2010年06月23日

意思決定の一元化が、大切だったのでは?

 橋下知事が、大阪都構想を提案したのって、広域行政権限の多くで、大阪市域以内は大阪市の権限になるため、広域行政で何かしようとすると、大阪市との調整が必要になって、機動的に進めることができないって話だったと思うのです。
 ですから、橋下知事は、意思決定を一元的に行うことを、大切に考えているのだと思っています。

 ただ、気になるのは、その割には、知事が関係しない意思決定については、一元的な意思決定が行えるかについて、あまり頓着していないように見えることです。

 橋下知事は、府権限の市への移譲を、かなり大胆に打ち出しています。記憶に新しいものとしては、ひとつは、教職員の人事権を府北部5市町の広域連合へ移譲したこと。もう一つは、府の水道事業を、府下市町(大阪市を除く。)の共同事業として移譲したことです。

 市側も望むものであれば、権限の移譲はよいのですが、問題と思うのは、ひとつの市では権限・事業を受けられないため、いくつもの市町の共同事業として、移譲されることです。(府の権限って、多くは、一般規模のひとつの市では対応できないから府の権限にされているのであって、無理に市へ移譲しようとすると、複数市が共同で受けることになるのは、当然なのですが。)

 この場合、問題となりそうなのは、ひとつは、各市が持ち回りで事務局を行うような場合で、どの市も、自分の市の事務ほど積極的な対応をせず、ずるずると毎年、同じ事務を見直しもせず、繰り返すようなことになりがちなことです。

 もうひとつ、問題になりそうなこととしては、水道事業が典型ですが、府下市町の共同事業で水道事業を行うといっても、事業主体の実態は、旧府水道部です。各市から代表を出して、理事会を設け、その下で事業を行うといっても、理事会は、専門家集団である旧府水道部の形式的な承認機関にしかならない可能性が十分にあります。
 もし、わたしが摂津市民で、水道事業団の経営が非効率なために、水道料金が高くなっていると知ったとしましょう。摂津市役所へ抗議に行ったなら、それは水道事業団のことなので、こちらではどうにもならないという回答をするでしょう。そして、水道事業団へ抗議しようとすると、水道事業団は市民対応窓口はないので、各市の方へ行ってくれというのかもしれません。もし、無理に水道事業団へ押しかけても、事業は、きちんと効率的に行っていて、各市で構成される理事会にも、きちんと承認を貰っている。承認内容に不満があるなら、摂津市の方へ行ってくれという対応になるのでしょう。

 府の水道部であれば、府知事が明確な責任者となり、選挙民の信託の下に置かれます。
 これに対して、多数の市の共同事業となると、どこの市も明確な責任者とならず、けれども、形式的には各市の承認を受けているということになり、選挙民の意思と乖離した状態を生み出しやすいのです。何か問題があった時には、近畿整備局がダム事業を「いったい誰のためにやっているのか?」といった、もどかしさと、同じようなことになりかねません。

 このような話を出したのは、ひたすら府政批判ということではありません。
 大阪都構想は、都庁では意思決定の一元化が図られますが、都区レベル(特に、分割される大阪市、堺市。)では、都区間の共同事業が大量に生み出され、上記のような弊害が様々な場面で起こってくる可能性があるからです。
 この話は、次回の話にさせていただきます。
posted by 結 at 06:05| Comment(0) | 基礎自治体業務 | 更新情報をチェックする
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