2010年06月17日

東京都の財政問題資料から考える大阪都構想(その1)

 前回までの東京23区との財政力比較の資料を探す中で、興味深い資料を見つけました。
 平成17年に東京都財務局が作成した「都財政が直面する課題」という資料で、その2番目のテーマとして「都区財政調整制度の課題」というのが、挙げられています。

 この中では、都区制度について、次のように説明しています。
 東京23区は、既存の大都市制度では対応できないほど、人口や産業の集積があることから、特別区の区域を一体的な地域ととらえ、「市の事務」を都と区が役割を分担して実施する。
 「市の事務」のうち、住民に身近な行政サービスは区が実施し、特別区の区域で一体的に行う必要のある行政サービス(大都市事務)を都が実施する。
 都が「市の事務」の一部を行うために、調整三税(法人市民税、固定資産税、特別土地保有税)や都市計画税など、一般に市の財源とされる税を都税とし、その一部をこの事務に充てる。(「市の事務」に充てなかった部分については、区へ配分する。)
 ということのようです。

 この資料の中で、この都区制度について、都と区の主張が対立するとして、挙げられているのは、次のようなことです。

 特別区の主張は、次のようなものです。
 調整三税(法人市民税、固定資産税、特別土地保有税)など、本来の市の財源を使って行う事務は、一般の市の事務の範囲であるべき。(一般の市の事務以外は、都固有の財源(=府県の財源)が充てられるべき。)
 調整三税で、配分されず都の財源としている7100億円のうち、3500億円を、現在の配分額に追加して、特別区への配分対象とするべき。

 これに対する、東京都の主張は、次のようなものです。
 特別区の区域の実態からみて、都が「市の事務」として行う大都市事務は、政令指定都市の事務範囲か、それ以上の範囲である。政令指定都市が行うことのできる事務の範囲(政令市以外では、府県の事務の範囲)や、市でも府県でもどちらでも行うことのできる事務は、都が「市の事務」として実施し、調整三税などの財源を当てることができるものである。
 都から区へ3500億円もの財源を移管すると、都が財源不足となり、行政サービスの低下を招くことになる。
 また、現状の調整三税の交付割合では、区は、基準財政需要に対して財源超過となっており、更なる財源を必要とするとはいえない。

 この資料の議論から、大阪都構想の現在の議論を見ての感想は、次回にします。
posted by 結 at 01:39| Comment(0) | 概要 | 更新情報をチェックする
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