2010年05月15日

都区が財政的困難に陥ったとして、都庁は助けてくれないのか

 前回、大阪市分割後の新市(都区)は、かなりの財政的困難に陥って、市民サービスにも大きな影響が出るかもしれないと書きました。
 もしそうなったとして、市民へ影響が及ばないように、大阪府(都庁)が何とかしてくれないのでしょうか?

 まず、現状の大阪市役所と区役所の関係で考えてみます。
 大阪市の中で、市役所と区役所は、同じ会社の中の本社と支店のような関係です。ですから、そもそも区役所だけが財政困難に陥るということはありません。なので、別の状況として、区役所で失火による火災があり、数ヶ月間、区役所で業務を行えないようになってしまったとしましょう。

 市役所は、(その区役所とも連携を取りながら、)数日中にも、学校の体育館や他の市の施設で、仮設の区役所窓口を開けるスペースを確保し、不十分でも、窓口業務が続けられる状態を確保します。そのために必要な、書類、用紙、機材などを徹夜してでも、確保し、そのために、必要な予算も確保します。
 区役所の業務再開に、その区役所の職員の多くが取り組む必要があるなら、仮設の窓口には、他の区役所からの応援体制を取ることになり、市役所がその手配をするでしょう。
 原因が、失火など区役所自身の原因であるなら、市長自身が市民サービスに大きな影響を与えてしまうことを陳謝し、大阪市全体を以って、市民生活への影響を最小限にするよう努力すると語り、市民生活への影響をできるだけ抑えるために、市役所も区役所も(それこそ労働組合も含めて)取り組むことでしょう。

 話を戻して、新市(都区の区役所)が財政的困難に陥り、市民サービスへ大きな影響を与えることになった時です。
 新市(都区の区役所)と大阪府(都庁)は、全く別の会社です。でも、無関係ともいえません。この場合では、業績不振に陥った会社(区役所)と主力銀行(都庁)の例えが、かなり近いように思います。

 区役所と都庁は、十分に協議を行い、都庁は、区役所の財政再建に必要な支援を行うと思います。例えば、公債発行を承認したり、緊急融資を行ったり、法人市民税と固定資産税の配分率を臨時に上乗せしたりといった方法が考えられます。

 ただ同時に、都庁は、区役所に対して、財政再建計画の策定とその実施を求めると思います。財政再建計画は、全体としては10年計画などでも、都庁の支援が必要となる危機的状況からの脱却は、3年程度(多分、長くても5年)で行う計画の策定を求めると思います。
 この場合の財政再建計画とは、結局は、支出の大幅削減のことで、つまりは、大規模なリストラと市民サービスの切り下げです。都庁の支援があるといっても、多少の猶予期間を持つことはできるかもしれませんが、前回記事の財政困難の結果としての、市民サービスへの影響は、あまり改善されないだろうと思います。

 市民サービスの切捨てに怒り、区役所で話をしてもどうしようもないので、都庁へ抗議にやって来た市民が、こんな話を聞く姿を、想像してしまいます。
 「区の財政再建計画に問題があるとお考えとのことですが、それは、区役所の方へご相談ください。
 財政再建計画を都庁が区役所に押し付けたとお考えのようですが、それは誤解です。計画は、区役所がお立てになったもので、区役所からの要請に応じて、できる限りの支援をさせていただいているところです。
 大阪都への移行に元々の問題があり、その責任が都庁にある。とのお話ですが、大阪都への移行は、確かに大阪府が提案をさせていただきましたが、府民や参加各市の賛同を得て、実現したものです。あなたの市にも、市議会で参加の決議をいただいていますよ。都庁が、一方的に押し付けたものでないことだけは、どうぞ、ご理解ください。」


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posted by 結 at 00:49| Comment(0) | 基礎自治体業務 | 更新情報をチェックする
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