前年のことです。
 橋下知事就任後のドキュメンタリー番組で、一度だけ、市立泉佐野病院の名前を見かけました。それは、橋下知事就任後の大幅な予算カットを検討する中で、市立泉佐野病院に併設されている大阪府の救急救命センターを(赤字を含めて)泉佐野市へ移管することで、予算を節約できないかと検討を行うものでした。(実現はしませんでしたが。)
posted by 結 at 07:02| Comment(0) | 広域行政 | 更新情報をチェックする
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