2010年06月19日

東京都の財政問題資料から考える大阪都構想(その2)

 前回の東京都の「都区財政調整制度の課題」の議論と、大阪都構想を巡る橋下知事などの議論を比較すると、いくつか気付く点が出てきます。

 ひとつは、大阪都構想の主なテーマとして、橋下知事が語る「大阪市の政令指定都市権限(=広域行政権限)を、広域行政体である大阪府が行うべきか否か」という議論は、政令指定都市制度についての是非論であって、「都」制度についての議論ではないということです。
 (以前にも記事にしましたが、)現状の議論の二重行政解消は、大阪都構想のような(現行法に存在しない)よく分からない制度を持ち出さなくても、「大阪市は、政令指定都市であるべきか。」「政令指定都市制度は、廃止すべきか」というだけでよいはずです。

 二つ目ですが、大阪都構想の「都」構想としての側面を、ある程度明らかにしようとすれば、「市の事務」を都と都区が、どのように分担するかを明確にすることが必要です。
 大阪都構想を語る中では、都の広域行政体としての機能ばかり語られますが、それは一般の府県の仕事でしかないのです。

 都が、「市の事務」のどういった部分を担当するのか。(逆に、都区が府の業務を担当するという話も出てくるのかもしれません。)
 これを明確にすることで、大阪都にすることで、都区部のどういった都市的基盤を一元的に整備しようとしているのか、その姿が分かってくると思うのです。
 でも、都区部の一元的管理という視点で見るなら、上下水道(各戸の給排水を含む。)、消防、地域交通網などを、都が行わないなんてありえないと思うのですが、報道などを見る限り、必ずしも、そうでもないようです。

 三つ目ですが、事務の分担範囲と費用負担の方法は、明確であるべきです。
 少なくとも、東京都の資料にあるように、費用の分担範囲で争ったり、挙句に、都区の豊かさを非難するような状況になることが、望ましいはずがありません。

 東京都資料を見る中で、都区制度の特徴的なことは、市の業務の一部を、都が市の財源を使用して担当することです。(逆にいえば、府の業務の一部を都区が担当するなら、府の財源を使用することになるはずです。)
 この特徴がないなら、都区制度など必要なく、市と府のまま、担当事務の見直しで、済んでしまいます。

 今までの報道などでの大阪都構想の議論では、都が市の事務の一部を担当するということを言わないまま、法人市民税と固定資産税の都税化を打ち出しています。
 これでは、都政って何かよく分からないことをいいことに、都合のよい制度だけつまみ食いして、市の財源を府のものにしてしまおうというように、見えてしまいます。
posted by 結 at 02:10| Comment(0) | 概要 | 更新情報をチェックする
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