例えば、朝日の住民投票当日5月17日の記事「20・30代は6割賛成 都構想 朝日・ABC出口調査」から、抜粋すると次のようになります。
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年代別にみると、とくに賛成した人が多かったのは20代(61%)と30代(65%)。40代(59%)、50代(54%)、60代(52%)も賛成が過半数を占めた。一方、70歳以上は反対が61%で賛成を上回った。
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これをもって、反対が賛成を上回ったのは70歳以上だけで、シルバーデモクラシーだと揶揄する声がありますが、何ともヘンです。
普通に考えれば、20代から60代までが賛成多数で、70歳以上だけが反対多数で、全体が反対多数になるというのは、考え難いのです。
大阪市が「特別区設置住民投票における年齢別投票行動調査の結果」を発表したので、これを基に検証してみたいと思います。
大阪市の調査結果による年代別投票者数は次の通りです。
(元データ 元サイト)

これを見ただけでも、20代〜60代の合計が108万人、70代以上が32万人ですから、70代以上の賛成が61%ある程度で、賛否を引っくり返すなど現実的でないことが想像できてしまいます。
でもまあ、ちゃんと試算してみましょう。
大阪市の年代別投票者数に、朝日新聞出口調査の年代別賛成率を乗じた賛成・反対の票数の試算は次の通りになります。

(住民投票開票結果の元データ 元サイト)
試算を見ると、出口調査の結果が正しいなら、賛成が反対を10万票近く引き離して上回るはずですが、その試算結果は、実際の開票結果と大きく異なります。
実際の開票結果と掛け離れた出口調査結果を元に、投票結果の解釈を作って、あれこれと決め付けてみても、(実際の開票結果と掛け離れているのですから)実際と乖離した主張でしかありません。